元チェアメン・オブ・ザ・ボードのシンガー、ダリル・ジョンソンが死去

商品情報　Darryl Johnson『Open the Door to Your Heart』
Amazon Music（DEC 01 2023）

70年代初期のデトロイトを代表するソウル・グループ、チェアメン・オブ・ザ・ボード（The Chairmen of the Board）の元シンガー、ダリル・ジョンソン（Darryl Johnson）が他界しました。

死亡日などの詳細は発表されていませんが、現グループ・リーダーのケン・ノックスが7月30日に訃報を伝えており、「ダリルは、オリジナル・メンバーのダニー・ウッズを彷彿とさせるダイナミックな声域の持ち主で、チェアメン・オブ・ザ・ボードに最適な人物でした。彼の死は惜しまれることでしょう」と語っています。

ノースカロライナ州シャーロット出身のジョンソンは、40年以上にわたりキャリアを磨き続けていましたが、アメリカで注目されるようになったのは、1994年にTVのタレント番組「Star Search」で素晴らしいパフォーマンスを披露したことがキッカケでした。

2010年代には、現代版チェアメン・オブ・ザ・ボードのメンバーとして有名になり、カロライナ・ビーチ・ミュージックの主導的地位を築いていたグループは、70年代のヒット曲やグループ後期のローカル・ヒット曲をパフォーマンスしていました。

その後、ソロ活動のためにグループを脱退したジョンソンは、2017年にデトロイトへ移住しましたが、2020年に糖尿病の合併症で片脚を切断するなど身体的な問題に直面し、ソロ活動への意欲が阻害された苦境について、自身の曲「Nightmare」の中で自伝的に歌っていました。

しかしながら、それから5年間にわたり、健康問題に苦しみながらも情熱的にレコーディングを続け、今年リリースした最新シングル「Is It Because I’m Black」（スライ・ジョンソン1969年のカヴァー）や、「Shop Around」「Only Love Can Mend a Broken Heart」「What You Got（Sho Is Good To Me）」といったシングル曲で、力強いテノールの歌声と、ソングライター／パフォーマーとしての卓越した才能を遺憾なく発揮しました。

なお、ジョンソンはチェアメン・オブ・ザ・ボードのほか、ビル・ピンクニー＆オリジナル・ドリフターズ、キャシー・コシンズ、デトロイト・メンフィス・エクスペリエンス、モーリス・ウィリアムス＆ザ・ゾディアックス、ボニー・ブラムレット、ベッカ・ブラムレット、アーサー・スミスといったミュージシャンとも長年にわたり共演していました。