英ブルース・バンド、サヴォイ・ブラウンのキム・シモンズが75歳で死去

英・3大ブルース・ロック・バンドの一つ、サヴォイ・ブラウンの創設メンバー/ギタリスト/ソングライターのキム・シモンズ(Kim Simmonds)が12月13日、75歳で死去しました。

バンドのSNSで訃報が発表されています。
「12月13日の夜、キム・シモンズが安らかに息を引き取りました。
あなたは逝ってしまった。僕らはなんとか生きていくが、今は泣くしかない。
キムの最期の願いの一つは、サヴォイ・ブラウンのファンに感謝することでした。皆様からのご支援は、これまでも、そしてこれからも非常に感謝されることでしょう」

シモンズは今年8月、ステージ4の癌と1年近く闘っていたことを公表し、非常に稀な結腸印環細胞癌と診断されていました。このガンは、早期発見されることが少なく、回復の見込みがないそうで、シモンズは当時の声明で次のように語っていました。
「私は化学療法を受けており、そのせいでライヴが難しくなりました。副作用の一つは末梢神経障害で、今では指と手の(足も)神経が麻痺しています」

シモンズは1947年にウェールズで生まれ、10代の頃から兄のブルース・レコードを聴きながら、ギタリストとしての技術に磨きをかけていました。
1965年、シモンズは18歳の時にロンドンでサヴォイ・ブラウンを結成し、オリジナル・ラインナップには、シンガーのブライス・ポーティアス、キーボーディストのトレヴァー・ジーヴォンズ、ベーシストのレイ・チャペル、ドラマーのレオ・マニング、ハーモニカ奏者のジョン・オリアリーが参加していました。
バンドはやがて、ロンドンでクリームやジョン・リー・フッカーらとギグを行なうようになり、イギリスのモダン・ブルース・ムーヴメントの先駆けとなりました。
バンドのラインナップは頻繁に変わり、チキン・シャックのメンバーだったポール・レイモンド、アンディ・シルヴェスター、デイヴ・ビドウェルが参加した時期もあり、このラインナップによるUSツアーでは、ロッド・スチュワート&フェイセズがサポートを務めました。
この時期、バンドが発表した1971 年のアルバム『Street Corner Talking』からは、タイトル曲と「Tell Mama」、テンプテーションズのカヴァー「I Can't Get Next to You」などがヒットし、翌1972年のアルバム『Hellboud Train』は、ビルボード・チャートで34位にランクインしました。

バンドは高レベルの商業的成功には恵まれなかったものの、英ブルース・シーンの主力となり、その後数十年にわたってラインナップが変化した中で、シモンズだけが不動のメンバーでした。
またシモンズは、1997 年に初ソロ・アルバム『Solitaire』をリリースし、2001年~2015年にも4枚のソロ・アルバムを発表、サヴォイ・ブラウンのアルバムを含め、生涯で50枚近くのアルバムをリリースしました。
なお、サヴォイ・ブラウン2017 年のアルバム「Witchy Feeling」は、ビルボードのブルース・チャートで 第1位を記録しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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