ブルース系ルーツ・ミュージックの老舗レーベル:アーフーリー・レコーズの創始者クリス・ストラックウィッツが91歳で死去

インディペンデント・ブルース・レーベル、アーフーリー・レコード(Arhoolie Records)の創始者、クリス・ストラックウィッツ(Chris Strachwitz)が5月5日、鬱血性心不全の合併症により91歳で死去しました。
アーフーリー財団が訃報を伝えており、ストラックウィッツはカリフォルニア州マリン郡の自宅にて、安らかに息を引き取ったそうです。
アーフーリー財団が訃報を伝えており、ストラックウィッツはカリフォルニア州マリン郡の自宅にて、安らかに息を引き取ったそうです。

1931年にドイツで生まれたストラックウィッツは、第二次世界大戦後の1947年に家族とアメリカに移住し、大学時代からライトニン・ホプキンスやハウリン・ウルフが出演するロサンゼルスのジャズ・クラブに通い、フットボール・ゲームの余興として、ジャズやR&Bアーティストのブッキングをしていました。
その後、1959年にライトニン・ホプキンスのレコードをリリースしようとテキサスを訪れたものの、資金不足のために実現せず、翌1960年にカリフォルニア州エルセリートにアーフーリー・レコードを設立し、第1弾としてブルース・ミュージシャンのマンス・リップスコムのデビュー・アルバム「Texas Sharecropper and Songster」をリリースしました。
また、R&Bシンガーのビッグ・ジョー・ターナーや、ローウェル・フルスンのアーカイヴ作品のリイシューも手掛けるようになり、ストラックウィッツが1966年にレコーディングしたカントリー・ジョー&ザ・フィッシュの「I Feel Like I’m Fixin’ To Die」は、カウンターカルチャーのアンセムになりました。
その後、アーフーリー・レコードは、チャーリー・マッセルホワイトやビッグ・ママ・ソーントンらの新作をリリースし、ブルーグラス、ザディコ(クレオール系黒人によるフォーク音楽)、ケイジャン、メキシカン・アメリカン・ミュージックなど、幅広いスタイルのルーツ・ミュージックもリリースし続けました。
ストラックウィッツは、1990年までに自宅やガレージ、教会などで録音された伝統的な地域特有の音楽を記録、保存、プロモーションすることでも知られ、63年後の現在も、アーフーリー・レコードと小売店の「ダウン・ホーム・ミュージック」は、上記の音楽を探求するメッカとして存在しています。
アーフーリー財団は、声明の中で次のように語っています。
「クリスは91年間にわたり、世界最高の “ダウン・ホーム・ミュージック” を代表する音楽を捉え、60年以上にわたり、ブルース、ザディコ、ケイジャン、ノルテーニョ(メキシコ北部の音楽)、テハノ(テキサス州のメキシコ国境付近のルーツ音楽)など、ほぼ全てのルーツ・リバイバルの最前線にいました。伝統音楽を記録しようとする彼の意欲は、アメリカ国民に多様な音楽遺産を紹介するのに役立ちました。彼には、記録しなければ失われていたかもしれない音楽を救う先見の明があり、彼が所有したレコード、映像、そして最近では アーフーリー財団を通じ、文化的伝統を強化する役割を果たしました。彼は周囲の人々を気遣い、所属アーティストの印税や正当な評価のために闘い、数えきれないほどのミュージシャン、作家、映画製作者、学者たちに助言を与えていました」
また、ボニー・レイットは、今年の秋に発売されるストラックウィッツのハードカヴァー本『Arhoolie Records’ Down Home Music:The Stories and Photographs of Chris Strachwitz』の中で、「クリス・ストラックウィッツほど、アメリカン・ルーツ・ミュージックの保存と認識に重要な人はいません」と綴っています。
なお、ストラックウィッツは1993年、ブルース・シンポジウムから生涯功績賞を授与され、1999年にパフォーマー以外のメンバーとして「ブルースの殿堂」入りを果たし、2016年のグラミー授賞式では、演奏以外の分野で音楽業界の発展に貢献した人物に贈られる「グラミー賞特別功労賞理事会賞(Trustee Award)」を受賞しています。
