スピリチュアル・ジャズの名士、サックス奏者のファラオ・サンダースが81歳で死去

スピリチュアル・ジャズの名士、サックス奏者のファラオ・サンダース(Pharoah Sanders)が9月24日、81歳で死去しました。

所属レーベル、ルアカ・バップ(Luaka Bop:デヴィッド・バーン主宰)が訃報を伝えており、サンダースは家族と友人に見守られながら安らかに息を引き取ったそうですが、死因は発表されていません。
1940年にアーカンソー州で生まれたサンダース(本名ファレル・サンダース)は、高校時代からアルト・サックスを演奏し始め、1959年にオークランドに移住した後、テナー・サックスに転向し、クラブで演奏していた時にジョン・コルトレーンと出会いました。

その後ニューヨークへ移住したサンダースは、共演したサン・ラから “ファラオ” の愛称を命名され、1965年に初ソロ・アルバム『Pharoah’s First』をリリース。翌1966年にインパルス!・レコードと契約し、同レーベルからリリースしたアルバム『Karma』『Thembi』『Elevation』『Black Unity』『Love in Us All』などが、ジャズ・ミュージシャンや音楽評論家から注目されました。

また1966年からライヴとスタジオ・セッションで定期的にコルトレーンと演奏するようになり、コルトレーンの『Ascension』や『Meditations』『A Love Supreme:Live in Seattle』をはじめとする12枚のアルバムに参加、コルトレーンとの音楽が、70年代~80年代ジャズの方向性に大きな影響を与えました。

スピリチュアル・ジャズ・ムーヴメントの重要な役割を担ったサンダースは、オーヴァーブローイングとマルチフォニックの技術を世に広め、自身の代表作『Karma』のヒットや、アリス・コルトレーン1968年のアルバム『A Monastic Trio』に参加したことで60年代のサウンドを定義する立役者になり、トランペット奏者のドン・チェリー、サックス奏者のオーネット・コールマンといったフリー・ジャズの先駆者たちと共演し、特にアリス・コルトレーンとは頻繁にコラボしていました。

サンダースは90年代~2000年代にかけてもレコーディングを続け、2021年には、フローティング・ポインツとロンドン・シンフォニー・オーケストラとコラボしたLP『Promises』をリリースしたばかりでした。
商品詳細
フローティング・ポインツ、ファラオ・サンダース&ザ・ロンドン・シンフォニー・オーケストラ
『プロミセス』


CD(2021/3/26)¥2,303

サンダースの訃報を受け、サン・ラ・アーケストラ、ナイジェル・ゴドリッチ、ヤスミン・ウィリアムズらが追悼メッセージを発表し、フローティング・ポインツは次のように綴っています。

「今朝、私の美しい友人が他界しました。この人物と知り合えたことをとても幸運に思います。彼の芸術が私たちと永遠に残ることに感謝しています。ありがとう、ファラオ」

安らかなる眠りをお祈りいたします。

商品詳細
ファラオ・サンダース
『Karma』


CD(1995/11/7)輸入盤
商品詳細
ファラオ・サンダース
『Moon Child』


CD(2021/12/10)輸入盤
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