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スティーヴ・クロッパーが逝去直前まで制作していたアルバム『Watching The Tide』から、ブライアン・メイ&ビリー・ギボンズ参加曲「My Angels Are Calling」のMVが公開中
メイが作詞を担当し、作曲にも共同で携わったという別れのバラード「My Angels Are Calling」では、オープニングの波が岸に打ち寄せる音から、彼の優しいヴォーカルがスタックス・レコードが全盛期を迎えていたあの黄金時代へと聴き手を誘い、「行け、ビリー!」という彼の呼びかけに応えて登場したギボンズが、終盤のソロで仕上げにかかります。「ブライアンはスティーヴの視点から歌っているんだよ」と、ティヴェンは語ります。「彼の人生と歩んできた道を振り返っている。とても力強い曲だ」
メイはレコーディング・セッションをこう振り返っています。「スティーヴが亡くなった時、僕らはみんなとてつもない悲しみに包まれた。当時僕は既に、この曲の制作でスティーヴや彼のバンドと共同作業を進めていたところだったんだ。アルバムのプロデューサーであり、僕にとっては長年の友人でもあるジョン・ティヴェンから送られてきたバッキング・トラックには、長年にわたり僕らみんなに絶大な影響を与えてきた、スティーブ・クロッパーならではの独特なリフが入っていた。ただスティーヴが亡くなってすぐに、僕の頭の中にはまた別のアイディアが聴こえてきた──この曲をクロッパーそのひとへのトリビュートにしよう、ってね」
「僕としては、彼が自分の旅立ちの時を悟った、その瞬間の彼自身の心の中に入り込んでみたいと思ったんだ。だからこの曲では、彼の声で語りかけるようなヴォーカル・アプローチをあえて試みている。そして僕は、彼がきっといつもの楽観主義を何らかの形で発揮して来るだろうと感じていたんだ、ある種スピリチュアルなレベルでね。この曲では天使たちに呼ばれているという設定だけど、僕の感覚としては、彼は間違いなく自分の素晴らしい人生に感謝していると思うけど、それと同時に、天国に行くっていうのは彼にとって、オーティス・レディングと一緒にあの不朽の名曲『ドック・オブ・ザ・ベイ』を生み出したあの瞬間に戻ること、あの港の桟橋にまたひょいと腰を下ろすようなものなんじゃないかって気がするんだよ。ビリー・ギボンズに素晴らしいソロを演奏してもらえたことは、この体験の最後を飾る最高のボーナスだったね。バンド全員が素晴らしい仕事をしてくれたと思うし、自分自身その中で役割を果たせたことに大きな誇りを感じているよ」
このアルバムから最初にリリースされた曲は、タフなサザン・スモーク・ブルース調の「Ticket First」でした。この曲はジョークから始まり、最終的にはクロッパーと、同じくロック界の重鎮であるエリック・クラプトンが、鼻と鼻を突き合わせるようにリフを奏でる場面で締めくくられています。「エリックに『いやあ、見事にしてやられたな──あなたに共作者のクレジットをあげなきゃね』と言ったんだ」と、ティヴェンはゲスト参加したレジェンド・ギタリストの圧倒的なソロについて振り返ります。「そうしたらエリックは言ったんだ、『いやあ、スティーヴ・クロッパーと名前を並べてもらえるんなら、何だってするよ……』って」
これはロックンロール全盛期、時代を席巻した音楽界の巨匠が放つ、重大な遺言とも受け取れます。けれど、このアルバムのサウンドから浮かび上がるのは、若き日の燃えるような情熱と老練な巨匠の知恵を融合させ、今なお溌溂とした絶頂期にある史上最高のアーティストの姿です。スティーヴ・クロッパー本人はこの世を去ってしまいましたが、『Watching The Tide』には、彼にはまだまだ聴くべきものが沢山あることを示しているのです。
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追記:スティーヴ・クロッパー遺族からのアップデート
今年5月に小欄でこのアルバムについてご紹介した際(5月20日MLCニュース)、今作のプロデューサーを務めたジョン・ティヴェン及びレーベルとクロッパーの遺族との間で何らかの行き違いが起こっている模様で、リリースが差し止めになっている旨をお伝えしていましたが、どうやらこの件は(一時的かも知れませんが)和解を見たようで、クロッパーの公式フェイスブックには以下のメッセージが掲げられています。
【最新情報】
「Provogue社との合意に至ったことを受け、クロッパー家は、アルバム『Watching The Tide』に収録されたスティーヴの作品を、正規のルートを通じて宣伝することを許可することにしました。ただし、当方は、このアルバムを彼の「最後の作品集」として宣伝することは誤りであるという立場を堅持しており、スティーヴ・クロッパーの音楽については、今後まもなく更に多くの作品がリリースされる予定です。
このアルバムでスティーヴとコラボレーションしてくださったすべてのアーティストの皆様に、心から感謝申し上げます。皆様の懸命かつ尊い努力の成果は、多くの方々に聴いていただくに相応しいものです。
スティーヴ・クロッパーの未発表の楽曲、音源、クリエイティヴ・コンテンツは依然として数多く残されており、これらは将来、スティーヴが意図した通りの形で世界に向けて公開される予定です。スティーヴは近年、自身の物語を世界中のファンや観客にありのままに、そして直接伝えることを目的としたドキュメンタリー映画プロジェクトに、たゆまぬ努力を注いでいました。その映画と併せて、彼はサウンドトラック1作とアルバム2作を完成させ、ソングライター、ミュージシャン、プロデューサーとしての彼の並外れた才能を余すところなく披露しています。私たちは、スティーヴの遺志を尊重し、その遺産の完全性を守りつつ、適切な方法で、適切な時期にこれらの作品をリリースできることを楽しみにしています。
クロッパー家は、スティーヴ・クロッパーの芸術的遺産を守り、今後の作品リリースにおいても、彼にふさわしい敬意と配慮、そして真正性が保たれるよう尽力し続けて参ります」
Steve Cropper & The Midnight Hour
『Watching The Tide』
・Amazon Music(AUG 28 2026)
・Amazon(2026/8/28)輸入盤・CD
2. Ticket First(Feat. Eric Clapton)
3. My Angels Are Calling(Feat. Brian May & Billy F. Gibbons)
4. Until Now(Feat. Ron Wood)
5. Blood From A Stone
6. Here & Gone(Feat. Ana Grosh)
7. It’s Gonna Get Worse
8. Down & Out
9. Stand Right Here(Feat. Billy F. Gibbons & Ana Grosh)
10. Tipoff To The Ripoff
11. House Of Cards
12. Tandoori Chicken Part 2
Steve Cropper & The Midnight Hour
『Friendlytown』
・Amazon Music(AUG 23 2024 )
・Amazon(2024/8/30)輸入盤CD
Steve Cropper
『Fire It Up』
Amazon Music(APR 23 2021)
ブッカーT&MG’s
『Green Onions』
・Amazon Music(OCT 01 1962)
・Amazon(2013/1/29)¥768
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