ブライアン・メイ、ジェフ・ベックを追悼するビデオ・メッセージ公開
クイーンのブライアン・メイが、1月10日に他界した友人のジェフ・ベックを追悼し、ビデオ・メッセージを公開しました。

「今日は誰もがジェフについて話したがり、僕は悪戦苦闘している。言うまでもなく、彼らは僕と話したがっているけれど、僕はマスコミやメディアと話す気分じゃない。まだ心の準備が出来ていないのだと思う。彼の死は途方もない喪失であり、彼は実に並外れた人物だった。僕が言いたい事の処理はさておき、彼がこの世にいないという事実の処理は難しい。
ジェフは完全に唯一無二の存在で、定義することが不可能なミュージシャンであり、僕は彼に絶対的な畏敬の念を抱いていた。彼は僕よりほんの数歳年上で、僕と同じ地域の出身だったけど、ずっと僕のヒーローで、僕が夢見ていたことをやっていた。僕がまだ学生だった時ですら、彼はすでにザ・トライデンツにいて、その後ヤードバーズに入り、並外れたことをやっていた。そして、彼と同じこと……ではなく、彼のような音を出そうとする僕にとっての大きな、大きなインスピレーションだった。
彼の感情の深さ、サウンド、フレージング、そして彼が人々の魂に触れる方法を知りたかったら、アルバム『Guitar Shop』(1989年)の “Where Were You” を聴いてほしい。曲名をGoogleで検索し、座ったまま4分間この曲を聴いてほしい。信じられないほど素晴らしく、おそらくジミ・ヘンドリックスの “Little Wing” と並び、これまでに録音されたギター音楽の中で最も美しい曲かもしれない。非常に繊細で美しく、信じられないほどクリエイティヴで、今まで聴いたこともないような曲だから。もちろん、彼も影響を受けていたけれど、彼はロック・ミュージックに素晴らしい声をもたらし、それは決して真似されたり、他と同等になることはないだろう。
そう、彼は僕の地域の出身で、地元の少年みたいだった。僕は彼のプレイを何度も見るたびに、『どうすればあんなことが出来るんだろう?』と思い、いつも口をあんぐり開けていた。まるでモーツァルトのそばにいるようなものだったに違いなく、途轍もない天才の仕事ぶりを見つつ、それがどこから生じ、『どうやればあれほど素晴らしくなれたのだろう?』と思っていた。
そしてジェフと一緒にいたり、彼の家の周りにいたら、ガレージから車の下に数時間いたジェフが出てくるだろう。彼の指はグリースと泥にまみれ、まるでドブから這い出てきたように見えるけど、それから彼がギターを手にすると、あの美しい繊細な音楽が聴こえてくるんだ。
僕はかなりシャイだったと思う。彼との話し方が良く分からず、彼について行くことが出来なかった。彼は僕にとって気楽な人ではなく、おそらく僕があまりにも彼に畏敬の念を抱いていたからだと思う。
そして僕は彼に曲を書いた。というか、僕のソロ・アルバム(1998年『Another World』)のために、彼についての曲 “The Guv’nor” を書いたんだ。すると彼が僕のスタジオにやって来て、僕とこの曲を演奏し、僕らは声を上げて笑った。彼の演奏は信じがたいほど素晴らしく、僕はまた口をあんぐりと開け、自分のギターを手にすることが出来なかった。なぜなら、僕はただ、彼の素晴らしいプレイを見て、聴いていたかったから。その曲を演奏した彼は、『ああ、どうでもいいよ』って感じだった。
僕がどれだけ彼を尊敬していたか、それを言葉にすることはできない。(言葉の代わりに)写真で彼に伝えられたらと思う(笑)。彼が僕の気持ちを知っていたかどうか、僕には分からないけど、僕は彼に釣り合う友人ではなかったような気がする。彼に電話ができた時が何度もあったように感じるし、彼に相応しい友人になるために、そうしておけば良かった。
とにかく、ジェフ・ベックはあまりにも独特で、僕が人生で出会った全てのギタリストに大きな影響を与えた。喪ったものは計り知れないほど大きく、彼がこの世にいないのは本当に悲しい。僕はまだ頭の整理がついておらず、今はこれが精一杯だけど、昨夜は古いヤードバーズのアルバムを聴いていた。彼が自分に出来ることを世に出し始めた最初のアルバムで、“Over Under Sideways Down” を聴いてほしい。
