ブライアン・メイ、バンド初期のフレディ・マーキュリーについて語る

「彼と初めて仕事をした時は、少し不安だったよ。彼はあちこち走り回ったり、大声で叫んだりして、僕らは『これでうまくいくだろうか？』と思ったんだ。それに、誰もが彼を好きだった訳ではないからね。多くの人が彼のことを癪に障ると感じていたんだけど、みんな彼が面白くて、エンターテイナーだと思ってたんだ。でもその時点では、彼は僕らが知るフレディ・マーキュリーのような歌手ではなかった。

1971年にクイーン初のデモ・セッションでスタジオに入った時、フレディは自分の声が跳ね返って来るのを聴くやいなや、『ああ、気に入らない。もう一度やろう』と言っていた。 そして彼は、自分の望むようになるまで何度も何度もやり直し、すぐに自分の声がどんなものかをよく理解するようになり、信じられないほど早く、自分がなりたかった歌手に自分を作り上げていったんだ。

それはおそらく永遠に続いていただろうね。僕らが新しいアルバムを作るたびに、フレディはさらに自分自身を追い込んでいた。彼は自分の歌声が聴こえてくると、『いや、もっとうまく、もっと長く、もっと情熱的に、もっと……』と言って、それが何であれ、彼は常に新しいテクスチャーを探し、自分自身からもっと引き出そうとしていたよ」

またメイは、クイーンのメンバーがフレディのプロセスに参加していたことにも言及しました。
「僕らは確かにフレディを助けていた。メンバーの誰か一人がスタジオにいる時は、残りのメンバーがコントロールルームにいたから、たいてい僕は座ってたんだ。で、フレディがヴォーカルをやってると、『どう？』って聞いてくるから、『あの部分はまあまあ気に入ってるけど、……は気に入らなかった』って答えて、彼がうまくいくように手伝っていた。そして逆も同じで、僕がギターソロをやってると、フレディがそこにいて『まあ、それはいいけど、でも……』って言われることがよくあった。僕らはずっとお互いを刺激し合っていたんだよ」