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NYハードコア・シーンのレジェンド、シック・オブ・イット・オールのヴォーカリスト、ルー・コーラー死去
商品情報 Sick Of It All
『XXV Nonstop』
Amazon Music(AUG 14 2012)
※2012年の代表曲再録アルバム。右から2人目がルー・コーラー
「筆舌に尽くし難い悲しみと共に、俺たちの世界中のハードコア・ファミリーに、俺たちのブラザー、ルー・コーラーが亡くなったことをお伝えする。俺たちは今、測り知れないレベルの喪失感を抱えている。
本来ならば今年はシック・オブ・イット・オールの結成40周年を祝うはずの年だったが、ルーは長年にわたり、その揺るぎない仲間意識、献身、そして情熱でバンドを支え続けてくれた。
俺たちは、愛すべき友人であり、象徴的なフロントマンを喪った。ルーは、その笑顔と辛辣なコメントで、みんなの気分を一気にアゲる力を持っていたし、俺たちのショウでは地球上のどんな辺境で、どんな文化的背景を持った人々を相手にプレイしたとしても、あいつは確実にオーディエンスを掌握することができた。
今は何ともやり場のない悲しみの只中ではあるが、ルーの医療費支援に協力してくれたすべての方々の大いなる助力と応援に、この場を借りて改めて感謝を述べたい。皆のおかげで、ルーは闘病を続けてきたこの2年間もずっと、自分がとても特別な存在で、深く愛されていると感じることができたんだ。あいつの闘いは今や終わりを告げ、ようやく安らかに眠ることができるようになった。あいつがこの世に遺した美しくポジティヴな痕跡を、あいつ自身が何らかの形で今も見たり感じたりできていればいいんだけどな」
ニューヨークのクイーンズで生まれ育ったコーラーは、1986年にギタリストの弟ピートと共にシック・オブ・イット・オールを結成。CBGBsのようなクラブでギグを重ね、アグノスティック・フロントやクロ・マグス、マッドボールといった同世代のバンドたちと共に、80年代後半のニューヨークのハードコア・ミュージック・シーンの中心的な存在でした。1989年のデビュー・アルバム『Blood, Sweat and No Tears』はこのジャンルにおけるひとつの指標的な作品で、以後約40年に及ぶキャリアの中で、現在までに12枚のスタジオ・アルバムをリリースし、長年絶え間なく続けてきたツアーを通じて世界的な人気を博し、その音楽で熱狂的な支持層を獲得して来たのです。
2024年6月、シック・オブ・イット・オールは翌月から開始予定だったヨーロッパ・ツアーを突然キャンセルすると発表。その直後に、ルーはSNSを通じて、自身が医師から食道の悪性腫瘍という診断を受けたことを明らかにしました。「俺の食道から胃にかけて腫瘍が見つかってしまって、この夏はずっと治療を受けなきゃならなくなった。勿論、バンドの全面的な理解の下にだ。話を聞いたメンバーたちはすぐに、『ツアーなんて気にしなくていいから、まずは身体を治して来いよ』って言ってくれて……みんな、ツアーを取り止めること、俺が家で治療を受けることに一も二もなく賛成してくれた」
そして、メッセージをこう締めくくっています。「願わくばこいつをとっととやっつけて、夏の終わりぐらいにはみんなに会えたらいいなと思ってるよ…もしくはそうだな、冬ぐらいかな」
ピートはその治療費の一部を賄い、バンドがツアーを休止している間の兄の生活費を支援するため、GoFundMeでクラウドファンディング・キャンペーンを起ち上げました。このキャンペーンは現在までに38万ドル以上を集めており、仲間のアーティストであるAFI、ランシド、ドロップキック・マーフィーズらがそれぞれ5,000ドルを寄付した他、スナップケースやホット・ウォーター・ミュージックといったバンドも多額の寄付を行なっています。
2024年11月23日、ニューヨーク・シティのアーヴィング・プラザで、食道癌と闘うコーラーを支援するチャリティ・コンサートが開催されました。「I'm In The Fight With Lou」と題されたこのイベントでは、ヴィジョン・オブ・ディスオーダー、ライフ・オブ・アゴニー、ミュニシパル・ウェイストに加え、ニューヨークのヴェテラン・ハードコア・バンドであるキリング・タイムやクラウン・オブ・ソーンズも出演しました。
化学療法を含む集中治療を経て、コーラーは2025年5月に癌が完治したことを発表し、多くの祝福を受けました。しかしそのわずか4か月後、再発を宣告されます。この再発公表時、彼はヴィデオ・メッセージの中でこう語っていました。
「実はリハビリでもの凄く苦戦してたんだ。体重を増やすのも大変で、食べても食べても吐いちゃうんだよ。それでどうもおかしいと思ってちょっと検査を受けたら、案の定、[癌が]再発してやがった。けど、とりあえず俺たちは一日一日を大切に過ごしながら、様子を見ていこうと思ってるんだ」
シック・オブ・イット・オールの現時点での最新作は、2018年11月にCentury Mediaからリリースされた『Wake The Sleeping Dragon!』です。彼らが活動を通じてハードコア界で最も尊敬され、長く愛され続けるバンドのひとつとなったのは、音楽そのものだけでなく、コーラーのカリスマ性と懐の深さが高く評価されてきたことにも起因していました。実弟のピートをはじめとするバンドメイトたちと、40年にわたるツアー活動を通じて築き上げてきた世界中のファンたちが、その死を心から悼んでいます。
安らかなる眠りをお祈りいたします。
Sick Of It All
『Sick Of It All』
Amazon Music(JAN 01 1987)
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