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ヨーコ・オノ、1981年の金字塔的アルバム『シーズン・オブ・グラス』45周年記念盤が発売

昨日2月18日はヨーコ・オノ93歳の誕生日でした。それに合わせて発表された、ヨーコ名義での作品の豪華版リイシュー。1981年発表の『シーズン・オブ・グラス』が新装拡張版として夏に発売されます。
〈以下、メイカー・インフォメーションより〉

ヨーコ・オノの1981年の金字塔的アルバム『シーズン・オブ・グラス』45周年記念盤が発売。
「80年代のベスト・アルバム200選」(Pitchfork)に選出された『シーズン・オブ・グラス』が拡張版CD、デジタルに加え、今世紀初のアナログ盤で登場。
 
「『シーズン・オブ・グラス』は、私にとっての救済だった」
──ヨーコ・オノ(Rolling Stone、1981年10月1日)

2026年2月18日、ヨーコ・オノの93歳の誕生日を祝し、また作品発表45周年を記念して、1981年の重要作『シーズン・オブ・グラス』が2026年夏に新装発売となることが発表された。『シーズン・オブ・グラス(45周年記念盤)』は、ボーナス・トラックを収録したCDとデジタル・ヴァージョン、更に45年ぶりとなるアナログLP(ブラック・ヴァイナルと数量限定ホワイト・ヴァイナル)で発売。最新リマスター、リニューアルされるブックレットとともに拡張新装版として登場する。ヒット・シングル「ウォーキング・オン・シン・アイス」が、全配信プラットフォームで初公開された。

『ピッチフォーク』が選ぶ1980年代の “Top 200 Albums” に名を連ねる『シーズン・オブ・グラス』がリリースされたのは1981年6月。ヨーコ・オノの夫であり創作活動のパートナーでもあったジョン・レノンが理不尽な殺害によりこの世を去ってから、わずか7ヶ月後のことだった。愛、喪失、怒り、恐怖を主題とする楽曲群は、彼女自身の体験を容赦なく刻み込み、“プライマル・スクリーム” 療法(抑圧された感情やトラウマを「原初的な叫び(プライマル・スクリーム)」として外に解放することで、心の癒やしを図る心理療法)を経て作り上げた、1970年のプラスティック・オノ・バンド名義作『ジョンの魂』『ヨーコの心』と対をなすような作品となっている。

1982年ヨーコは『ニューズウィーク』誌のインタビューでこう語っている。

「『シーズン・オブ・グラス』は、表現しようとして生まれた作品というより、人生に大きな出来事が起きて、極限状態にあった “私自身” が、そのまま記録されてしまったものだったと思う。ある意味で “プライマル・スクリーム” 的な、私にとっては何より切実で、治療的な行為だった。だからこそ、あれほど正直にならざるを得なかった」

「レコーディング中、感情が込み上げ、声が何度も震え、途切れた。あまりにも生々しくて、アルバムを出すべきではないのでは、とさえ思った。でも、世界にはそれぞれの理由で声を失いかけている人がいると気づいた。私の歌は、“行き場を失った人たちの歌”。ありのままの自分をさらけ出していいのだと、そう思えた」(1992年発表集大成ボックス・セット『ONOBOX』ライナーノーツより)

ヨーコ・オノの5作目のスタジオ・アルバム『シーズン・オブ・グラス』は『ビルボード』のアルバム・チャートのトップ50入りを果たし、彼女自身の最大の成功を収めた作品となったが、同時に論争も招いた。

アルバムのジャケットには、死後にルーズヴェルト病院から返却された、血に染まったジョン・レノンの眼鏡が写されている。1980年11月の『ダブル・ファンタジー』をリリースし、『シーズン・オブ・グラス』も手掛けたデヴィッド・ゲフィン(ゲフィン・レコーズ代表)はジャケットの変更を強く勧めたが、ヨーコは譲らなかった。

「レコード会社から、ジャケットを変えないとレコード店がこのアルバムを置いてくれないだろうと連絡があった。『あまりに生々しく、見るに耐えない』と言われたけれど、私には理解できなかった。夫は殺され、彼の身体はもうここにはなく、私の手元に残ったのはあの眼鏡だけだった。それが “いけないこと” だと言われる感覚が、どうしても受け入れられなかった」(『ONOBOX』ライナーノーツより)

