ヨーコ・オノ5年ぶり新作『ウォーゾーン』ボーナストラック付で日本盤発売決定!「イマジン」新録も収録

85歳にして、この創造力。ジョンとの『イマジン』究極セットだけでなく、こちらもあります。
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〈以下、メイカー・インフォメーションより〉

生誕85周年を迎えたヨーコ・オノ。1968年発表ジョン・レノンとの『トゥー・ヴァージンズ』からも50周年となる2018年秋、ニュー・アルバム『ウォーゾーン』の日本盤がボーナストラックを収録して10月24日ソニーミュージックからリリースされることが決定した。2013年発表『地獄の果てまで連れてって』以来5年ぶり、通算20作目(ジョンとの共作含む)のオリジナル作品となる。

新作の収録曲は1970年から2009年までのヨーコ・オノ作品の中から彼女自身が13曲選び、新たな解釈で新たにレコーディングされたもの。今の時代にもピタリと当てはまる、その不変のメッセージは、2018年の今の方がより一層人々の苦境に寄り添い、適切さを増している。

1973年にリチャード・ニクソンを批判した「ウーマン・パワー」は45年後、ホワイトハウスにいるもう一人の男へ向けて歌われる。
“あなたは今大統領かも知れない/あなたは今も男性かも知れない/だけどあなたは人間でもあるに違いない/ だから心を開いて、私たちと一緒に生きましょう”

●Yoko Ono - Woman Power

「ナウ・オア・ネヴァー(時はいま)」では彼女の最も有名でインスピレーションを与えるフレーズ、“独りで見る夢はただの夢に過ぎない。だけど私たちが一緒に見る夢は現実である”と再び一人一人に語り掛ける。
●Yoko Ono -Now Or Never

「ホワイ」では獰猛な動物の鳴き声がフィーチャーされ、変わらぬ動物への人間の行ないに対し警鐘を鳴らす。
●Yoko Ono - Why

そして、昨年6月に1971年から46年の時を経て、作詞・作曲のクレジットにジョン・レノンとともにヨーコ・オノの名前が追加されたことも話題となった「イマジン」の新ヴァージョンも誕生。新ヴァージョンについてヨーコはこう語る。

「この曲をやるのは怖かった。トム(プロデューサーのトーマス・ベネット)も少し怖がっていたんじゃないかと思います。世界中の人が知っている曲ですから。でも、今回のアルバムのテーマに合うと思ったから、やるべきだと決心しました」

「イマジン」について1980年のインタビューでジョン・レノンはこう語っていた。

「あれはLenonn-Onoの曲としてクレジットされるべきだ。歌詞やコンセプトの多くはヨーコから来ているからね。でも、その時の僕はいつもよりちょっと自分本位で、いつもよりちょっと男権主義的だったから、彼女の貢献に言及するのを省いてしまったんだ」。

更に日本のみのボーナストラックとしてヨーコ自身が選んだのは『イマジン』と同時に1971年発表された『フライ』からの「ミッドサマー・ニューヨーク」の2018年ミックス別ヴァージョン。この曲ではオリジナル・ヴァージョンのジョン・レノン(G)、クラウス・フォアマン(B)、ジム・ケルトナー(Drs)のバッキング・テイクがフィーチャーされている。

ヨーコ・オノは新作についてこう語る。

「世界はあまりにも混乱しています。誰にとっても、ものごとがとても困難になっています。私たちが今生きているのは戦闘地帯・・・。私は新しい方法で創作することが好きなのです。ものごとは日々変わってゆくものだから」

プロデュースをヨーコと共に手がけたのはトーマス・ベネット。1981年生まれの若干36歳、Doveman としても知られている彼は、2013年の『地獄の果てまで連れてって』にプラスティック・オノ・バンドの一員として参加。また、プロデューサーとしてスフィアン・スティーヴンス(映画「君の名前で僕を呼んで」サントラ収録曲など)やデヴィッド・バーン、Rhye、ノラ・ジョーンズ、フローレンス・アンド・ザ・マシーン、グレン・ハンサード等と、ミュージシャン(Key)、ソングライターとしてデヴィッド・バーン、ザ・ナショナル、アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ、ルーファル・ウェインライト、そしてエド・シーランまで、数多くのアーティスト達と共演している。ヨーコが2014年にアントニーと行ったデュエット「アイ・ラヴ・ユー・アース」でも共演し、その後も連絡を取り続け、時折彼女の自宅でリハーサルも行なっていた。

