クイーン追想録&クイーン公式写真集出版記念トークイベント・最速レポート

9月7日(日)@ 阿佐ヶ谷ロフトA

クイーン二代目ディレクターと、クイーンと日本との強い絆を築いた雑誌の編集長が明かす素顔のクイーン

写真左から松林天平さん、東郷かおる子さん。
9月5日はエイズ撲滅を願い、フレディ・マーキュリーの生誕を祝う “FREDDIE FOR A DAY”、今年は9月7日に阿佐ヶ谷ロフトAに於いてクイーン追想録&クイーン公式写真集出版記念トークイベントが開催された。
登壇者は『オペラ座の夜』から『ホット・スペース』まで9枚のアルバムを担当されたディレクター松林天平さんと、クイーンを応援し続け、クイーンと日本との強い絆を築いたことで知られる雑誌『MUSIC LIFE』の元編集長、東郷かおる子さん。

MUSIC LIFE CLUB公認クイーン・コンシェルジュ=吉田聡志の司会によりまず松林さんが登場。洋楽ディレクターという〈音楽好きならなってみたい〉職業について、「頭の中の半分は音楽評論家で、半分は広告代理店──という考え方じゃないとできない結構大変な仕事」だとして、数々の体験談が語られていった。
邦題「誘惑のロックン・ロール」を名付けたことを最初にクイーンとの関係はスタート。『オペラ座の夜』『華麗なるレース』と現代でも日常クイーンを語る度に登場するタイトルやキャッチフレーズの制作背景やアイデア、名付けた中で一番のお気に入りは『News Of The World』に付けた『世界に捧ぐ』で、オリジナル盤のジャケットを観る前、収録曲を聴く前には決めていた──ことなどが披露された。

また現在サブスクなどで聴く場合では意識されない曲順に対するアーティスト側のこだわりについても、『世界に捧ぐ』を例にとって解説。さらに国ごとに収録曲が違った『グレイテスト・ヒッツ』では、日本独自の選曲や曲順のアイデアを本国のレーベルから打診され、松林さんこだわりの案を送ったが──その結果は……というエピソードも。
 

トーク後半では次のゲスト東郷さんが登場、二人が現場を共にした当時の取材話に会場が湧いた。

これまで馴染んできたクイーン作品を、別な角度から知ることができた貴重な話題満載の1時間だった。詳しくは松林天平著『絢爛のロックショー、クイーン追想録 〜二代目ディレクターの独白〜』を是非読んでいただきたい。

絢爛のロックショー、クイーン追想録 〜二代目ディレクターの独白〜

絢爛のロックショー、クイーン追想録

〜二代目ディレクターの独白〜

2,500円

著者:松林天平
第二部は改めて東郷さんが登壇。50年以上前から始まった『ミュージック・ライフ』(以下ML)とクイーンとの出会いを振り返り、「半世紀というのは感慨深いものがあります、その取材現場で大活躍したのはML専属カメラマンの長谷部 宏さん、今、95歳になられました。撮られているミュージシャンみんなが普段着の表情なのは、長谷部さんが警戒心を抱かせないから。みんなすぐ懐いちゃうんですよ」
70年代当時、初めて来日するミュージシャンにとっても日本はまだそれほど大きなマーケットではなく、日本という国自体珍しい興味津々の時代だった。クイーンも本国での状況を超える空港やコンサート会場でのファンの熱狂ぶりや、好意的に取材をするマスコミの熱心さなどから「ひょっとして俺たち成功してる?」という気持ちになれたのかなと思う……と東郷さん。

続いて、その後始まるクイーンとMLの蜜月時代の中でのいくつかのエピソードが披露された。

・繰り返す取材の中でだんだんとフレディの取材は困難を極める。その原因はパーソナル・マネージャーのポール・プレンター。フレディと諍いがあると拗ねるそのしわ寄せは取材陣へ、取材変更や中止などのあまりの酷さに東郷さんも大げんかをして、最後は東郷さんが居るとわかるとポールの方から逃げ出した。
・謎が多い「ボヘミアン・ラプソディ」の頭の部分の歌詞の意味について、一度だけ東郷さんは雑談中フレディに質問をしたことがある、フレディは真剣な顔をして、たった一言「あの曲は僕にとってものすごくプライヴェートな曲なんだ」とニヤッと笑って終わった。フレディという人の生き様を凝縮した歌詞だったのかもしれない。

最後に松林さんも交えての各メンバーの印象を。

[ジョン・ディーコン]
松林:ジョンは遅咲きの才能、「地獄へ道づれ」が入った『ザ・ゲーム』があったからそれ以降もクイーンは続いたと思います。
東郷:ジョンは私たちが思ってる以上にフレディのアーティスティックな面を認めていた。アダム・ランバートなどとやってる中で一度くらい顔を出してくれても──と思うけど、一切出てこないしコメントも発表しない、反対に潔いのかなと。普通でいることが難しい環境の中で、沈黙をして自分を貫いているのは凄い。

[ブライアン・メイ]
松林:優しい人、あたりも柔らかいし礼儀正しいし。部屋で履いてるソックスの親指に穴が空いてました(笑)。
東郷:1974年ニューヨークで一番最初に会った時は、病気で真っ青な顔のひ弱な印象、それでも挨拶しにきてくれました。

[ロジャー・テイラー]
東郷:メンバーの中で一番ロック・ミュージシャンっぽい人。
松林:バックステージでも派手な服に着替えてロック・スター然としてました。あとテニスが好き。
東郷:リッジファームで取材した時もテニスの腕はすごかった。フレディとジョンはまぁまぁの腕。ブライアンは空振りばかりだった。

[フレディ・マーキュリー]
東郷:お忍びで来日した時も、MLだから──と取材に応じてくれた。泣けちゃいますよね、泣かなかったけど(笑)。
松林:人見知りというか、他の3人に比べるととっつき難い──カリスマ性だと思うけど、仲良くなると茶目っ気もある。〈みかんの粒事件〉は本に書いたので読んでください。

本編のトーク後は質問コーナーとなり、終演後は東郷さん、松林さんのサイン会となった。

『絢爛のロックショー、クイーン追想録 〜二代目ディレクターの独白〜』松林天平著 は絶賛発売中。『クイーン×ミュージック・ライフ公式写真集 ディアレスト』は10月31日に発売される。

 

※当日のトークイベント・ダイジェスト版映像はYouTube「MUSIC LIFE CHANNEL」で近日公開予定、お楽しみに。

■10月31日発売

■S.M.R.S.限定販売

S.M.R.S.限定販売

クイーン×ミュージック・ライフ公式写真集  ディアレスト(特典付スペシャル・パッケージ)

2025年10月31日発売(限定販売)
A4サイズ
240ページ
3,960円(税込)

アクリルスタンド+サイン色紙(レプリカ)付
直販サイト&イベント限定販売商品
販売サイト:SHINKO MUSIC RECORDS SHOP ※2025年9月30日予約受付開始
発行元:株式会社シンコーミュージック・エンタテイメント

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■11月21日発売

クイーン×ミュージック・ライフ公式写真集  ディアレスト

永遠なるボヘミアン・ラプソディ

『オペラ座の夜』のすべて

監修:吉田聡志(クイーン・コンシェルジュ)
A5判/208頁/3,000円(税込)
2025年11月21日発売予定
ISBN:978-4-401-65669-1

発行:株式会社シンコーミュージック・エンタテイメント
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