ジャズ・ピアニストのマッコイ・タイナーが81歳で死去

過去60年間で最も影響を与えたジャズ・ピアニストの一人と言われているマッコイ・タイナーが3月6日、ニュージャージーの自宅にて81歳で亡くなりました。彼の家族がSNSで訃報を発表していますが、死因は明らかにされていません。
 
「ジャズのレジェンド、アルフレッド・“マッコイ”・タイナーの訃報をお伝えすることになり悲痛な思いです。マッコイは、彼のアート、家族、そして精神性に人生を捧げた素晴らしいミュージシャンでした。マッコイ・タイナーの音楽とレガシーは、ファンの皆様と次世代の才能あふれる人々にインスピレーションを与え続けることでしょう」
 
フィラデルフィア生まれのタイナーは13歳でピアノを弾き始め、1960年からジョン・コルトレーンの全盛期のカルテットに加入し、多くの名盤に名を残しました。特に1961年のアルバム『My Favorite Things』は、その後1998年に「グラミーの殿堂」入りを果たしています。
 
1962年にはデビュー・ソロ・アルバム『Inception』を発表し、1965年にコルトレーンのグループを脱退、自身のグループを結成してからは、ファンク・ロックやアフリカン・ミュージックにインスパイアされた音楽など、様々なサブジャンルにも進出しました。
 
60年代初期から2009年にかけて、ブルーノートやマイルストーン・レコードなどから70枚以上のアルバムをリリースしたほか、フレディ・ハバードやジョー・ヘンダーソン、ウェイン・ショーターらのレコーディングにも参加。グラミー賞を5度受賞し、2002年にはNEA（National Endowment for the Art）から「ジャズ・マスター」に命名されています。
 
タイナーのスタイルは、ピアニストのみならず、あらゆるジャンルのミュージシャンにも影響を与え、グレイトフル・デッドのボブ・ウィアーは、2014年のNetflixドキュメンタリー『The Other One : The Long Strange Trip of Bob Weir』の中で、タイナーから受けた影響について語っていました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。