レア・アース最後のオリジナル・メンバー、ギル・ブリッジスが80歳で死去

レア・アース『Get Ready』(1969年)、中央がギル・ブリッジス。
 

モータウンの白人ロック・バンド、レア・アース(Rare Earth)の創設メンバーで、サックス/フルート/リード・ヴォーカルを担当していたギル・ブリッジス(Gil Bridges)が12月8日、デトロイト郊外の自宅にて新型コロナの合併症により80歳で亡くなりました。

バンドの現ギタリスト、ルー・パターソンが訃報を伝えています。
デトロイト生まれのブリッジスは、高校時代から学校のマーチング・バンドやオーケストラ、ジャズ・バンドでサックスを演奏し、1960年に地元バンドのサンライナーズ(Sunliners)に加入しました。その後、デトロイトで人気を博したサンライナーズは、1968年にバンド名をレア・アースに改名し、1969年にモータウンと契約。モータウンは、白人のソウル・ロック・レーベルとして、彼らのバンド名を採用した新レーベル「レア・アース」を設立し、彼らを売り出しました。

バンドの初ヒットは、テンプテーションズ1966年の大ヒット曲「Get Ready」のカヴァー・ヴァージョンで、この曲は本来3分の曲でしたが、レア・アースは同曲のレコーディング前の1~2年間、クラブで同曲を演奏していたため、メンバー全員がソロ・パートを演奏したがり、結果的に同曲のライヴ・ヴァージョンは21分もの長い曲になりました。
このライヴ・ヴァージョンは、バンドが1969年にモータウンからリリースしたデビュー・アルバム『Get Ready』のB面に収録されましたが、B面全体を占めるほど長かったため、2分48秒に編集したヴァージョンが1970年にシングルとしてリリースされました。
テンプス1966年のオリジナル・ヴァージョンは、ビルボードHot 100チャートの29位に終わりましたが、レア・アース1970年のシングル・ヴァージョンは同チャートで第4位を記録し、ゴールド・ディスクに認定されました。

また1970年~1972年にかけて、テンプスのカヴァー「(I Know)I’m Losing You」や、レア・アース1971年のアルバム『One World』から「I Just Want to Celebrate」などもヒットしましたが、それ以降は大ヒットに恵まれませんでした。

しかしながら、レア・アースは1974年4月に25万人以上の観客を動員した伝説の「カリフォルニア・ジャム・フェスティバル」でオープニング・アクトを務め、同年7月にはバンドが分裂したものの、1975年に新たなラインナップでアルバム『Back to Earth』をリリースしました。

バンドは90年代後期に至るまで、何度もメンバー・チェンジを繰り返しましたが、ブリッジスはレア・アースの全レコードに参加した唯一のオリジナル・メンバーで、亡くなるまでバンドとパフォーマンスを行なっていました。

レア・アース近影、中央がギル・ブリッジス。



なお、レア・アースは2005年、「ミシガン州ロックンロール・レジェンドの殿堂」入りを果たしています。

レア・アース公式サイト

安らかなる眠りをお祈りいたします。

Get Ready
Rare Earth "(I Know) I'm Losing You" on The Ed Sullivan Show
Rare Earth / I Just Want To Celebrate / 1974 California Jam
RareEarth Papa Was a Rolling Stone
商品詳細
レア・アース
『ゲット・レディ』


Amazon Music・MP3(1969/9/30)¥1,530
CD(2013/11/20)¥912
商品詳細
Rare Earth
『20th Century Masters』


Amazon Music・MP3(2001/2/6)¥1,530
CD(2001/2/6)輸入盤(Jewl)
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