ヘヴィ・メタルのパイオニア、オジー・オズボーンが76歳で死去

ブラック・サバスのフロントマンとして活躍したヘヴィ・メタルのパイオニア、オジー・オズボーンが7月22日、76歳で死去しました。

オジーは7月5日、地元バーミンガムでブラック・サバス最後の公演『Back to the Beginning』を行なったばかりでした（7月7日MLCニュース）。

家族が訃報を伝えていますが、死因は発表されていません。

「言葉では言い表せないほどの悲しみと共に、私たちの愛するオジー・オズボーンが今朝、他界したことをお伝えしなければなりません。彼は家族に見守られ、愛に囲まれていました。皆様には、家族のプライバシーを尊重していただきますようお願いいたします。

シャロン、ジャック、ケリー、エイミー、ルイ」

1948年に英ウォリックシャーで生まれ、バーミンガムで育ったオジー（John Michael “Ozzy” Osbourne）は、1968年にブラック・サバスを共同設立し、1970年～1978年に8枚のアルバムをリリースした後、1979年に薬物問題のためバンドを解雇されました。

ソロ活動をスタートさせたオジーは、1980年にリリースした初ソロ・アルバム『Blizzard Of Ozz』を皮切りに成功をおさめましたが、ドラッグと酒による酩酊状態が続き、公衆の面前で何度も悪名高い奇行を繰り返し、1982年にはアイオワ州のコンサート中にコウモリの頭を食いちぎり、翌月にはテキサス州のアラモ慰霊碑に放尿したことで逮捕され、10年間アラモ市への立ち入りを禁止されました。

その後、オジーは1997年～2006年と、2011年～2017年までサバスに復帰し、自身にとって35年ぶりとなったバンド2013年の最後のアルバム『13』でヴォーカルを務めました。

サバスは2006年、「ロックの殿堂」入りを果していますが、バンド初期の作品は酷評され、オカルト的なテーマの曲が激しい非難を浴びました。しかしながら、サバスの音楽の重厚さと暗さがアイアン・メイデン、ジューダス・プリースト、メタリカ、スレイヤーといった後のメタル・バンドに多大な影響を与えました。

またオジーは、1996年に妻でマネージャーのシャロンと共にヘヴィ・メタル・フェス「オズフェスト」を創設し、同フェスは毎年恒例のシリーズとして、2018年まで断続的に続いていました。

2002年、オジーはシャロン、娘のケリー、息子のジャックと共に、MTVのリアリティ番組『オズボーンズ』に出演し、この番組は2002年から2005年にかけて4シーズン放送され、MTVで最も視聴率の高い番組の一つとなりました。

晩年は様々な健康問題に苦しみ、2019年に自宅で転倒したため脊椎の手術を受け、2020年にはパーキンソン病であることを公表していました（2020年1月22日MLCニュース）。

オジーの訃報を受け、ブラック・サバスのトニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、ビル・ワードが、それぞれSNSで追悼メッセージを発表しています。

アイオミ「信じられない！　最愛の友オジーが、ヴィラ・パークでの公演からわずか数週間後に亡くなるとは。言葉では言い表せないほど胸が張り裂けるようなニュースだ。彼のような人は二度と現れないだろう。ギーザー、ビル、私は兄弟を失った。シャロンとオズボーン・ファミリーの皆様に心よりお悔やみ申し上げます。オズ、安らかに眠ってください。トニー」

バトラー「さようなら、親愛なる友よ。長年ありがとう。本当に楽しかった。アストン出身の4人のキッズがこうなるなんて、誰が想像しただろう？　アストンに戻って、最後にもう一度一緒に演奏出来て本当に良かった。愛しているよ」

ワード「今、君はどこにいるんだろう？　思い出の中、暗黙で抱き合い、電話をし忘れ、いや、君は永遠に僕の心の中にいる。シャロンとご家族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。安らかに眠ってください。ファンの皆様にも哀悼の意を表します。さよならは言わないよ。永遠に感謝する。ビル・ワード」

安らかなる眠りをお祈りいたします。