『ウォーゾーン』の録音とアレンジは極限まで削ぎ落とされた、ミニマルな音風景の中、ヨーコの声と歌詞に特に重点が置かれており、彼女のメッセージはダイレクトに心に突き刺さり、遮るものは何一つない。時には陰鬱な警告であり、時には高揚感のある励ましでもあり、彼女の英知と不屈の精神は果敢に力強く、そのメッセージは歳月と人生経験を経て更にパワフルになっている。まさに“今だからこそ”再び全世界へ問うRE-IMAGINE的メッセージの数々、今だからこそやらねばならなかった彼女の叫び。世界を変えるのはまだ手遅れではない。私たちには今まで以上にヨーコが必要なのだ。

2018年10月9日はジョン・レノンの78回目の誕生日。それに合わせて、10月5日には『イマジン:アルティメイト・コレクション』、10月9日には書籍『イマジン ジョン&ヨーコ』が全世界同時発売されるなど、『イマジン』関連の作品が数多く発表される。
http://www.johnlennon.com/

『イマジン:アルティメイト・コレクション』

『イマジン ジョン&ヨーコ』

また、日本では六本木の森美術館にて10月6日(土)から開催される展覧会「カタストロフと美術のちから展」で、YOKO ONOのアート作品《色を加えるペインティング(難民船)》が展示される。近年の難民問題を題材とした作品で、観客はクレヨンを使って展示室の壁や床、そして難民船を思わせる船のどこにでも、平和の願いを書くことができる、昨今注目される鑑賞者参加型アートの先駆けとも言える作品となっている。
詳細はこちら

ヨーコ・オノのバック・カタログは2016年から「YOKO ONO REISSUE PROJECT」としてソニーミュージックより継続発売中。第一弾は『トゥー・ヴァージンズ』『ライフ・ウィズ・ザ・ライオンズ』『ヨーコの心/プラスティック・オノ・バンド』を2016年12月リリース。第二弾は『フライ』『無限の大宇宙』『空間の感触』を2017年8月リリース。第三弾は2019年前半に『シーズン・オブ・グラス』『イッツ・オーライト』『スターピース』『ストーリー』、そして『ウェディング・アルバム』をリリース予定。

 

【アルバム情報】

●ヨーコ・オノ/ウォーゾーン

YOKO ONO/WARZONE

2018/10/24発売 SICX-30062 (BSCD2) ¥2,500+税

*解説・歌詞・対訳付/海外ブックレット「Feminization of Society(社会の女性化)」翻訳付

*日本盤のみのボーナストラック1曲収録

【収録曲】(すべてNEW RECORDING/カッコ内はオリジナル・ヴァージョンを収録したアルバム)

1 WARZONE/ウォーゾーン(『ライジング』 1996)
2 HELL IN PARADISE/ヘル・イン・パラダイス(『スターピース』1985)
3 NOW OR NEVER/ナウ・オア・ネヴァー(時はいま) (『無限の大宇宙』1972)
4 WHERE DO WE GO FROM HERE/ホェア・ドゥ・ウィ・ゴー・フロム・ヒア (『ライジング』1996)
5 WOMAN POWER/ウーマン・パワー(『空間の感触』1973)
6 IT’S GONNA RAIN/イッツ・ゴナ・レイン(『スターピース』1985)
7 WHY/ホワイ(『ヨーコの心/プラスティック・オノ・バンド』1970)
8 CHILDREN POWER/チルドレン・パワー(『スターピース』1985)
9 I LOVE ALL OF ME/アイ・ラヴ・オール・オブ・ミー(『スターピース』1985)
10 TEDDY BEAR/テディ・ベア(『スターピース』収録「Cape Clear」をリメイク)
11 I’M ALIVE/アイム・アライヴ Between My Head and the Sky(『ビトウィーン・マイ・ヘッド・アンド・ザ・スカイ』2009)
12 I LOVE YOU EARTH/アイ・ラヴ・ユーアース(『スターピース』1985)
13 IMAGINE/イマジン(『イマジン』1971)
【日本のみのボーナストラック】
14 MIDSUMMER NEW YORK/ミッドサマー・ニューヨーク (alternate version)(『フライ』1971)

