スタンデルズの創設メンバー、ラリー・タンブリンが82歳で死去

ザ・スタンデルズ『Dirty Water』(Tower:1966)。左端がラリー・タンブリン。
商品情報 The Standells『Dirty Water(Expanded Edition)』Amazon Music(MAY 01 1966)
「60年代のパンク・バンド」と呼ばれた米ガレージ・ロック・バンド、スタンデルズ(The Standells)の創設メンバーで、リード・ヴォーカリスト/キーボーディストのラリー・タンブリン(Larry Tamblyn)が3月21日、82歳で死去しました。

甥のデニス・タンブリンが訃報を伝えていますが、死因などは発表されていません。

「数年前、スタンデルズがここツーソンのホテル・コングレスで演奏した時、ラリーが私の家に泊まってくれました。彼と一緒に過ごし、近況を話すことが出来てとても嬉しかったです。彼は晩年まで音楽を作り続けていました。ラリーおじさん、あなたがいなくなって寂しくなります」
タンブリンは1943年にロサンゼルスで生まれ、1950年代後半~60年代前半に数枚のソロ・シングルをリリースした後、1962年に数名のメンバーとスタンデルズを結成。タンブリンが命名したバンドは、1年以内にリード・ヴォーカリスト/ドラマーのディック・ドッド、ベーシストのゲイリー・レーン、ギタリストのトニー・ヴァレンティノのラインナップに落ち着き、タンブリンがリーダーに就任しました。

バンドは1963年から1964年にかけて、数枚のシングルをリリースしたものの成功せず、1966年のデビュー・アルバム『Dirty Water』から、プロデューサーのエド・コブが書いたタイトル曲が、バンド唯一のヒット曲になりました。

ヒット曲「Dirty Water」では、ドラマーのディック・ドッドがリード・ヴォーカルを務め、当時のビルボード・シングル・チャートで11位、レコード・ワールド・チャートで1位を記録。この曲は、1998年の開幕戦以来、フェンウェイパークでボストン・レッドソックスが勝利するたびにスピーカーから鳴り響くアンセムになり、同チームが2004年に初めてワールド・シリーズで優勝した時は、スタンデルズがホームゲームの1試合で同曲を演奏しました。

なお、タンブリンは2022年、自身が執筆したスタンデルズの伝記『From Squeaky Clean to Dirty Water』を出版し、翌2023年に「カリフォルニア音楽の殿堂」入りを果した際には、兄で俳優のラス・タンブリンがプレゼンターを務めていました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
商品情報
The Standells
『Hot Hits and Hot Ones』


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商品情報
The Standells
『Live on Tour! 1966』


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The Standells
『Riot on Sunset Strip/Rarities』


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