プロコル・ハルムのリーダー、ゲイリー・ブルッカーが76歳で死去

1967年の大ヒット曲「青い影」(原題「A Whiter Shade of Pale」)で知られる英ロック・バンド、プロコル・ハルム(Procol Harum)の創設者でリーダーだったゲイリー・ブルッカー(Gagy Brooker)が2月19日、ガンのため76歳で死去しました。

ブルッカーは2003年に英国王室から大英帝国勲章(MBE)を授与されており、バンドのウェブサイトには次のように綴られています。

「極めて遺憾なことに、プロコル・ハルムのシンガー、ピアニスト、作曲家で、音楽業界においてかけがえのない明るい光だったゲイリー・ブルッカーMBEが、2月19日に他界いたしました。76歳の彼はガンの治療を受けていましたが、自宅で安らかに息を引き取りました」

「ゲイリーのカリスマ性はステージだけのものではなく、彼は入った部屋を明るく照らし、世界中のファンへの優しさは伝説的でした。彼は、その個性と誠実さ、そして時折顔をのぞかせる頑固でエキセントリックな性格で知られていました。彼の辛辣なウィットとばかばかしい発言への欲求が、彼を貴重で素晴らしい話し手にしたのです(そして彼が曲の合間に入れるシュールで気さくなジョークが、プロコル・ハルムの重々しいパフォーマンスとの鮮やかなコントラストを作りました)」

プロコル・ハルム公式サイトによる訃報
ブルッカーは1945年にロンドンの音楽一家に生まれ、子供の頃からピアノやトロンボーンなど様々な楽器を習っていました。一家は1954年にエセックス州に移りましたが、プロのペダル・スチール・ギタリストだった父のハリーが2年後に他界し、ブルッカーは動物学と植物学を学ぶために大学へ進学したものの、プロのミュージシャンになるために中退しました。

ブルッカーは1962年、友人でギタリストのロビン・トロワーとザ・パラマウンツを結成し、彼らのファンだったストーンズのライヴにゲスト出演したほか、1963年のカヴァー曲「Poison Ivy」がヒットしましたが、その後はヒットに恵まれず1966年に解散しました。

解散後の1966年、ブルッカーは友人のキース・リードとプロコル・ハルムを結成し、リードが作詞を手掛け、ブルッカーが作曲、ヴォーカル、ピアノを担当した1967年のデビュー・シングル「A Whiter Shade of Pale」が世界的に大ヒットしました。バンド初期には、パラマウンツのロビン・トロワーやドラマーのB.J.ウィルソン、オルガン奏者のマシュー・フィッシャーらがラインナップに顔を揃え、1977年に解散するまで、バンドのオリジナル曲の大半はリードとブルッカーが共作していました。
PROCOL HARUM - A Whiter Shade Of Pale - promo film #1 (Official Video)
A Whiter Shade of Pale [50th Anniversary Stereo Mix]
The Best of Ringo Starr & His All Starr Band So Far... - A Whiter Shade of Pale (Gary Brooker)
Procol Harum - A Whiter Shade of Pale, live in Denmark 2006
解散後にソロへ移行したブルッカーは、1979年に初ソロ・アルバム『No More Fear of Flying』をリリースした後、隣人だったエリック・クラプトンのバンドに加入し、クラプトン1981年のソロ・アルバム『Another Ticket』にキーボード/バック・ヴォーカルで参加しました。クラプトンは同年バンドを解散しましたが、ブルッカーはその後もクラプトンのチャリティ・コンサートに出演するなど、長年にわたり友人関係を続けていました。

また、売れっ子のセッション・ミュージシャンでもあったブルッカーは、アラン・パーソンズ・プロジェクト1985年のアルバム『Stereotomy』に参加し、収録曲「Limelight」でリード・ヴォーカルを担当しています。

その後、1991年にプロコル・ハルムを再結成し、2019年までツアーとレコーディングを続けていましたが、1997年~1999年には、リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドにキーボード/オルガン/ヴォーカルで参加、またビル・ワイマン率いるリズム・キングスにも数年間在籍し、3枚のアルバムとツアーに参加していました。

なお、プロコル・ハルムは2017年にアルバム『Novum』を発表し、昨年5月には最新EP「Missing Persons(Alive Forever)」をリリースしたばかりでした(2021年4月19日MLCニュース)。

ブルッカーの訃報を受け、リンゴ・スターやビリー・ジョエルらが追悼メッセージを発表しています(以下は、下記記事リンクからの一部抜粋です。詳しくはリンク先記事をご覧ください)。
bestclassicbands.com : Rockers Pay Tribute to Procol Harum’s Gary Brooker

安らかなる眠りをお祈りいたします。
The Paramounts - Poison Ivy
Procol Harum - Salty Dog (1969)
PROCOL HARUM - Whiskey Train
商品詳細
プロコル・ハルム
『リーガル・ゾノフォン・イヤーズ:プロコル・ハルム・コンプリート・コレクション 1967-1970』


8CDs(2021/11/24)¥19,800
商品詳細
Procol Harum
「Missing Persons(Alive Forever)」


Amazon Music・MP3(2021/5/7)¥600
CD(2021/5/14)輸入盤
商品詳細
プロコル・ハルム
『Live In Concert With The Edmonton Symphony Orchestra』


CD(2018/11/2)輸入盤(Re-Mastered & Expanded Edition)
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