ザ・デルフォニックスのシンガー、ウィリアム・ハートが77歳で死去

The Delfonics『La La Means I Love You』（Bell Records – SBLL 106：1968）

米フィラデルフィアのR&B／ソウル・グループ、ザ・デルフォニックス（The Delfonics）の創設者で、リード・シンガー／ソングライターだったウィリアム・ハート（William “Poogie” Hart、ジャケット写真中央）が7月14日、手術の合併症によりフィラデルフィアの病院で死去しました。享年77。

1945年にワシントンD.C.で生まれたハートは、わずか14歳で最初のヴォーカル・グループを結成し、地元のダンス・パーティやクラブで歌っていました。その後、1965年に弟のウィルバート・ハートとランディ・ケインと共にデルフォニックスを結成し、美しいハーモニーとダンスの振り付け、カラフルな衣装で知られるようになりました。

1968年から70年代前半にかけて、デルフォニックスは12曲ものシングルがR&Bチャートやポップ・チャートの上位にランクインし、中でも1968年の「La-La（Means I Love You）」（邦題「ララは愛の言葉」）は、R&Bチャートで第2位、ビルボードのHot 100チャートで第4位を記録する大ヒットになりました。この曲は後に、プリンスやトッド・ラングレン、ジャクソン5らがカヴァーしています。

また、1968年のシングル「Ready or Not Here I Come（Can’t Hide From Love）」や、1970年の「Didn’t I（Blow Your Mind This Time）」などもヒットし、後者の曲はグラミー賞の「Best R&B Vocal Performance by a Duo or Group（最優秀R&Bヴォーカル・パフォーマンス賞ヴォーカル入りデュオまたはグループ部門）」を受賞しました。

しかしながら、70年代後半には人気に陰りが見え始め、兄ウィリアムと弟のウィルバートがそれぞれ率いる二つのグループに分裂しましたが、その後も各グループは2000年代まで活動を続け、ウィリアムは今年もパフォーマンスを行なっていました。

なお、デルフォニックスは2014年、「R＆Bの殿堂」入りを果たしています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。