ロウでの活動で知られるアラン・スパーホーク。相方ミミの他界を受けてのソロ・デビュー作9月発売

ロウは、本稿の主人公アラン・スパーホークと、彼の妻にしてコンビの相棒・ミミ・パーカーの二人で活動していた、ノイズ/フォーク/アメリカーナ的サウンドの向こうに素晴らしい楽曲を聞かせるグループでしたが、下記関連ニュースにある通り2022年にミミが他界。その後音沙汰がなかったものの、約2年のブランクを経てアランがソロ・アーティストとして再スタートすることになりました。不穏なムードとカオスっぷりはロウ時代と変わりありません。
 

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ロウのドラマー/ヴォーカリスト、ミミ・パーカーが55歳で死去

〈以下、メイカー・インフォメーションより〉

伝説的なバンド、ロウでの活動で知られるアラン・スパーホーク。悲しみから生まれながらも、魂(スピリット)を自由にすることを目的としたソロ・デビュー作『ホワイト・ローズ、マイ・ゴッド』、サブ・ポップよりリリース。アルバムより、ファースト・シングル「Can U Hear」をリリース/リック・アルヴァーソン(Rick Alverson)が監督したビデオも公開。

●9月27日、サブ・ポップ(Sub Pop)からアラン・スパーホーク(Alan Sparhawk)のソロ・デビュー作『White Roses, My God』がリリースされる。彼は伝説的なバンド、ロウ(Low)での30年間の活動で最もよく知られているが、その同じ期間にスパーホークが行なってきた数々のサイド・プロジェクトを見てみると、パンクやファンク、プロダクション・ワークや即興まで、あらゆる実験をしていたことがわかる。ロウ自体、決して決まったサウンドやアプローチに固執することはなかった。ロウは常に、スパーホークと、彼の妻であり、バンドの共同創設者であり、ドラマーであり、共同リード・ヴォーカリストであり、かけがえのない「心」であったミミ・パーカー(Mimi Parker)とのコラボレーションであり、会話であり、ロマンスであった。パーカーは癌との長い闘病生活の末、2022年に他界した。『White Roses, My God』が悲しみから生まれたレコードであることは間違いない。しかし、深遠な歌詞と推進力のあるビートに支えられた大胆な実験が施されたこの張りのある、輝かしく、挑発的で、スリリングなアルバムの唯一の源泉や最終的な限界を「悲しみ」と見るのは、還元的であり、愚かでさえある。『White Roses, My God』がは、魂(スピリット)を追放するのではなく、自由にすることを目的とした悪魔祓いである。ミネソタ州ダルースの「20 Below Studios」でレコーディングされた『White Roses, My God』は、アラン・スパーホークとナット・ハーヴィー(Nat Harvie)が共同プロデュースとエンジニアを務め、ハーヴィーがミックス、ヘバ・カドリー(Heba Kadry)がマスタリングを担当した。

●アラン・スパーホークは伝説的なバンド、ロウでの30年間の活動で最もよく知られている。ロウは1993年、ミネソタ州ダルースで結成されたインディ・ロック・バンドだ。中心メンバーはアラン・スパーホークとミミ・パーカーで、二人のヴォーカル・ハーモニーは常にバンドの核となっている。そのスロー・テンポとミニマルなアレンジはスローコアと呼ばれ、このジャンルのパイオニア的存在として語られる。1994年にデビュー・アルバム『I Could Live in Hope』をヴァーノン・ヤード(Vernon Yard)よりリリース。『Long Division』(1995年)、『The Curtain Hits the Cast』(1996年)とリリースを続け、カレッジ・レディオを中心に人気を獲得していく。その後、バンドはクランキー(Kranky)に移籍し、スティーヴ・アルビニ(Steve Albini)のプロデュースによる『Secret Name』(1999年)、『Things We Lost in the Fire』(2001年)と2枚のアルバムをリリース。そして2002年の『Trust』を最後に、サブ・ポップへと移籍する。2005年にはデイヴ・フリドマン(Dave Fridmann)のプロデュースによる7枚目のアルバム『The Great Destroyer』をリリース。この頃よりセールス的な成功もおさめるようになり、2007年には、同じくデイヴ・フリドマンのプロデュースによる8枚目のアルバム『Drums and Guns』をリリース。初めてビルボードのチャートにランクインする。2011年には9枚目のアルバム『C'mon』、2013年にはウィルコ(Wilco)のジェフ・トゥイーディー(Jeff Tweedy)のプロデュースによる10枚目のアルバム『The Invisible Way』をリリース。2015年には11枚目のアルバム『Ones and Sixes』、2018年には12枚目のアルバム『Double Negative』をリリースした。『Double Negative』は高い評価を獲得(その中には、『Pitchfork』の8.7/10のレヴュー[Best New Music]も含まれる)。コマーシャルな成功も収め、新しいノイズや実験をべースとし、そこにポップな要素を導入したサウンドは、ファンベースを活性化させた。2021年9月には、13枚目のアルバム『Hey What』をリリース。アルバムは『Pitchfork』で[Best New Music]に選ばれ、数々のメディアで同年の年間ベスト・アルバムの1枚に選ばれた。ロウはミュージシャンからの評価も高く、レディオヘッド(Radiohead)ともツアーをおこない、ロバート・プラント(Robert Plant)は2010年のアルバム『Band of Joy』で、ロウのアルバム『The Great Destroyer』に収録された2曲(「Monkey」「Silver Rider」)をカヴァー。バンドを絶賛している。2022年11月、ミミ・パーカーは他界した。パーカーは2020年12月に癌と診断されたが、ロウが複数のツアー・スケジュールのキャンセルを余儀なくされた2021年半ばまで、彼女は病気を公表しなかった。

■More info:Big Nothing

1. Get Still
2. I Made This Beat
3. Not the 1
4. Can U Hear
5. Heaven
6. Brother
7. Black Water
8. Feel Something
9. Station
10. Somebody Else's Room
11. Project 4 Ever

 
商品詳細
ロウ 
『Double Negative』


Amazon Music・MP3(2018/9/14)¥1,600
CD(2018/9/14)輸入盤

商品情報
ロウ 
『Ones And Sixes』


Amazon Music・MP3(2015/9/11 )¥1,600

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