伝説のギタリスト、故トミー・ボーリンの未発表デモを収録したコレクション・アルバム発売

コレクション・アルバムの未発表音源は、1976年にリリースされた生前最後のソロ・アルバム『Private Eyes』のレコーディング・セッションから収録したもので、ボーリンの代表曲となった「Bustin’ Out For Rosey」の別ヴァージョンや、「Gypsy Soul」のアコースティック・デモやアウトテイク、「Someday We’ll Bring Our Love Home」のインストゥルメンタル・デモなどが含まれています。

アルバムは、CDおよびホワイト、パープル、レッド・ヴァイナルで発売され、ロック・ジャーナリストのデイヴ・トンプソンによるライナーノーツが掲載されています。

トミー・ボーリンは、ジェイムス・ギャングの初代ギタリストだったジョー・ウォルシュの推薦により1973年から1974年まで同バンドでギタリストを務め、1975年から1976年までリッチー・ブラックモアの後任としてディープ・パープルに参加していました。

パープルが1975年に発表したアルバム『Come Taste the Band』では、9曲のうち7曲を作曲または共作し、日本ツアーにも参加しましたが、ジェイムス・ギャングではウォルシュの後任、パープルではブラックモアの後任だったため常に公演ではブーイングが起き、ボーリンは不満を抱えたままツアーを行なっていました。
ドラッグ中毒に陥ったボーリンは、パープルの東京公演で満足に演奏することも出来なくなり、キーボーディストのジョン・ロードが彼のギター・パートをオルガンで演奏する事態になりました。バンドは1976年に解散し、この東京公演の模様は、バンドが発売中止を求めたにもかかわらず、ライヴ・アルバム『Last Concert in Japan』として1977年に日本で発売されました。

パープル解散後、ボーリンは1976年9月に2作目のソロ・アルバム『Private Eyes』（邦題『魔性の目』）を発表しましたが、同年12月4日、前座として参加していたジェフ・ベックのツアー中に麻薬の過剰摂取により25歳の若さで亡くなり、このソロ・アルバムが生前最後の作品になりました。