UK 3大ロック・ギタリストの一人、ジェフ・ベックが78歳で死去

初来日となった、ベック・ボガート&アピスでの来日公演を報じる『ミュージック・ライフ』1973年7月号、グラビア・トップ・ページ(撮影:長谷部 宏)。
ジミー・ペイジ、エリック・クラプトンと並ぶUK 3大ロック・ギタリストの一人、ジェフ・ベック(Jeff Beck)が1月10日、78歳で死去しました。

広報担当者が訃報を伝えています。
「ご家族を代表し、心から深い悲しみと共に、ジェフ・ベックの訃報をお伝えいたします。彼は突然、細菌性髄膜炎に感染し、昨日安らかに息を引き取りました。ご家族はこの途轍もない喪失に対処しており、プライヴァシーを望まれています」

ジェフ・ベックは1944年、サウスロンドンのウォリントンで生まれ、幼少期に教会の合唱団で歌い、10代でエレキ・ギターを弾き始めました。

60年代初期に一連の地元バンドで演奏した後、1965年にジミー・ペイジの推薦により、エリック・クラプトンの後任としてヤードバーズに加入。バンドのヒット曲「Heart Full of Soul」や「Evil Hearted You」「Shapes of Things」「Under Over Sideways Down」などで演奏しましたが、1966年にメンバーとの個人的対立によりバンドを解雇されました。

その後、ソロ・シングルを発表したベックは、1967年にロッド・スチュワート(vo)とロニー・ウッド(b)をフィーチャーしたジェフ・ベック・グループを結成し、1968年に自身のデビュー・ソロ・アルバム『Truth』、1969年にグループ名義の『Beck-Ola』をリリースしました。1971年には同グループを再結成し、新たなラインナップには、ドラマーのコージー・パウウェルが参加していました。

また、1972年にヴェニラ・ファッジのベーシスト、ティム・ボガートとドラマーのカーマイン・アピスらと、スーパーグループのベック・ボガート&アピスを結成し、1973年に唯一のスタジオ・アルバム『Beck, Bogert & Appice』をリリースした後、1974年に解散しました。

1975年には再びソロ活動に戻り、ジョージ・マーティン(ビートルズのプロデューサー)がプロデュースしたジャズ・フージョン・アルバム『Blow By Blow』を発表、翌1976年にもマーティンがプロデュースした『Wired』をリリースし、どちらもアメリカでプラチナに認定されました。

80年代には耳鳴りに悩まされたものの、3枚のアルバムをリリースし、1985年の『Flash』で初のグラミー賞を受賞しました。またエリック・クラプトンと一連のチャリティ・コンサートに出演したほか、ロッド・スチュワート1984年のシングル「Infatuation」と、1985年の「People Get Ready」(インプレッションズのカヴァー)にフィーチャーされました。

90年代以降は様々なミュージシャンとコラボレーションを行ない、ジョン・ボン・ジョヴィ1990年のソロ・デビュー・アルバム『Blaze of Glory』や、ロジャー・ウォーターズ1992年のアルバム『Amused to Death』、ケイト・ブッシュ1993年の『The Red Shoes』、トゥーツ&ザ・メイタルズ2004年の『True Love』、ハービー・ハンコック2010年の『The Imagine Project』などに参加、2013年にはビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンとアル・ジャーディンとツアーを行ないました。

ベックは、2016年にリリースした『Loud Hailer』が最後のソロ・アルバムになってしまいましたが、昨年からジョニー・デップとチームを組み、コラボ・アルバム『18』をリリースし(2022年6月9日MLCニュース)、昨年11月までツアーを行なっていました。

また、オジー・オズボーンが昨年リリースした最新アルバム『Patient Number 9』のタイトル曲(2022年6月28日MLCニュース)にフィーチャーされ、同曲は今年のグラミー賞「最優秀ロック・ソング賞」と「最優秀ロック・パフォーマンス賞」にノミネートされています。

なお、ベックは1992年にヤードバーズのメンバーとして、2009年にはソロとして「ロックの殿堂」入りを果たし、50年以上のキャリアにおいて、グラミー賞を8度受賞しています。

ベックの訃報を受け、ジミー・ペイジ、エリック・クラプトン、ロッド・スチュワート、ロニー・ウッドをはじめとする多数のアーティストが追悼メッセージを発表しています(以下にピックアップ)。

これ以外にも、ミック・ジャガー、オジー・オズボーン、デヴィッド・ギルモア、ビリー・ギボンズ、デイヴ・デイヴィス(ザ・キンクス)、ブライアン・ウィルソン、バディ・ガイ、他多数のメッセージが以下の記事でまとめられています。
ultimateclassicrock.com/JEFF BECK DIES: ROCKERS REACT

安らかなる眠りをお祈りいたします。

※海外における公演の多くにおいては、オーディエンスによる携帯での撮影、そしてその画像・動画のアップロードがアーティスト側にプロモーションの一環として了承・推奨されている場合が多いため、MUSIC LIFE CLUBではそういった情報も掲載しています。

商品詳細
ジェフ・ベック・アンド・ジョニー・デップ
『18』


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商品詳細
ジェフ・ベック
『ラウド・ヘイラー』


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