シカゴのパンク・バンド、エフィジーズのジョン・ケズディが64歳で死去

エフィジーズ、1985年のアルバム『Fly On A Wire』。左がスリーヴのフロント、右が裏側で、ジョン・ケズディは右端。

シカゴを拠点とするパンク・バンド、エフィジーズ（The Effigies）のフロントマン、ジョン・ケズディ（John Kezdy）が8月26日、自転車事故により64歳で死去しました。

グレンコー公安局の発表によると、ケズディは8月23日、シカゴ郊外のグレンコーで、自転車専用レーンに駐車していたアマゾンの配達用トラックの後部に衝突し、3日後の26日に搬送先の病院で亡くなったそうです。

1959年生まれのケズディは、子供時代からロックとパンクに夢中になり、ウィスコンシン大学に1年通った後、1980年にエフィジーズを結成しました。

キリング・ジョークやバズコックス、セックス・ピストルズらの影響を受けたバンドは、パンクとポスト・ハードコアを難なく表現し、当時数少ない地元のパンク・バンドの一つとしてシカゴで名を馳せました。

ケズディは、メロディックでありながらエネルギッシュなヴォーカルで地方政治や偽善行為、汚職について歌い、バンドは80年代に3枚のアルバムと2枚のEPをリリースした後、1990年に解散しましたが、2004年にケズディを含めた新ラインナップで再結成し、2007年にアルバム『Reside』を発表しました。

またケズディは、バンド解散前に大学へ戻り、1988年にノースウェスタン大学を卒業した後、1991年にデポール大学で法律の学位を取得し、イリノイ州カンカキーの州検事局で検察官として働いていました。

なお、ケズディは2022年7月4日、シカゴ郊外のハイランド・パークで、独立記念日のパレード中に起きた銃乱射事件に巻き込まれ、7人が死亡、40人以上が負傷した中で生き残った被害者の一人でした。

ケズディの訃報を受け、シカゴを拠点とするプロデューサー／ミュージシャンのスティーヴ・アルビニは、次のコメントを発表しています。

「ジョン・ケズディは僕のヒーローだった。エフィジーズは、シカゴのシーンから初めて誕生した偉大なバンドで、彼の厳格で宣言的なスタイルが一世代に影響を与え、彼は物質的な面で僕を助けてくれました。ジョンとエフィジーズがいなかったら、僕がレコードを作ることはなかったと言っても過言ではありません」

安らかなる眠りをお祈りいたします。