ヨーコは、デヴィッド・ゲフィンにこう伝えたという。

「私は変えない。これが “今のジョン” なのだから」

写真は、二人が暮らしたダコタ・アパートの寝室の窓から、ジョンが愛したセントラル・パークを望んで、ヨーコ自身が撮影したものだ。大きな波紋を呼んだが、彼女の姿勢は終始冷静だった。

「血の付いた眼鏡を見せることにより、世界中になぜジョンが殺されなければならなかったのかを理解してほしかった」と彼女は1981年に『ニューヨーク・タイムズ』紙に語っている。「老衰でもドラッグでもない、銃で撃たれたのだから」

1992年、『アメリカン・ソングライター』誌のインタビューでこう回想している。

「『シーズン・オブ・グラス』を制作中の私は、水中を歩いているような感覚で、人々の反応はよく分からなかった」

レコーディングでは『ダブル・ファンタジー』に参加した同じバンドを起用。『シーズン・オブ・グラス』のサウンドは同作と歩調を合わせており、B-52'sやソニック・ユースといった若手アーティストたちのインスピレーション源となっていたヨーコ・オノの芸術的到達点として評価された。

「ミュージシャンたちはこのアルバム作りに実に熱心に取り組んでくれた。『ダブル・ファンタジー』で築いた信頼関係と、共に大きな喪失感を抱えていたから」

「おそらくその頃もまだヒステリー状態にあった私にとって、家でじっとしているよりもスタジオに行って何かを作る方が楽だった。あそこはジョンと私が一緒に仕事をしてきた場所で、慣れ親しんだ “創作活動” の場だったから」

ジョンが亡くなった夜に二人で取り組んでいた曲であり、45周年記念盤のボーナス・トラックにも収録されるヒット・シングル「ウォーキング・オン・シン・アイス」の発表後、アルバムはリリースされ、批評家とファン双方から歓迎された。

全世界のメディアは、「傑出した楽曲、声は鋭く、確信に満ち、自信に満ちあふれている」と評した。『ヴィレッジ・ヴォイス』の音楽批評の重鎮、ロバート・クリストガウは「すべての曲が心に響く」と記し、『ローリング・ストーン』誌は4つ星を付与。「悲嘆と怒りの生々しい感情表現と、知性的なポップを融合させた。痛みを伴うが驚くべき芸術的宣言である」と絶賛した。

1997年、『ゴールドマイン』誌のインタビューでヨーコはこう語っている。

「アーティストはアイデアが浮かんだら、それに従い、ただ何かを創り出すだけ。“ジョンへの追悼作品と見なされるだろう” なんて考えもしなかった。私はただ取り乱していて、創作しなければ生き延びられなかった。音楽を続けなければ、私は耐えられなかった。精神が限界寸前だった」

年月を経るにつれ、『シーズン・オブ・グラス』の誠実で愛情に満ち、時に胸を締めつけられるような過酷な楽曲の数々は評価を高めてきた。今や悲嘆と喪失を描いた力強い芸術的宣言として広く認められ、ヨーコ・オノの最高傑作の一つと見なされている。

「私のすべてのアルバムと同じように、この作品にも小さなテーマがある」と1981年末に行なわれた『ローリング・ストーン』誌のインタビューで振り返る。「まず、悲しみと向き合い、そこから少しずつ距離を取ろうとする。すると、二人で過ごした時間や関係のさまざまな場面が次々と思い出される。そのあいだにも心は揺れ続け、簡単には整理がつかない。そして最後に、ひとりの女性が自立しようと試みる。要するに、これは私自身の心の記録──私の日記なのです」

結果として『シーズン・オブ・グラス』は、強烈で、感情を大きく揺さぶる作品になった。しかし、ヨーコはこのアルバムを「癒やし」だとは決して考えていない。彼女はアルバムのリリースから10年近くを経た頃、『ロサンゼルス・タイムズ』紙のインタビューでこう語っている

「癒やし? それは違う。世界中の未亡人たちは知っている。夫を失うという経験は、時間が経てば乗り越えられる出来事ではない。それはただ “彼を恋しく思う” とか “寂しい” という言葉だけでは言い表せない、決して癒やされることのない、もっと深い何か。彼の喪失感は永遠に消えない」

