「I Can See Clearly Now」で知られるレゲエ／ポップ・シンガー、ジョニー・ナッシュが80歳で死去

Johnny Nash - I Can See Clearly Now

1972年のヒット曲「I Can See Clearly Now」で知られる米レゲエ／ポップのシンガー／ソングライター、ジョニー・ナッシュ（Jonny Nash）が10月6日、80歳で亡くなりました。ナッシュの兄弟がSNSで訃報を伝えていますが、死因は発表されていません。

ナッシュは、ジャマイカ人以外で、最初にジャマイカのキングストンでレゲエをレコーディングしたシンガーの一人でした。

テキサス州ヒューストンに生まれたナッシュは、子供時代から教会の聖歌隊で歌い、1953年から地元のTV番組でR&Bのヒット曲をカヴァーしていました。

1957年にメジャー・レーベルからデビュー・シングル「A Teenager Sings the Blues」を発表し、1958年にドリス・デイのカヴァー「A Very Special Love」が初めてチャート入りを果たしました。
また俳優としても活躍し、1959年の映画『Take a Giant Step』に出演しています。

ナッシュは60年代半ばにジャマイカへ移住し、レゲエの影響を受けた1968年のシングル「Hold Me Tight」がカナダのチャートで第1位、全米と全英のシングル・チャートで第7位を記録。1972年に自身が作曲、編曲、プロデュースを手掛けたシングル「I Can See Clearly Now」は100万枚以上を売り上げ、同年のビルボード・チャートの第1位に輝きました。この曲は1976年までチャートにランク・インするほどのヒット曲になり、その後1993年にジミー・クリフがカヴァーしたヴァージョンも、1994年にチャートの18位を記録しています。

また、同名のアルバム『I Can See Clearly Now』には、ボブ・マーリーのカヴァーが4曲含まれ、ナッシュがカヴァーした「Stir It Up」は、1973年にチャートの第12位を記録、ナッシュはマーリーのカヴァー曲で成功した初のアメリカ人アーティストの一人になりました。

ナッシュは、1980年代後半までレコーディングを続け、その後しばらくは姿を消していましたが、2006年にヒューストンのスタジオで再び歌い始め、70年代～80年代に収録した歌のテープをデジタル・フォーマットに移行する仕事もしていたそうです。

安らかなる眠りをお祈りいたします。