Credits:

Yoko Ono — vocals
Thomas Bartlett — keyboards, electronics, piano, bass
Bass clarinet: Doug Wieselman
Cello: Erik Friedlander
Acoustic guitar: Marc Ribot
Drums: Kassa Overall
Electric guitar: Marc Ribot
Animals: Baboon, Crows, Elephant, Monkeys, Panther, Whale, Wolf
Violins: Caleb Burhans, Patti Kilroy, Laura Lutzke, Courtney Orlando
Children: Lucian Glover, Neve Glover, Damon Hudes, Isadora Kenneally, Milo Leonhart
String Arrangements: Nico Muhly


Voice, words and music by Yoko Ono (c) Ono Music

except "Imagine" written by John Lennon and Yoko Ono (c) Lenono Music (BMI)

Produced by Yoko Ono and Thomas Bartlett

Album concept by Yoko Ono

BONUS TRACK:"Midsummer, New York"  (alternate version from 1971 album Fly)

credits:
Yoko Ono: Voice
John Lennon: Guitar
Klaus Voorman: Bass
Jim Keltner: Drums

recorded August 23, 1971 at Ascot Sound Studios and Record Plant, NYC
UK engineers: Phil McDonald, Eddie Offord, Eddie Veale, Eddie Klein
USA engineers: Roy Cicala, Bob Fries

2018 mix credits:
mixed by Rob Stevens
mix engineer: Paul Goodrich
mixed at Merlin Sound, NY, NY

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以下、海外で発表されたプレスリリース全文訳です。

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ヨーコ・オノ 『ウォーゾーン』 プレスリリース

50年にわたり20作のアルバムを発売したオノ・ヨーコの『ウォーゾーン』は、これまで彼女が作ってきたどのアルバムからも著しい異彩を放つだけでなく、誰のどのアルバムからも著しい異彩を放っている…。

ヨーコは1970年から2009年にかけての過去の作品から13曲を改めて紐解き再考している。その歌詞やメッセージは今もなお適切であり、おそらく2018年の今はいっそう適切さを増しているだろう。「世界はあまりにも混乱しているわ。誰にとってもものごとがとても難しくなっている。私たちが今生きているのは戦闘地帯なのよ…」とオノは言う。「私は新しいやり方で物を作るのが好きなの。物事は日々変わってゆくものだから」

1973年の「ウーマン・パワー」の中で、オノはリチャード・ニクソンをこのように非難した。


あなたは今大統領かも知れない

あなたは今も男性かも知れない

だけどあなたは人間でもあるに違いない

だから心を開いて 私たちと一緒に生きましょう

 
2世代を経た今、この歌詞はホワイトハウスにいるもうひとりの男に当てはまり、「ウーマン・パワー」は相変わらず時節柄興味深いものがある。1971年のエッセイ「Feminization of Society(社会の女性化)」(『ウォーゾーン』のライナーノーツに転載されている)に、オノはこう書いた。「私は社会の女性化を提案します。女性的な傾向を、世界を変えるためのポジティヴな力として使用するのです」

アメリカの近年の大統領たち、そして世界の最高指導者の多くが従軍経験を持たないにも関わらず、大企業の息のかかった軍事産業共同体を育て仕え続けており、世界を無期限の戦争状態に保っている。「ウォーゾーン」はアルバムのダークで恐怖に満ちたオープニング曲である。

「私が第2次世界大戦を幼い少女として生き延びている間多くのことが起こったわ。恐ろしい…何というむごい時代だったことでしょう…でも私を強い女性にしてくれたという意味で、私にとってはいい経験だったのよ。何をすべきかすぐに察知しなければならなかったわ。幼かった私の兄妹は(親元から離されて)疎開し、田舎の屋根裏部屋に潜んでいたの。水は汚い井戸から汲んで、食べ物もなくて。私たちはとてもお腹が空いていたわ。とても、とても危険な時代。自分のために、そして自分の兄妹のためにも、生き延びるためには賢くなければならなかったのよ」
 
