イエスのドラマー、アラン・ホワイトが72歳で死去

50年にわたりイエスのドラマーを務めていたアラン・ホワイト(Alan White)が5月26日、短期間病気を患った後、シアトルの自宅にて72歳で亡くなりました。

イエスは、今年9月にアルバム『危機』50周年記念ツアー(「50th Anniversary Close to the Edge Tour」)での来日公演が決まっていますが(5月19日MLCニュース)、バンドのマネジメントは先週末、ホワイトが健康問題により6月のUKツアーに参加できなくなり、アランの親友ジェイ・シェレンが代役でドラムを担当すると発表していました。

イエスは、バンドのウェブサイトで次のように綴っています。
「深い悲しみと共に、イエスの愛すべきドラマーで50年来の友人だったアラン・ホワイトが、短期間病気を患った末に72歳で亡くなったことをお知らせいたします。彼の訃報は、イエスのファミリー全体に衝撃を与えました。アランは、間もなく始まるUKツアーを楽しみにしていました。アランとイエスの旅は1972年7月にスタートし、今年のツアーは、1972年の象徴的アルバム『危機』(原題『Close To The Edge』)とアランの在籍50周年を記念するものなのです。彼は最近、愛する妻ジジとの結婚40周年を祝ったばかりでしたが、自宅で静かに息を引き取りました。イエスは、6月のUKツアーをアラン・ホワイトに捧げます」

イエス公式サイト

■Yes 2022 Tour

Jun 13 – Tavistock – Tavistock Wharf (Dress rehearsal)
Jun 15 – Glasgow – Royal Concert Hall
Jun 17 – Manchester – Bridgewater Hall
Jun 18 – Nottingham – Royal Concert Hall
Jun 20 – Liverpool – Philharmonic Hall
Jun 21 – London Royal Albert Hall
Jun 22 – York – Barbican
Jun 24 – Birmingham – Symphony Hall
Jun 26 – Newcastle – O2 City Hall
Jun 28 – Dublin, Ireland – Vicar Street
Jun 29 – Cork, Ireland – Opera House
Sep 05 – Tokyo, Japan – Orchard Hall
Sep 06 – Tokyo, Japan – Orchard Hall
Sep 08 – Osaka, Japan – Osaka Hall
Sep 09 – Nagoya, Japan – Nagoya Village Hall
アラン・ホワイトは1949年6月、イングランド・ダラム州のペルトンで生まれ、子供時代からドラムを演奏し始めました。60年代には様々なバンドで演奏し、1968年にはジンジャー・ベイカーのスーパーグループ、ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォースに参加していました。

また、1969年にグリフィンというバンドで演奏していた時、そのライヴを観ていたジョン・レノンとオノ・ヨーコの目に留まり、翌日レノンから電話をもらったホワイトは、その翌日のフェスティバル「トロント・ロックンロール・リバイバル」に招待され、当時エリック・クラプトンが参加していたプラスティック・オノ・バンドのドラマーとして出演しました。同公演を収録したプラスティック・オノ・バンドのライヴ・アルバム『Live Peace in Toronto 1969』(邦題『平和の祈りをこめて』)は、USビルボード・チャートの10位を記録し、ゴールド・アルバムに認定されています。

レノンとの関係はその後も続き、ホワイトはレノン1970年のシングル「Instant Karma!」や1971年のアルバム『Imagine』、ジョージ・ハリスン1970年のアルバム『All Things Must Pass』に参加したほか、アップル・レコードがリリースしたビリー・プレストンやロゼッタ・ハイタワー、ドリス・トロイらのアルバムにも参加していました。
そして1972年、当時ジョー・コッカーのバンドにいたホワイトは、イエスのジョン・アンダーソンとクリス・スクワイアから推薦され、同年7月27日にビル・ブルーフォードの後任としてイエスに加入。そのわずか3日後には、「Close To The Edge」ツアーのダラス公演で、1万5,000人の観客を前にコンサート・デビューを飾りました。

続いて1973年のスタジオ・アルバム『Tales From Topographic Oceans』(邦題『海洋地形学の物語』)から2021年の『The Quest』に至るまで、最も長く在籍したドラマーとして多数のアルバムに参加、また1976年には、唯一のソロ・アルバム『Ramshackled』もリリースしていました。

なお、アラン・ホワイトは2017年、イエスのメンバーとして「ロックの殿堂」入りを果たしています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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