フリートウッド・マックの創設メンバー、ピーター・グリーンが73歳で死去

ロックンロールの殿堂受賞セレモニー1998年のステージより、ピーター・グリーンとサンタナの共演による「Black Magic Woman」

フリートウッド・マックの創設メンバーの一人で、ブルース・ギタリスト／シンガー／ソングライターとしても知られるピーター・グリーン（Peter Green）が7月25日、73歳で亡くなりました。

訃報を伝えた家族の弁護士によると、グリーンは睡眠中に息を引き取ったとのことで、詳細は後日改めて発表されるそうです。

グリーンは、1998年にフリートウッド・マックのメンバーとして「ロックの殿堂」入りを果たし、『ローリング・ストーン』誌が選ぶ「史上最も偉大な100人のギタリスト」で歴代58位にランクインしています。

ロンドン生まれのグリーンは15歳でプロとして演奏し始め、1966年にエリック・クラプトンの後任ギタリストとしてジョン・メイオール＆ザ・ブルースブレイカーズに加入。1967年にブルースブレイカーズを脱退し、同バンドにいたドラマーのミック・フリートウッドとギタリストのジェレミー・スペンサーと、ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マックを結成しました。

1968年以降、ソングライターとして開花したグリーンは、後にサンタナがカヴァーした「Black Magic Woman」や、英シングル・チャートで第1位を記録したインストゥルメンタル曲「Albatross」などを作曲、デビュー・アルバムのレコーディングまでにバンド名をフリートウッド・マックに短縮し、1968年にデビュー・アルバム『Fleetwood Mac』を発表しました。

The Super-Natural

Fleetwood Mac Peter Green
Black Magic Woman
(Live Boston Tea Party) 1970

Fleetwood Mac
Albatross

その後、2枚のアルバム『Mr. Wonderful』（1968年）と『Then Play On』（1969年）をリリースしましたが、1970年にLSDの影響で統合失調症と診断され精神病院に入院、バンドを脱退しました。

70年代初期にはソロ・アルバム『The End of the Game』をリリースし、フリートウッド・マックのバンド仲間と一時的に共演することもありましたが、精神疾患に苦しめられたグリーンは、1979年まで次のソロ・アルバムを発表しませんでした。

また、1990年代後半にはコージー・パウエルやナイジェル・ワトソンらとピーター・グリーン・スプリンター・グループ（Peter Green Splinter Group）を結成し、1997年から2004年までに9枚のアルバムをリリースしています。

ピーター・グリーンを偉大な指導者としてリスペクトしているミック・フリートウッドは、今年の2月にグリーンの音楽を称えるオールスター・トリビュート公演（2019年11月12日MLCニュース参照）を開催し、スティーヴン・タイラー、デヴィッド・ギルモア、ビリー・ギボンズ、ピート・タウンゼント、カーク・ハメット、ジョン・メイオールなど、錚々たる豪華ゲストが出演しました。この公演の模様を収録したライヴ作品は、今年の10月16日にボックスセットで発売される予定です（2月26日MLCニュース参照）。彼を悼んでSNSを通じて発信されている追悼メッセージについては、別途ニュースもご参照ください。

安らかなる眠りをお祈りいたします。