そして、ヤードバーズのオリジナル・ヴァージョン “Shapes Of Things” のソロになると、まるで何かが宇宙ロケットみたいに離陸するようで、あんなソロは誰も聴いたことがなかった。ギターがギターのように聴こえず、シタールと奇妙な管楽器の中間みたいなサウンドなので、この曲も聴いてみてほしい。僕がギターを弾きたいと思った大きな理由の一つは、当時その音色に圧倒されたからだ。彼が成し遂げた多くの素晴らしいことだけでなく、“Shapes Of Things” とアルバム『Guitar Shop』の “Where Were You” は、これからも僕の心に残るだろう。
彼はワイルドで計り知れず、途轍もなく理解し難い人物だったけど、これまでも、そしてこれからも、世界に類を見ない最も偉大な天才ギタリストの一人であり続けるだろう」
ジェフは完全に唯一無二の存在で、定義することが不可能なミュージシャンであり、僕は彼に絶対的な畏敬の念を抱いていた。彼は僕よりほんの数歳年上で、僕と同じ地域の出身だったけど、ずっと僕のヒーローで、僕が夢見ていたことをやっていた。僕がまだ学生だった時ですら、彼はすでにザ・トライデンツにいて、その後ヤードバーズに入り、並外れたことをやっていた。そして、彼と同じこと……ではなく、彼のような音を出そうとする僕にとっての大きな、大きなインスピレーションだった。
彼の感情の深さ、サウンド、フレージング、そして彼が人々の魂に触れる方法を知りたかったら、アルバム『Guitar Shop』(1989年)の “Where Were You” を聴いてほしい。曲名をGoogleで検索し、座ったまま4分間この曲を聴いてほしい。信じられないほど素晴らしく、おそらくジミ・ヘンドリックスの “Little Wing” と並び、これまでに録音されたギター音楽の中で最も美しい曲かもしれない。非常に繊細で美しく、信じられないほどクリエイティヴで、今まで聴いたこともないような曲だから。もちろん、彼も影響を受けていたけれど、彼はロック・ミュージックに素晴らしい声をもたらし、それは決して真似されたり、他と同等になることはないだろう。
そう、彼は僕の地域の出身で、地元の少年みたいだった。僕は彼のプレイを何度も見るたびに、『どうすればあんなことが出来るんだろう?』と思い、いつも口をあんぐり開けていた。まるでモーツァルトのそばにいるようなものだったに違いなく、途轍もない天才の仕事ぶりを見つつ、それがどこから生じ、『どうやればあれほど素晴らしくなれたのだろう?』と思っていた。
そしてジェフと一緒にいたり、彼の家の周りにいたら、ガレージから車の下に数時間いたジェフが出てくるだろう。彼の指はグリースと泥にまみれ、まるでドブから這い出てきたように見えるけど、それから彼がギターを手にすると、あの美しい繊細な音楽が聴こえてくるんだ。
僕はかなりシャイだったと思う。彼との話し方が良く分からず、彼について行くことが出来なかった。彼は僕にとって気楽な人ではなく、おそらく僕があまりにも彼に畏敬の念を抱いていたからだと思う。
そして僕は彼に曲を書いた。というか、僕のソロ・アルバム(1998年『Another World』)のために、彼についての曲 “The Guv’nor” を書いたんだ。すると彼が僕のスタジオにやって来て、僕とこの曲を演奏し、僕らは声を上げて笑った。彼の演奏は信じがたいほど素晴らしく、僕はまた口をあんぐりと開け、自分のギターを手にすることが出来なかった。なぜなら、僕はただ、彼の素晴らしいプレイを見て、聴いていたかったから。その曲を演奏した彼は、『ああ、どうでもいいよ』って感じだった。
僕がどれだけ彼を尊敬していたか、それを言葉にすることはできない。(言葉の代わりに)写真で彼に伝えられたらと思う(笑)。彼が僕の気持ちを知っていたかどうか、僕には分からないけど、僕は彼に釣り合う友人ではなかったような気がする。彼に電話ができた時が何度もあったように感じるし、彼に相応しい友人になるために、そうしておけば良かった。
とにかく、ジェフ・ベックはあまりにも独特で、僕が人生で出会った全てのギタリストに大きな影響を与えた。喪ったものは計り知れないほど大きく、彼がこの世にいないのは本当に悲しい。僕はまだ頭の整理がついておらず、今はこれが精一杯だけど、昨夜は古いヤードバーズのアルバムを聴いていた。彼が自分に出来ることを世に出し始めた最初のアルバムで、“Over Under Sideways Down” を聴いてほしい。
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英語版/ハードカバー – イラスト付き(2022/11/15)洋書
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