パンクのアイコン、ファッション・デザイナーのヴィヴィアン・ウェストウッドが81歳で死去

70年代の英パンク・ムーヴメントに不可欠な存在だったファッション・デザイナー/活動家のヴィヴィアン・ウェストウッド(Vivienne Westwood)が12月29日、81歳で死去しました。

代理人によると、ウェストウッドはサウス・ロンドンのクラパムにて、家族に見守られながら安らかに息を引き取ったそうです。
ウェストウッドは1941年、英ホリングワースでヴィヴィアン・イザベル・スワイアとして生まれ、ウェストミンスター大学で銀細工を学んだ後、1962年に工場の見習いデレク・ウェストウッドと結婚、長男のベンジャミンを出産しましたが、数年後に離婚しました。

その後、ファッション・デザイナーのマルコム・マクラーレンと結婚し、1967年に次男のジョセフを出産。 1971年から本格的に服を作るようになり、マクラーレンとブティック「Let It Rock」をオープンした後、1974年に店名を「SEX」に改名しました。

破れたTシャツ、チェック柄、ラバー、モヘアのトップス、安全ピンを飾りにしたパンク・ファッションの店「SEX」は、当時音楽シーンのキー・パーソンだったシド・ヴィシャスや、マルコ・ピローニ(スージー・アンド・ザ・バンシーズのギタリスト)、マーク・スチュワート(ザ・ポップ・グループのシンガー)らのたまり場と化し、まもなくマクラーレンがセックス・ピストルズのマネージャーに就任、ピストルズは夫妻がデザインした服を身に着け、ブリティッシュ・パンクのスタイルをメインストリームに押し上げました。

ウェストウッドは80年代、デザインの焦点をパンク・シーンから上流階級の女性ファッションに移行し、ビクトリア朝のクリノリンをミニスカートとして考案した「ミニクリニ」を発表。 その後、ロンドンのキングス・カレッジの制服や、ヴァージン・アトランティック航空の乗務員のユニフォームを手掛けたほか、ビデオ・ゲーム「ファイナル・ファンタジー XV」 のルナフレーナ・ノックス・フルーレの服もデザインしていました。

2022年には、ウェストウッドのインタヴューをフィーチャーしたドキュメンタリー『Wake Up Punk』が公開されています。

なお、ウェストウッドの訃報を受け、パティ・スミスが12月30日(スミス76歳の誕生日)、NYのクラブ「ブルックリン・スティール」で行なったライヴで彼女を追悼し、1975年のヒット曲「Redondo Beach」を捧げました。スミスは曲終わりに「Goodbye Vivienee」と呼びかけています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。

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