インダストリアル・ミュージックのパイオニア、モンテ・カザッツァが68歳で死去

インダストリアル・ミュージックのパイオニアで、パフォーマンス・アーティスト／作曲家のモンテ・カザッツァ（Monte Cazazza）が6月29日、68歳で死去しました。

カザッツァは、アグレッシヴ・エレクトロニック・ロック・ミュージックを表す「インダストリアル」という用語を作り、70年代半ばにロンドンを拠点とするインダストリアル・レコードとのレコーディングを通じ、インダストリアル・ミュージックの形成に貢献したことで知られていました。

ミュージシャン仲間でコラボレーターのメリ・セント・メアリー（Meri St. Mary）がSNSで訃報を伝えており、カザッツァは病気のために亡くなったそうです。

サンフランシスコでキャリアをスタートさせたカザッツァは、カリフォルニア芸術工芸大学に入学したものの、最初の彫刻の課題で、教室があった建物のメイン階段を使用不可能にするセメントの滝を制作し、退学処分になりました。

その後、英インダストリアル・バンド、スロッビング・グリッスルのインダストリアル・レコードと契約を結び、同レーベルが専門としたノイジーで実験的なサウンドを「インダストリアルな人々のためのインダストリアル・ミュージック」と表現したことで、このジャンルが「インダストリアル」と呼ばれるようになりました。

また、ソロ活動のほか、ファクトリックス、ケイオス・オブ・ザ・ナイト、アトム・スマッシャーズ、ラヴ・フォースらとコラボレーションを行ない、スロッビング・グリッスルのジェネシス・P・オリッジが結成したサイキックTVのアルバム9枚に貢献しました。

カザッツァの最も有名な作品はサウンド・コラージュで、キャリアを通じて8枚のソロ・アルバムを発表しましたが、2010年の『The Cynic』が最後の作品になりました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。