アメリカの元ドラマー、ウィリー・リーコックスが74歳で死去

フォーク・ロック・バンドのアメリカ(America)で1973年~2014年までドラマーを務めていたウィリー・リーコックス(Willie Leacox)が2月1日、カリフォルニア州ストックトンの自宅にて亡くなりました。享年74。家族が訃報を伝えていますが死因は公表されておらず、バンドは次の声明を発表しています。

「我々のブラザーで41年にわたり敬愛していたドラマーが亡くなり、深い悲しみに包まれています。ウィリーはアメリカ・ファミリーにとって不可欠な存在で、我々はこのクレイジーな旅を通じて彼と分かち合った時間を慈しんでいます。この辛い時期を過ごしているご家族と彼を知る全ての皆様に愛を送ります。ウィル、安らかに。愛しているよ」
アメリカは、駐留アメリカ軍人の息子ジェリー・ベックリー、デューイ・バネル、ダン・ピークの3人が1970年にロンドンで結成したバンドで、1971年のデビュー・アルバム『アメリカ』に収録された「A Horse With No Name」(邦題「名前のない馬」)が当時の全米チャートで第1位、全英チャートで第3位を記録する大ヒットになりました。

その後、ロサンゼルスに活動拠点を移したバンドは、1972年にセカンド・アルバム『Homecoming』をリリースし、同作の大ヒット・シングル「Ventura Highway」に続き、1975年の「Sister Gold Hair」(邦題「金色の髪の少女」)や、1982年の「You Can Do Magic」(邦題「風のマジック」)など、数々のヒット曲を送り出しました。

リーコックスは2012年、KMAニュースでのインタヴューで次のように語っていました。
「僕の父と叔父、年上の従兄弟がドラマーだったから、僕は彼らからドラムを教わったようなものだよ。大学卒業後、西海岸にたどり着いた僕は、ロサンゼルス周辺のクラブでフリーランスとして演奏し、昼間は多くのレコーディング・セッションに参加してたんだ。ある俳優と知り合って、彼のレコーディングでドラムを演奏したんだけど、彼からアメリカがドラマーを探していると聞いて、オーディションを受けたら運よく採用されたんだ。僕らはバンド活動が大好きで、家族みたいだし、演奏できなくなるまでやり続けるつもりだよ」

しかしながら、リーコックスは2年後の2014年に引退を発表し、バンドは当時、リーコックスについて次のように語っていました。
「彼は長年にわたり唯一無二の素晴らしいドラマーであり、我々のレコーディングやライヴへの貢献がそれを物語っています。バンドの豊かな音楽史には、このクレイジーな音楽ビジネスで彼と分かち合った冒険と経験の日々があり、それを忘れることはありません。私たちの希望は、彼が引退後の余生を楽しみ、辛かったツアー生活から離れ、家族や友人とより充実した時間を過ごすことです。そして最後に、私たち全員が足跡を残したと言いえるようになることです!」

安らかなる眠りをお祈りいたします。
America live in Central Park 1979
America - Harbor Documentary
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