ビーチ・ボーイズのツアー・メンバー、ジェフリー・フォスケットが67歳で死去

長年ビーチ・ボーイズとブライアン・ウィルソンのツアー・メンバーを務めたシンガー／ソングライター／レコード・プロデューサーのジェフリー・フォスケット（Jeffrey Foskett）が12月11日、未分化甲状腺ガンとの長い闘いの末、67歳で死去しました。

ブライアン・ウィルソンがSNSで訃報を伝えており、「彼がいなければツアーを成し遂げることは出来なかった。ジェフは僕が知る中で最も才能ある人物の一人で、偉大な音楽リーダーでギタリストであり、天使のように歌っていた」と綴っています。

1956年にカリフォルニア州のサンノゼで生まれたフォスケットは、子供時代にビーチ・ボーイズに魅せられ、70年代から地元のバンドで、ビーチ・ボーイズの曲やサーフ・ロックを演奏していました。

フォスケットは1976年、ベル・エアのウィルソン宅を訪れたことを機にウィルソンと親しくなり、それから数年後、母校のカリフォルニア大学の近くにあるバーで演奏していたところ、ウィルソンの従兄マイク・ラヴに発掘され、1981年にビーチ・ボーイズのツアー・バンドに加入し、1990年まで在籍していました。

バンド脱退後、90年代の大半をソロ活動に費やしたフォスケットは、ウィルソン1998年のアルバム『Imagination』で演奏し、1999年から2013年まで、ブライアン・ウィルソン・バンドの音楽ディレクターを務めました。

また2012年には、ビーチ・ボーイズの50周年記念リユニオン・ツアーと、同年のスタジオ・アルバム『That’s Why God Made the Radio』のレコーディングに参加し、大半の曲でウィルソンとヴォーカルを担当していました。

その後、2019年までビーチ・ボーイズとツアーを続けていましたが、2018年にステージ4の未分化甲状腺ガンと診断され、その治療により高音域のヴォーカルがほぼ失われてしまいました。しかしながら、2019年には3枚のスタジオ・アルバム『Love Songs』『Vintage Summer』『Voices』をリリースし、『Voices』が最後の作品になりました。

なお、ビーチ・ボーイズ／ブライアン・ウィルソンのほか、ポール・マッカートニーやリンゴ・スター、ロイ・オービソン、エヴァリー・ブラザーズ、クリストファー・クロス、マイケル・マクドナルド、シカゴ、アメリカ、ハート、ロジャー・マッギン、エリック・カルメンらともツアーやレコーディングを行なっており、3大ギタリストのジェフ・ベック、ジミー・ペイジ、エリック・クラプトンの各人と、ライヴ演奏やレコーディングを行なった数少ないアーティストの一人でした。

安らかなる眠りをお祈りいたします。