ラテン・ジャズ/サルサの巨匠、エディ・パルミエリが88歳で死去

 商品情報 Eddie Palmieri 『Palo Pá Rumba』 
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サルサの創始と革新に大きく貢献したピアニスト/作曲家/バンドリーダーのエディ・パルミエリ(Eddie Palmieri)が8月6日、ニュージャージー州ハッケンサックの自宅にて88歳で死去しました。
家族がSNSで訃報を伝えており、死因は発表されていませんが、パルミエリは長い闘病生活の末に亡くなったそうです。
 
パルミエリは1936年、ニューヨークのブロンクス地区でプエルトリコ人の両親のもとに生まれ、8歳の頃から、先駆的ピアニストの兄チャーリーと数々のタレント・コンテストに出場していました。

50年代にティト・ロドリゲス・オーケストラを含む複数のバンドで演奏したパルミエリは、1961年に8人編成のラ・ペルフェクタ(La Perfecta)を結成し、トロンボーンを多用したスタイルでサルサ界に独自のムーヴメントを巻き起こし、1969年の記念碑的アルバム『Justicia』(邦題『フスティシア』)では、ファンク、ソウル、サイケデリックロックの要素とキューバのダンスリズム、そして人種差別と植民地主義に抗議する歌詞を融合させ、同作はパルミエリの最も露骨な政治的作品になりました。
 
サルサには紛れもない彼の痕跡が刻まれているものの、“サルサ” という呼称に不快感を示したパルミエリは、自身の音楽を “アフロ・キューバン” と呼び、その後はより小規模なバンドで演奏するようになり、自身の激しい感性に合致するコンフント形式を好んでいました。
 
その感性は、彼のビジネスにも反映され、ギャングの支援を受ける業界幹部から国税庁に至るまで、あらゆる人々と対立したため “サルサの狂人” というあだ名で呼ばれていましたが、ニューヨークのクラブ「ヴィレッジ・ゲート」で毎週月曜日の夜に開催される伝説的ライヴにレギュラー出演していました。
 
1975年には、1974年のアルバム『Sun of Latin Music』でグラミー賞の「最優秀ラテン・レコーディング賞」を受賞し、翌年には1975年のアルバム『Unfinished Masterpiece』も同部門を受賞、その名声により、1995年に「最優秀ラテン・ジャズ・アルバム」部門の創設を推進し、その後2012年に廃止された同部門の復活を訴え、成功を収めました。
 
なお、パルミエリは80代になってもコラボ作品のリリースやツアーを続け、2013年には全米芸術基金からジャズ・マスターの称号を授与され、ラテン・グラミー賞から生涯功労賞を受賞しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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Eddie Palmieri 
『Justicia』


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