この作品は作られた物語ではなく、迷いながらも前に進もうとする心の変化を追う、そのときの気持ちをそのまま書き留めた感情の記録。ただ、感情は吐き出されても、「悲しみが消えた」という意味ではない。傷が治るわけではない。『シーズン・オブ・グラス』が語っているのは、その「現実」だ。ジョンの死から46年、アルバムの発売から45年、今改めてこの作品の持つ意味合いを再検証してほしい。

『シーズン・オブ・グラス(45周年記念盤)』の日本盤はLPは完全生産限定ホワイト・ヴァイナル(輸入盤国内仕様・日本独自帯付き)、CDは日本独自紙ジャケット仕様、そしてデジタルの各フォーマットでリリース予定。詳細は追って発表される。

『シーズン・オブ・グラス(45周年記念盤)』は、「YOKO ONO REISSUE PROJECT(ヨーコ・オノ再評価プロジェクト)」の第4弾としてリリースされる。本プロジェクトは、スタジオ・アルバム全11作からなるソロ作品に焦点を当て、前衛芸術家ヨーコ・オノの音楽活動の再評価を目指すものだ。時代を超えて輝きを放つ作品の “決定版” を提示するという目的のもと、オリジナル・アナログ盤のパッケージを綿密に再現。未発表写真やアーカイヴ資料を徹底的に掘り起こし、適切なキュレーションを施すとともに、音源には最新のリマスタリングが行なわれている。数十年ぶりにアナログ盤が入手可能となるほか、各作品は史上初の本格的デジタル化も実施されている。

これまでに第1弾として2016年に『未完成作品第1番トゥー・ヴァージンズ』(1968年)、『未完成作品第2番ライフ・ウィズ・ザ・ライオンズ』(1969年)、『ヨーコの心/プラスティック・オノ・バンド』(1970年)、第2弾として2017年に『フライ』(1971年)、『無限の大宇宙』(1973年)、『空間の感触』(1973年)、2019年に第3弾として『ウェディング・アルバム(50周年記念盤)』が発売され、全7タイトルが世に送り出されている。2026年、いよいよ本プロジェクトの最後のフェーズとなる作品群の発表が予定されている。

【プロダクツ概要】

●ヨーコ・オノ 『シーズン・オブ・グラス(45周年記念盤)』
Yoko Ono/Season of Glass

2026年夏発売予定 日本盤:限定ホワイト・ヴァイナル(輸入盤国内仕様)/CD(紙ジャケット仕様)/デジタル

解説・歌詞・対訳付(詳細は追って発表される)

Album
Single

1. Goodbye Sadness/哀しみにさよなら
2. Mindweaver/マインドウィーバー
3. Even When You’re Far Away/遠く離れても
4. Nobody Sees Me Like You Do/二人の絆
5. Turn Of The Wheel/ターン・オブ・ザ・ホイール
6. Dogtown/ドッグタウン
7. Silver Horse/シルバー・ホース
8. I Don’t Know Why/私にはわからない
9. Extension 33/エクステンション33
10. No, No, No/ノー、ノー、ノー
11. Will You Touch Me/ウィル・ユー・タッチ・ミー
12. She Gets Down On Her Knees/ひざまずいて
13. Toyboat/トイボート
14. Mother Of The Universe/宇宙の母
・ボーナス・トラック(CD、DIGITALのみ)
15. Walking On Thin Ice/ウォーキング・オン・シン・アイス
16. I Don’t Know Why (demo)/私にはわからない(デモ)
17. Dogtown(Phil Spector Mix)/ドッグタウン(フィル・スペクターMix)

「YOKO ONO REISSUE PROJECT」第1弾:1968-1970
(2016年発売)
『未完成作品第1番 トゥー・ヴァージンズ』 Unfinished Music No. 1:Two Virgins(1968年作品)
『未完成作品第2番 ライフ・ウィズ・ザ・ライオンズ』 Unfinished Music No. 2: Life With Lions(1969年作品)
『ヨーコの心/プラスティック・オノ・バンド』 Plastic Ono Band(1970年作品)

