ブラッド・スウェット＆ティアーズの新ドキュメンタリー、トレーラー公開

BS＆Tは、1969年のセカンド・アルバム『Blood, Sweat & Tears』が7週連続でUSチャートの第1位を記録し、同作は1970年のグラミー賞「最優秀アルバム賞」に輝きました。1969年のウッドストック・フェスティバルでヘッドライナーを務めた後、1970年5月～6月にかけて、アメリカ国務省が主催した東ヨーロッパ・ツアー「Iron Curtain」を行ないましたが、米国政府との提携がアンダーグラウンドのロック・ファンから不評を買い、バンドは批判に晒されました。

ツアーから帰国したバンドは、同年6月にサード・アルバム『Blood, Sweat & Tears 3』を発表したものの、アルバムのレヴューは、音楽よりもバンドと米国務省との関係に焦点が当てられ、マディソン・スクエア・ガーデンで公演を行なった際には、会場の外で左翼過激派がバンドのレコードとコンサートをボイコットする抗議活動を行なっていました。さらに、ラスヴェガスのシーザーズ・パレスで公演を行なうとした決定が利益目的だと批判され、イメージが悪化したバンドは、70年代半ばまでにファン、メディア、ブッキング・エージェント、レコード業界から支持を失いました。

53分に及ぶ本作は、米国務省、ニクソンのホワイトハウス、物議を醸した東ヨーロッパ・ツアーが絡んだ政治的なネズミの巣に、知らず知らずのうちに巻き込まれたBS&Tの姿と、これまで語られなかった驚くべきストーリーを描いているそうです。

本作は、2006年のドキュメンタリー映画『The U.S. vs. John Lennon』（邦題『PEACE BED アメリカ vs ジョン・レノン』）や、ジョン・コルトレーンの『Chasing Trane』（2016年）、ハーブ・アルパートのドキュメンタリー『Herb Alpert Is...』（2020年2月26日MLCニュース）などを手掛けたジョン・シェインフェルドが脚本、製作、監督を務めており、1970年の「Iron Curtain」ツアーで撮影したバンドの未公開映像と写真のほか、元BS＆Tのデヴィッド・クレイトン・トーマス、フレッド・リプシウス、ジム・フィールダー、ボビー・コロンビー、スティーヴ・カッツや、当時コロンビア・レコードの社長だったクライヴ・デイヴィスへの新たなインタヴューがフィーチャーされています。

また、最近発掘された「Iron Curtain」ツアーのライヴ音源10曲が、リマスター版サントラ・アルバムとして、4月21日にリリースされる予定です。