プロデュースを共に手がけたミュージシャンのトーマス・バートレットは、2006年にヨーコのバンドで演奏した。ふたりは長年の間連絡を取り合い続け、時折彼女の自宅の今でリハーサルを行っていた。彼女が2014年にアントニーと行ったデュエット「アイ・ラヴ・ユー・アース」ではトーマスがピアノを弾いている。彼女が1986年に手がけた曲の再録音は、ヨーコの反粉砕運動と密接に関係している。今まで以上に際立つ歌詞は、『ウォーゾーン』のコンセプトとトーンを暗示していたかのようである。

『ウォーゾーン』の録音とアレンジは非常に削ぎ落とされたものであり、ヨーコの声と歌詞に特に重点が置かれている。このミニマリスト的な音の景色の中、彼女のメッセージの内容がはっきりかつ邪魔されずに響く。時には陰鬱な警告であり、時には高揚感のある励ましでもあるが、彼女の知恵と不屈の精神は果敢に力強く、彼女の力は時間と人生経験を経て強まっている。彼女は「ナウ・オア・ネヴァー」(1971年)の不吉な疑問を、彼女の最も有名でインスピレーションを与えるフレーズで締めくくっている。「独りで見る夢はただの夢に過ぎない。だけど私たちが一緒に見る夢は現実である」

ジョン・レノンの激しいギターがヨーコの猛烈なヴォーカルの憤激にマッチした1970年ヴァージョンの「ホワイ」に対し、新しいヴァージョンには獰猛な動物の鳴き声がフィーチャーされている。ヨーコはこう語る。「動物たちにミュージシャンと同等の存在感を与えたかったの。録音は象から始めたの。象がすべての動物を代弁しているのよ。人間は象牙を手に入れるために象を殺している…人間はそんなものなのよ…(録音には)動物たちの声を楽器として使ったの。すてきな仕上がりになったわ」

アルバムを痛烈に締めくくるのは「イマジン」。ヨーコが2017年に共作のクレジットを得た曲である。1980年のインタビューでジョン・レノンは「あれはレノン―オノの曲としてクレジットされるべきだ。歌詞やコンセプトの多くはヨーコから来ているからね。でも最近僕はいつもよりちょっと自分本位で、いつもよりちょっと男権主義的だったから、彼女の貢献に言及するのを省いてしまったんだ」。ヨーコはこう語る。「この曲をやるのは怖かったわ。トム(トーマス)も少し怖がっていたんじゃないかしら。世界中の人が知っている曲ですもの。でも、アルバムによく合うと思ったから、やるべきだと思ったのよ」
 
『ウォーゾーン』は唯一無二のヴィジョンを持つ比類なきアーティストのレガシーをさらに強化する。85歳という若さのオノは既に次のアルバムのプロットを練っているのだ…。世界を変えるのはまだ手遅れではない。私たちには今まで以上にヨーコが必要なのだ。

『ウォーゾーン』はショーン・レノンが運営するキメラ・ミュージックのリリース・ナンバー52であり、オノ・ヨーコの『ビトウィーン・マイ・ヘッド・アンド・ザ・スカイ』(2009年)と『地獄の果てまで連れてって(Take Me To The Land Of Hell)』(2013年)、LP3枚にわたるインプロヴィゼーション『ヨーコキムサーストン』(2012年)に続く作品である。キメラはオノのRZA、ジョン・ゾーン、イギー・ポップ、チューン・ヤーズ、アントニー、フレーミング・リップス、ムーンランディングズとのコラボレーション作品もリリースしている。キメラはシークレット・カナディアン・レコーズとの提携によりオノ・ヨーコのバック・カタログの再発を行っている。2018年後半には4作の再発が予定されており、オノ・ヨーコ/ジョン・レノンの『ウェディング・アルバム』は2019年3月20日に発売される予定。

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