ボサノヴァを世界に広めたジャズ・プロデューサー、クリード・テイラーが93歳で死去

ジャズ・レーベルのインパルス・レコードとCTIレコードを創設し、ボサノヴァを世界に広めたジャズ・プロデューサーのクリード・テイラー(Creed Taylor)が8月23日、93歳で死去しました。ヴァーヴ・レーベル・グループが訃報を発表しています。
テイラーは50年以上にわたるキャリアにおいて、300枚以上のアルバムを手掛け、中でもテイラーがプロデュースしたジョアン・ジルベルト&スタン・ゲッツ1964年のボサノヴァ「The Girl From Ipanema」(邦題「イパネマの娘」)は、ビールボードのイージーリスニング・チャートで第1位に輝きました。
 
1929年にヴァージニア州リンチバーグで生まれたテイラーは、子供の頃からビッグバンド・ジャズに夢中になり、高校時代から地元のジャズ・バンドでトランペットを演奏し、大学では心理学を学びつつ、ファイヴ・デュークスというグループで演奏していました。
 
その後ニューヨークに定住したテイラーは、ベツレヘム・レコードのチーフA&Rを務め、チャールズ・ミンガスやハービー・マンらを担当し、1956 年にベツレヘムを退社。ABCパラマウント入社後は、社内プロデューサーを務め、1960年に子会社レーベルのインパルス・レコードを創設し、同年ジョン・コルトレーンと契約を結びました。
 
1961年には、テイラーがプロデュースしたレイ・チャールズのアルバム『Genius + Soul = Jazz』がインパルスからリリースされましたが、テイラーはその数か月後にABCパラマウントを去り、ヴァーヴ・レコードに移籍しました。
 
ヴァーヴ・レコードでは、ビル・エヴァンスやウェス・モンゴメリーらを担当したほか、スタン・ゲッツ、アストラッド・ジルベルト、チャーリー・バードらとの仕事を通じ、ボサノヴァを世界に広めました。
 
1967年、ヴァーヴを離れたテイラーは、独自レーベルのCTI(Creed Taylor Incorporated)を立ち上げ、続いて1971年にはソウル・ジャズ・レーベルのKUDUを設立しましたが、70年代半ばから苦戦を強いられたCTIは1978年に破産申請し、カタログがコロンビアに売却されました。
 
その後、テイラーは2009年にCTIオールスターズ・バンドを結成し、ヨーロッパ・ツアーを行い、同ツアーを収録したライヴ・アルバム『CTI All Stars At Montreux 2009』がリリースされました。同作には、ジョン・マクラフリンやジョージ・デューク、マーク・イーガンらがフィーチャーされています
商品詳細
スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト
『GETZ/GILBERTO』


CD(2014/5/27)¥1,420
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