ディランやストーンズとも共演した名アコーディオン奏者、フラーコ・ヒメネスが86歳で死去

南テキサスで演奏されているメキシコ音楽(テハーノ/コンフント)の名アコーディオン奏者で、シンガー/ソングライターでもあったレオナルド・“フラーコ(フラコ)”・ヒメネス(Leonardo "Flaco" Jiménez)が7月31日、長い闘病生活の末に86歳で死去しました。

ヒメネスは、70年以上にわたるキャリアを通じてメキシコ音楽の普及に貢献し、ボブ・ディランやローリング・ストーンズをはじめとする多くのアーティストとコラボレーションを行なっていました。

家族がSNSで訃報を伝えていますが、死因は発表されていません。
1939年にテキサス州サンアントニオで生まれたヒメネスは、祖父パトリシオと父サンティアゴ・ヒメネス・シニアもアコーディオン奏者で、幼少期から父の演奏を聴いて独学でアコーディオンを習得し、コンフント音楽の先駆者である父のバンドで演奏していました。

父の愛称 “フラーコ” を継承し、“フラーコ・ヒメネス” と呼ばれるようになったヒメネスは、比類なき情熱とアコーディオンの腕前で、故郷テキサスで急速にスターダムにのし上がり、60年代にはサー・ダグラス・クインテットの創設メンバーであるダグラス(ダグ)・サームと共演するようになりました。

その後、サームが1973年にリリースした初ソロ・アルバム『Doug Sahm and Band』にゲスト参加したヒメネスは、同作にフィーチャーされたボブ・ディランやドクター・ジョンらと共演したことでブレイクへの道を切り開き、80年代後半には、サームとテハーノのスーパーグループ、テキサス・トーネイドスを結成しました。

それから数十年にわたり、ヒメネスはローリング・ストーンズ、リンダ・ロンシュタット、ドワイト・ヨーカム、ライ・クーダーをはじめとする数多くのアーティストとコラボレーションを行ない、キャリアにおいて25枚以上のスタジオ・アルバムをリリースし、1996年に「最優秀カントリー・インストゥルメンタル・アルバム賞」、1998年には「最優秀テハーノ・ミュージック・パフォーマンス賞」を受賞するなど、生涯で6つのグラミー賞を受賞しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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