ギャップ・バンドのロニー・ウィルソンが73歳で死去

ロニーの妻、リンダ・ブルウェア・ウィルソンのフェイスブック・ページより。中央がロニー。

米R&B／ファンクのパイオニア、ギャップ・バンド（The Gap Band）のマルチプレイヤーでソングライター／プロデューサーでもあったロニー・ウィルソン（Ronnie Wilson）が11月2日、73歳で死去しました。

訃報を伝えた妻のリンダによると、ロニーは先週脳卒中を起こし、半昏睡状態から回復することなく他界したそうです。

ギャップ・バンドは、1967年にロニー、チャーリー、ロバートのウィルソン3兄弟が、故郷オクラホマ州タルサで結成したグループで、バンド名は、タルサの黒人居住区にあったグリーンウッド（Greenwood）、アーチャー（Archer）、パイン（Pine）という3つのストリートの頭文字に由来しています。

70年代～80年代にかけて、ストーンズやウィリー・ネルソン、レオン・ラッセルらのオープニングを務め、オクラホマ出身のラッセルが1974年に発表したアルバム『Stop All That Jazz』のバックバンドとして初ブレイクしました。
同年、ラッセルのスタジオでレコーディングしたデビュー・アルバム『Magicians Holiday』をリリースしましたが、成功への道が開けたのは、プロデューサーのロニー・シモンズとチームを組み、マーキュリー・レコードと契約してからのことでした。

シモンズと初めて制作した1979年のアルバム『The Gap Band』が全米チャートの10位を記録し、収録曲の「Shake」をはじめ、90年代初期にかけてシングル15曲がR&Bチャートのトップ10に入り、アルバム9枚のうち4枚がプラチナ・アルバムに輝いています。

中でも、1982年のプラチナ・アルバム『Gap Band IV』には、バンド最大のヒット曲の一つ「Outstanding」が収録されており、同曲はマドンナやティナ・ターナー、ウィル・スミス、ジョージ・マイケルなど150人以上のアーティストがカヴァーやサンプリングで使用し、またデイヴ・グロールは、同アルバムの「You Dropped a Bomb on Me」が、ニルヴァーナの代表曲「Smells Like Teen Spirit」のドラム・イントロのヒントになったと語っていました。

なお、バンドのマルチプレイヤーでソングライターだったロニーは、フリューゲルホルン、トランペット、ピアノ、シンセサイザー、パーカッションを演奏したほか、様々なアーティストのレコード・プロデューサーも務めていました。末弟のロバート・ウィルソンは、2010年に心臓麻痺のため53歳で亡くなり、現在は弟のチャーリー・ウィルソンだけがソロ活動を続けています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。