「YOKO ONO REISSUE PROJECT」第2弾:1971-1973
(2017年発売)
『フライ』 Fly(1971年作品)
『無限の大宇宙』 Approximately Infinite Universe(1973年作品)
『空間の感触』 Feeling the Space(1973年作品)

「YOKO ONO REISSUE PROJECT」第3弾:『Wedding Album』
(2019年発売)
『未完成作品第3番 ウェディング・アルバム』 Unfinished Music No. 3: Wedding Album(1969年作品)

●第4弾(2026年発売)
『シーズン・オブ・グラス』 Season of Glass(1981年作品)

●その後下記カタログが随時リリース予定
『イッツ・オールライト』 It’s Alright (I See Rainbows)(1982年作品)
『スターピース』 Starpeace(1985年作品)
『ストーリー』 A Story(録音1974年、リリース1992年)

【その他】
●最新スタジオ・アルバム
『ウォー・ゾーン』 Warzone(2018年作品)

●日本独自7インチ・アナログ・シングル
『女性上位万歳』 Joseijoi Banzai(Part 1)


〈ヨーコ・オノ・ディスコグラフィ/購入・再生はこちらより〉

【プロフィール】小野洋子(YOKO ONO)

1933年2月18日、東京都生まれ(93歳)。1950年代後半よりNYで芸術活動を開始。1964年『Grapefruit(グレープフルーツ)』を出版。1966年、ロンドンのインディカ・ギャラリーで開催した個展でジョン・レノンと出会い、その後共に音楽・芸術活動を行なう。1969年3月結婚。「平和のためのベッド・イン」「WAR IS OVER! IF YOU WANT IT(戦争は終わる!あなたが望むなら)」などジョンとともに数々の平和運動を行ない、1980年にジョンが亡くなった後も精力的に愛と平和のメッセージを発信し続けている。2001.9.11アメリカ同時多発テロの直後にはニューヨークの新聞に「イマジン」の歌詞の一節「Imagine all the people living life in peace」を全面広告として掲載。また、2007年にはアイスランドのビーズエイ島にジョンとヨーコの継続的世界平和キャンペーンの象徴的存在「イマジン・ピース・タワー」を建設。

音楽活動としては、1968年『Unfinished Music No.1: Two Virgins(未完成作品 第一番 トゥー・ヴァージンズ)』発表。70年『Yoko Ono/Plastic Ono Band(ヨーコの心)』、1971年『Fly(フライ)』他、2018年最新作『WARZONE(ウォーゾーン)』まで20作のアルバムを発表。1974年郡山での「ワン・ステップ・フェスティバル」、2014年「フジロックフェスティヴァル」など日本のロック・フェスにも参加。ジョンは生前「イマジン」は『グレープフルーツ』から着想を得ていたと語っており、1971年のリリースから46年後の2017年にジョンの希望通り、ヨーコの名前が共作者として正式にクレジットされるに至った。
2010年、現代美術の分野で平和に貢献したことで、第8回ヒロシマ賞を受賞。翌年、ヒロシマ・ナガサキ、そして東日本大震災、これらの悲劇を経験した人々に対する鎮魂と未来への希望を込めた、「オノ・ヨーコ展 希望の路」を広島市現代美術館で、2015年には「オノ・ヨーコ|私の窓から(YOKO ONO : FROM MY WINDOW)」を東京都現代美術館で開催。2020年10月9日から2021年2月18日までジョン・レノンとオノ・ヨーコという伝説的なカップルの軌跡を彼ら自身の言葉や作品で辿る展覧会「Double Fantasy-John & Yoko」東京展が開催された。

2022年3月、ウクライナでの戦争が続く中、世界各地のデジタル・スクリーンをジャックし、再び世界へ向けて平和のメッセージ「IMAGINE PEACE」を発信。

ヨーコ・オノが今、再び、世界へ向けて平和のメッセージ「IMAGINE PEACE」を発信!
 
一貫してアートと日常生活の境界を崩すことを試み、前衛的かつストレートに愛と平和を訴え続けているヨーコ・オノ。「IMAGINE PEACE」とともに有名な彼女のメッセージは、「一人で夢みる夢は、ただの夢。一緒に夢みる夢は、現実となる」(Dream you dream alone is only a dream, But dream we dream together is reality.)。

詳細なバイオグラフィーとディスコグラフィーはこちら
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