オーストラリア・パンクのパイオニア、ザ・セインツのクリス・ベイリーが65歳で死去

 

オーストラリア・パンクのパイオニア、ザ・セインツ(The Saints)の創設者/バンドリーダーのクリス・ベイリー(Chris Bailey)が4月9日、65歳で亡くなりました。

バンドのSNSで訃報が伝えられていますが、死因は発表されていません。
「ザ・セインツのシンガー/ソングライター、クリス・ベイリーが4月9日に他界したことをお知らせすることになり、非常に心を痛めています。クリスは詩と音楽の人生を送り、土曜日の夜に旅立ちました。家族と友人より」

ベイリーは1957年、アイルランド人の両親のもと、ケニアのナンユキで生まれ、17歳まで北アイルランドのベルファストで過ごした後、家族とオーストラリアのブリスベンに移住しました。

ベイリーは1973年、高校時代の友人だったギタリストのエド・キュッパーと、ドラマーのアイバー・ヘイと共にザ・セインツを結成し、1976年のデビュー・シングル「(I’m)Stranded」が大ヒットしました。

翌1977年に同名のデビュー・アルバムを発表したバンドは、続いて1978年にアルバム『Eternally Yours』と『Prehistoric Sounds』をリリースし、当初のサウンドは原始的で爆発的だったものの、徐々に洗練されたサウンドを展開するようになりました。しかしながら1979年にエドとヘイが脱退し、その後は30名以上のメンバーが出入りしましたが、ベイリーは最後までバンドのリーダーを続けていました。

1986年にはアルバム『All Fools Day』がオーストラリアのチャートで30位を記録、1988年にシングルとしてリリースしたイージービーツのカヴァー「The Music Goes Round My Head」が、映画『Young Einstein』(邦題『ヤング・アインシュタイン』)のサントラにフィーチャーされました。

バンドは、2012年のラスト・アルバム『King Of The Sun』に至るまで14枚のアルバムをリリースし、2001年にはオーストラリア・レコード産業協会(ARIA)が主催する “オーストラリア版グラミー賞” の殿堂入りを果たしました。

また2021年には、バンドの代表曲「(I’m)Stranded」のオリジナル・7インチ・シングルが、クイーンズランド州立図書館にあるジョン・オクスリー・ライブラリーの秘蔵コレクションに収められています。

なお、ベイリーはソロとしても活動しており、1983年~2005年にかけて5枚のソロ・アルバムをリリースし、1994年からスウェーデンに移住していました。

ベイリーの訃報を受け、元バンド仲間のエド・キュッパーをはじめ、ガンズのダフ・マッケイガンや、豪ロック・シンガーのジミー・バーンズ、ウォーレン・エリスらが追悼メッセージを発表しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
商品詳細
The Saints
『I’m Stranded』


CD(2007/7/10)輸入盤
商品詳細
ザ・セインツ
『Prehistoric Sounds』(2004 Remaster)


Amazon Music・MP3(1978/10/1)¥1,500
商品詳細
Chris Bailey
『DM blues - vol. 2』


Amazon Music・MP3(2011/2/21)¥1,800
この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984

ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984

3,850円

ディスク・ガイド・シリーズ #029 パンク USエディション

2,200円
USオルタナティヴ・ロック 1978-1999

USオルタナティヴ・ロック 1978-1999

1,980円
ROCK THE BEST 長谷部宏写真集

ROCK THE BEST 長谷部宏写真集

3,850円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