サディスティック・ミカ・バンド、YMOの高橋幸宏が70歳で死去

ジャパンのスティーヴ・ジャンセンのツイートより。在りし日の二人のツーショット。



イエロー・マジック・オーケストラのドラマー/リード・ヴォーカリストで知られる高橋幸宏が1月11日、脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎のため亡くなりました。享年70。

高橋は2020年に脳腫瘍の手術を受け、その後は入退院を繰り返しながら治療にあたっていました。

1952年に東京都目黒区で生まれた高橋は、70年代初期から加藤和彦率いるサディスティック・ミカ・バンドのドラマーとして活躍し、1978年に坂本龍一、細野晴臣と共にイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を結成しました。

YMOは、シンセサイザー、サンプラー、シークエンサー、ドラム・マシン、コンピューター、デジタル・レコーディング・テクノロジーを駆使した電子音楽のパイオニアと称され、1978年~1993年に8枚のスタジオ・アルバムをリリースし、中でも1979年のセカンド・アルバム『Solid State Survivor』と、1981年の『BGM』が幅広く絶賛されました。高橋が作曲した「Rydeen」(「Solid State Survivor」収録)は、YMOの代表曲の一つになっています。

海外では、デュラン・デュランやデペッシュ・モード、ウルトラヴォックスらが、シンセ・ポップ、テクノ、ハウス・ミュージックのルーツがYMOに由来していると認めており、エリック・クラプトン、マライア・キャリー、オービタル、アフリカ・バンバータらが、YMOの曲をカヴァー、サンプリング、リミックスしていました。

また高橋は、1978年のソロ・デビュー・アルバム『Saravah!』」をはじめ、80年代以降に多数のソロ・アルバムを発表したほか、1981年に鈴木慶一とビートニクス(The Beatniks)を結成。80年代と90年代には、ジャパンのスティーヴ・ジャンセンと、シングル「Stay Close」(1986年)や「Pulse」(1997年)をリリースしました。

2000年代初期には、細野晴臣と「スケッチ・ショウ(Sketch Show)」を結成し、アルバム『Loophole』をUKでリリース。その後、二人は坂本と合流し、HASYMO(Human Audio Sponge+YMO)として、2007年にシングル「Rescue」をリリースしています。

続いて高橋は、2008年に原田知世や高野寛らとポップ・エレクトロニカ・バンドのpupaを結成し、2枚のアルバムをリリース。2014年には小山田圭吾らと新ユニットの高橋幸宏&METAFIVEを結成し、ライヴ・アルバムをリリースしていました。

なお、高橋の訃報を受け、スパークスをはじめ多くのミュージシャンが追悼メッセージを発表し、坂本龍一はコメントのないグレー一色の画像をSNSに投稿しています。また、このほか多数の追悼メッセージが以下の記事に多数まとめられています。
Yellow Magic Orchestra drummer Yukihiro Takahashi has died, aged 70

安らかなる眠りをお祈りいたします。

商品詳細
Yellow Magic Orchestra
『Technodon In Tokyo Dome』

Blu-Ray+SACD(2020/4/22)¥5,725
この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

ディスク・ガイド・シリーズ #016 テクノ・ポップ

ディスク・ガイド・シリーズ #016 テクノ・ポップ

1,980円

CROSSBEAT Presents 80年代洋楽完全ガイド

1,980円
JAPAN 1983-1991 瓦解の美学

JAPAN 1983-1991 瓦解の美学

4,860円

JAPAN 1974-1984 光と影のバンド全史

3,996円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