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【新刊セルフ・ライナーノーツ】『モーターヘッド全曲ガイド』by 長谷川修平
レミー没後10年の節目に彼らの音楽を知ってほしい
荒くれロッカーとしての暴力的なイメージが強いモーターヘッドながら、彼らの音楽の中には味わい深いライフスタイルや高いミュージシャンシップが潜んでいます。そんな楽曲を「全曲」解説するという凄まじい1冊。このあまりにも濃い本の著者は、モーターヘッド一筋の熱狂的ファンとして知られる長谷川修平氏です。
【長谷川修平 プロフィール】
モーターヘッド公式ファンクラブ〈モーターヘッドバンガーズ〉会員。90年代からのモーターヘッド・ファン。初めてのライヴは1997年クラブチッタ公演。その後ライヴを観るためにたびたびイギリスへ行く。書籍『モーターヘッド 極悪列伝』『バンド・スコア モーターヘッド 極悪ベスト[ワイド版]』(ともにシンコーミュージック刊)などに寄稿。2025年、モーターヘッド結成50周年を記念して、書籍『モーターヘッド全曲ガイド』を出版。
では、長谷川氏に本書が誕生した経緯、ここに込めた思いなどを語ってもらいましょう。
【新刊セルフ・ライナーノーツ】
『モーターヘッド全曲ガイド』by 長谷川修平
アートワークのことを紹介したかった
今年2025年はモーターヘッド結成50周年、レミー没後10年という大きな節目の年なので、この機会に “モーターヘッドの音楽を知って欲しい” と思い、ペンを執りました。また、音楽誌でモーターヘッドが取り上げられることは少なく、レミーのライフスタイルや歌詞、アルバム・アートワークについて語られることはあまりなかったので、それらも交えて、紹介したいと考えました。というのは、モーターヘッドの音楽には彼らの生き方が反映されているからです。
考えているので苦労はせず!
僕は毎日モーターヘッドを聴き、モーターヘッドのことばかり考えているので、特に苦労はしませんでした。ちょっとどうかしているのかもしれません(笑)。ただ、改めて注意して聴いてみると、彼らが “自分たちのやり方” を大切にしていたことがよく分かりましたし、ロックンロールにとって、そういう独創性や個性が重要であることを再認識しました。誰かの真似をするだけじゃダメなんですよね。あと、レミーのメッセージ:“自分らしく生きること” や “戦争の悲惨さ” などをいかに分かりやすく伝えるかという点に気を付けましたね。僕はそれを伝えるメッセンジャー(イタコ)のつもりでこの本を書きました。
レミーに会えたことと同じぐらいの宝
レミーと会ったことはもっとも大切な思い出のひとつですが、それと同じくらいにたくさんのファン仲間ができたことは僕の宝です。モーターヘッドのライヴを観るために何度かイギリスへ行きましたが、現地のファンがあれこれ面倒を見てくれました。今でも彼らと交流があります。“同じものが好き” という共通の価値観があれば、国や文化、言葉や年齢を越えて、仲良くなることができます。これが音楽ファンの素晴らしいところです。
モーターヘッド以外聴きません。やはりどうかしているのかもしれません(笑)。レミーがストレイ・キャッツのドラマーと結成した「ヘッドキャット」というロカビリー・バンドは好きなアーティストのひとつです。主に古典的ロックンロールをカヴァーしているのですが、レミーが歌うとモーターヘッドの曲のように聴こえてくるから不思議です。このバンドについては『モーターヘッド全曲ガイド』の中でも触れました。
音楽以外では英作家アラン・シリトーの作品(代表作『土曜の夜と日曜の朝』『長距離走者の孤独』)が好きで、レミーとシリトーについて話したこともあります。シリトーの作品にはパンクやメタルに通じる “反逆精神” を感じます。
初めてイギリスから届いた時は感動した
公式ファンクラブ「モーターヘッドバンガーズ」の会員証と会報です。入会したのは1998年。当時はまだネットがなかったので、少しでも情報を手に入れたいと思い、入会しました。初めてイギリスから会報が届いた時は感動しましたね。
そこに同封されていたイギリス・ツアーのチラシを見て、ロンドンまで行ってみようと思いました。英語が話せたわけでもないのに。やっぱりどうかしていたのかもしれません(笑)。でも、イギリスまで行った甲斐があって、レミーにも会えましたし、友達もたくさんできました。
それがきっかけで海外文化に興味を持つようになり、高校中退だった僕が大検・大学・大学院へと進学し、そこで学んだことをモーターヘッド研究に活かしました。つくづくどうかしていますよね(笑)。モーターヘッドを好きになり、ファンクラブに入ったことで僕の人生が大きく変わりました…いや、狂いましたね(笑)。
もうひとつ。モーターヘッドといえば、Tシャツ。これを着て、ロンドンやLAの街を歩いていると、通りすがりの人から “ナイスTシャツ” などの声をかけられることがよくあります。
そうそう、レミーが亡くなった1か月後の2016年1月末(本来はモーターヘッドの40周年公演が行なわれるはずだった日)に、ハマースミス・アポロを訪れたら、会場スタッフの方がモーターヘッドTシャツを着た僕と友人を見つけてくれて、親切にも会場の中を案内してくれたんです。機材も人もいないホールは寂しかったですが、大切な思い出になりました。
一杯やりながら読んでほしい
この本はどこから読んでもらっても構いません。気になる曲があったら、ページを開いてみる、そんな読み方でもOKです。辞書や辞典みたいに使ってください。
また、コラムの中で、レミーが大好きだったジャックコークについても触れているので、モーターヘッドを聴きながら、一杯やりながら読んでください。
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もう余計な説明はいらないでしょう。モーターヘッドを聴くために生まれ、モーターヘッドを広めるために生きる男。その熱い魂が込められた『モーターヘッド全曲ガイド』、ぜひ手に取ってご覧ください!
また、12月28日(日)には新宿シネマートにて、毎年恒例のモーターヘッド関連映像上映が行なわれ、長谷川氏のトークイベントも開催されますので、下記ニュースも合わせてチェックしてみてください。
●関連ニュース
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毎年恒例のモーターヘッド映像上映、今年は『ザ・ワールド・イズ・アワーズ VOL.2』を12/28に公開!
S.M.R.S.&イベント限定販売
『モーターヘッド全曲ガイド』 サイン入りポートレート(レプリカ)付 特別セット
四六判
288ページ
2,970円(税込)
直販サイト&イベント限定販売商品
販売サイト:SHINKO MUSIC RECORDS SHOP
発行元:株式会社シンコーミュージック・エンタテイメント
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●関連ニュース これまでの「新刊セルフ・ライナーノーツ」
MUSIC|FEATURE・2025.05.30
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