テレヴィジョンのフロントマン、トム・ヴァーレインが73歳で死去

70年代に活躍した米パンク・ロック・バンド、テレヴィジョン（Television）の創設メンバーで、シンガー／ソングライター／ギタリストのトム・ヴァーレイン（Tom Verlaine）が1月28日、ニューヨークにて73歳で死去しました。バンドがSNSで訃報を伝えています。

また、パティ・スミスの娘ジェシー・パリス・スミスによると、ヴァーレインは短期間病気を患った後、親友たちに囲まれながら安らかに亡くなったそうで、ジェシーの母パティ・スミスは、かつてヴァーレインの恋人でした。

ヴァーレインは1949年にニュージャージー州で生まれ、幼い頃からピアノやサックスを習い、10代でジャズを聴き、詩を書いていました。その後、ストーンズの影響でギターを弾き始めたヴァーレインは、70年代初期に友人のリチャード・ヘル、ビリー・フィッカとNYCへ移り、ザ・ネオン・ボーイズを結成。しかしながら短期間で解散に至り、1973年にセカンド・ギタリストのリチャード・ロイドを入れた4人でテレヴィジョンを結成しました。

その後、バンドはNYCのパンク・クラブ「CBGB's」や「マクシズ・カンサス・シティ」で名を馳せたものの、1975年にリチャード・ヘルが脱退し、後任としてフレッド・スミスが加入。バンドは1977年にようやくデビュー・アルバム『Marquee Moon』を発表し、翌年のセカンド・アルバム『Adventure』と共に高く評価されましたが、1978年にリチャード・ロイドの薬物問題などにより解散しました。

テレヴィジョン解散後、ソロに転向したヴァーレインは、1979年のデビュー・ソロ・アルバム『Tom Verlaine』をはじめ、2006年までに10枚のソロ・アルバムを発表したほか、時折テレヴィジョンのライヴで演奏し、バンド1992年のラスト・アルバム『Television』にも参加していました。

また、70年代に交際していたパティ・スミスとも頻繁にコラボレーションを行ない、スミス1975年のアルバム『Horses』や1996年の『Gone Again』、2000年の『Gung Ho』に参加しています。

ヴァーレインの訃報を受け、パティ・スミス、RHCPのフリー、R.E.M.のマイケル・スタイプをはじめとする多数のロッカーが追悼メッセージを発表しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。