安らかなる眠りをお祈りいたします。
その後、1959年にライトニン・ホプキンスのレコードをリリースしようとテキサスを訪れたものの、資金不足のために実現せず、翌1960年にカリフォルニア州エルセリートにアーフーリー・レコードを設立し、第1弾としてブルース・ミュージシャンのマンス・リップスコムのデビュー・アルバム「Texas Sharecropper and Songster」をリリースしました。
また、R&Bシンガーのビッグ・ジョー・ターナーや、ローウェル・フルスンのアーカイヴ作品のリイシューも手掛けるようになり、ストラックウィッツが1966年にレコーディングしたカントリー・ジョー&ザ・フィッシュの「I Feel Like I’m Fixin’ To Die」は、カウンターカルチャーのアンセムになりました。
その後、アーフーリー・レコードは、チャーリー・マッセルホワイトやビッグ・ママ・ソーントンらの新作をリリースし、ブルーグラス、ザディコ(クレオール系黒人によるフォーク音楽)、ケイジャン、メキシカン・アメリカン・ミュージックなど、幅広いスタイルのルーツ・ミュージックもリリースし続けました。
ストラックウィッツは、1990年までに自宅やガレージ、教会などで録音された伝統的な地域特有の音楽を記録、保存、プロモーションすることでも知られ、63年後の現在も、アーフーリー・レコードと小売店の「ダウン・ホーム・ミュージック」は、上記の音楽を探求するメッカとして存在しています。
アーフーリー財団は、声明の中で次のように語っています。
「クリスは91年間にわたり、世界最高の “ダウン・ホーム・ミュージック” を代表する音楽を捉え、60年以上にわたり、ブルース、ザディコ、ケイジャン、ノルテーニョ(メキシコ北部の音楽)、テハノ(テキサス州のメキシコ国境付近のルーツ音楽)など、ほぼ全てのルーツ・リバイバルの最前線にいました。伝統音楽を記録しようとする彼の意欲は、アメリカ国民に多様な音楽遺産を紹介するのに役立ちました。彼には、記録しなければ失われていたかもしれない音楽を救う先見の明があり、彼が所有したレコード、映像、そして最近では アーフーリー財団を通じ、文化的伝統を強化する役割を果たしました。彼は周囲の人々を気遣い、所属アーティストの印税や正当な評価のために闘い、数えきれないほどのミュージシャン、作家、映画製作者、学者たちに助言を与えていました」
また、ボニー・レイットは、今年の秋に発売されるストラックウィッツのハードカヴァー本『Arhoolie Records’ Down Home Music:The Stories and Photographs of Chris Strachwitz』の中で、「クリス・ストラックウィッツほど、アメリカン・ルーツ・ミュージックの保存と認識に重要な人はいません」と綴っています。
なお、ストラックウィッツは1993年、ブルース・シンポジウムから生涯功績賞を授与され、1999年にパフォーマー以外のメンバーとして「ブルースの殿堂」入りを果たし、2016年のグラミー授賞式では、演奏以外の分野で音楽業界の発展に貢献した人物に贈られる「グラミー賞特別功労賞理事会賞(Trustee Award)」を受賞しています。
安らかなる眠りをお祈りいたします。

商品詳細
『Arhoolie Records Down Home Music:The Stories and Photographs of Chris Strachwitz』
Joel Selvin(著)、Chris Strachwitz(寄稿)
英語版/ハードカバー(2023/11/14)洋書
『Arhoolie Records Down Home Music:The Stories and Photographs of Chris Strachwitz』
Joel Selvin(著)、Chris Strachwitz(寄稿)
英語版/ハードカバー(2023/11/14)洋書


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