ピーター、ポール&マリーのピーター・ヤーロウが86歳で死去

ピーター・ポール&マリーが表紙を飾った『ミュージック・ライフ』1964年7月号。左がピーター・ヤーロウ。
60年代を代表するフォーク・トリオ、ピーター、ポール&マリー(Peter, Paul & Mary)のメンバーで、シンガー/ソングライターのピーター・ヤーロウ(Peter Yarrow)が1月7日、86歳で死去しました。

家族が訃報を伝えており、ヤーロウは膀胱ガンによる長い闘病生活の末、マンハッタンの自宅で息を引き取ったそうです。
1938年にマンハッタンで生まれたヤーロウは、大学時代にパフォーマンスを始め、卒業後からニューヨークのフォークシーンにのめり込み、1961年にメアリー・トラヴァースとノエル・ポール・ストゥーキーとピーター、ポール&マリー(PPM)を結成しました。

PPMは1962年にデビュー・アルバム『Peter, Paul and Mary』をリリースし、同作から「Lemon Tree」「500 Miles」、ピート・シーガーのカヴァー「If I Had a Hammer」(邦題「天使のハンマー」)と「Where Have All the Flowers Gone?」(邦題「花はどこへ行った」)などが大ヒットとなり、7週間チャートの1位を記録したアルバムは、ダブル・プラチナに認定されました。

翌1963年には、シングル「Puff, the Magic Dragon」(邦題「パフ」)や、ボブ・ディランのカヴァー「Blowin’ in the Wind」(邦題「風に吹かれて」)で人気を博し、PPMのカヴァー・ヴァージョンが、ディラン1963年のセカンド・アルバム『The Freewheelin’ Bob Dylan』への関心を高めるきっかけにもなりました。またPPMは同年、キング牧師が呼びかけた「ワシントン大行進」のステージに登場し、「風に吹かれて」をパフォーマンスしました。
ピーター、ポール&マリー、1964年初来日時の記者会見。
1966年、星加ルミ子編集長(当時:左)の米国取材旅行にてピーター・ヤーロウのオフィスを訪ねた際のショット。
PPMは1960年代を通じて毎年アルバムを発表し続け、1967年のアルバム『Album 1700』に収録したジョン・デンヴァーの曲「Leaving on a Jet Plane」(邦題「悲しみのジェット・プレーン」)がグループ唯一のNo.1シングルになりました。

その後、3人はソロに転向するため1970年に解散しましたが、グループ時代の成功には及ばず、1978年に再結成し、2009年にマリーが白血病で他界するまで、楽曲のリリースやツアーを続けていました。

なお、ヤーロウは1969年、サインを求めて彼のホテルの部屋を訪れた14歳と17歳の姉妹に全裸で自慰行為を見せ、1970年の解散直後、姉妹に対する性的虐待の罪で有罪判決を受け、3か月服役した後、1981年にカーター大統領から恩赦を与えられました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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