70年代ソフト・ロック・デュオ、シールズ&クロフツのジム・シールズが80歳で死去



70年代のヒット曲「Summer Breeze」や「Diamond Girl」で知られる米ソフト・ロック・デュオ、シールズ&クロフツ(Seals and Crofts)のジム・シールズ(Jim Seals)が6月6日、80歳で死去しました。家族や友人が訃報を伝えていますが、死因は発表されていません。

ジムの弟、イングランド・ダン・シールズと、70年代に “イングランド・ダン&ジョン・フォード・コリー” として活躍していたジョン・フォード・コリーは、フェイスブックで次のように綴っています。

「ジム・シールズが本日亡くなりました。私は、音楽人生の大半を彼と過ごし、彼とツアーを行ない、シールズ&クロフツのレコードで歌ったこともありました。(ジムの弟)ダンは、お兄さんを敬愛していました。僕らがロサンゼルスでレコーディングを行ない、相応しい人々と出会うチャンスをくれたのがジムだったからです。ジムの逝去は、僕にとって一つの音楽の時代の終焉であり、いろいろな意味で辛いものです。彼の歌にもあるように、“この道は一度だけ”(「We May Never Pass This Way Again」)。彼は、比類なきグループの一員でした。彼の死は非常に悲しいですが、私たち全員の素晴らしい思い出があります」
ジム・シールズ(本名ジェイムズ・ユージン・シールズ)は1941年、テキサス州シドニーで生まれ、後の相方ダッシュ・クロフツとは、地元バンドで活動していた時に出会いました。その後、シールズがサックスを担当していたディーン・ベアード&ザ・クルー・キャッツにクロフツが加入。二人はベアードと共にロサンゼルスへ移り、1958年に「Tequila」がNo.1ヒットになったばかりのチャンプス(Champs)に加入しましたが、バンドの衰退に伴い1965年に脱退しました。

徐々に独自のシングルをレコーディングし始めていた二人は、1969年にシールズ&クロフツとしてデビュー・アルバム『Seals & Crofts』を発表。ヴォーカルとハーモニーをシェアしつつ、シールズがギターとサックス、ヴァイオリンを担当、クロフツがギターとマンドリンを演奏していました。1970年には、NYのフィルモア・イーストで、プロコル・ハルムの前座も務めました。

その後、1972年のサード・アルバム『Summer Breeze』が全米チャートの7位を記録する大ヒットになり、プラチナ・ディスクに認定。続いて1973年のアルバム『Diamond Girl』、1974年の『Unborn Child』、1975年の『I’ll Play for You』、1976年の『Get Closer』がゴールド・ディスクに認定されました。

しかしながら、ディスコやパンク・ブームの中、1980年に発表した11作目のスタジオ・アルバム『The Longest Road』を最後に解散。その後、公式なデュオとしての活動はなくなりましたが、二人に大きな影響を与えたバハイ教関連のイベントなどで時折共演し、2004年にはリユニオン・アルバム『Traces』をリリースしました。

そして2017年、シールズは脳梗塞を患い、その後は音楽活動を停止していました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。

商品情報
シールズ&クロフツ 
『The Singles A's & B's - 1970-1976』


CD(2021/9/3)輸入盤

商品情報
シールズ&クロフツ 
『Original Album Series』


CD(2015/4/27)輸入盤

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