ブルーズ・シンガー/ギタリストのジョン・ハモンド死去

2月28日、ブルーズ・シンガーでギタリストのジョン・ハモンド(ジョン・P. ハモンドあるいはジョン・ハモンドJr.とも表記される)が亡くなりました。享年83。彼の死去は彼のコラボレーターであり近しい友人でもあったポール・ジェイムズが、自身のフェイスブックに、ハモンドの妻マーラから彼が亡くなった旨の連絡があったとポストして明らかになりました。死因については現時点では明かされていません。
コロンビア・レコードの著名なプロデューサーでタレント・スカウトの、同じジョンという名を持つ父の息子として生まれたハモンドは、ハイスクール時代にギターに魅了され、トラディショナル・スタイルのアコースティック・ブルーズを演奏するようになります。オハイオ州にあるアンティオック・カレッジを中退した後プロになり、1963年にヴァンガード・レコードと契約を結びます。デビュー・アルバムの収録曲の大部分はマディ・ウォーターズやライトニン・ホプキンス、ロバート・ジョンソンらの楽曲に彼なりの解釈を加えたもので、チャック・ベリーの「Maybellene」もフィーチャーされていました。ハーモニカもこなしたハモンドは、その長いキャリアの中で30作以上のアルバムをリリースし、概ね自身の好んだブルーズ・スタイルを貫きましたが、2001年の『Wicked Grin』だけは、トム・ウェイツの曲のカヴァーのみで構成された異色の作品でした。

1942年11月13日、ニューヨーク・シティに生まれたジョン・ポール・ハモンドは、ジェミソン・マクブライドとジョン・ヘンリー・ハモンドJr.の息子です。父のジョン──息子のジョンは両親の離婚後は母親に引き取られたため、彼と暮らすことはなく、不定期に顔を合わす程度だった模様──は、アーティスト発掘とプロモーションにかけては極めて有能であったことで業界内ではつとに知られており、ベニー・グッドマン、カウント・ベイシー、ビリー・ホリデイ、ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーン、アレサ・フランクリン、スティーヴィー・レイ・ヴォーン等々、錚々たるミュージシャンたちを世に出し、功績を挙げた人物でした。

ジョンJr. は数年間ヴァンガード・レコードに在籍してレコードを出し、その後も多くのレーベルを転々としました。そのキャリアの大部分でアコースティック・ギターを好んで使用していたもの──彼が頻繁に使っていたのは米ナショナル社のリゾネーター・ギター──60年代半ば頃からエレクトリック・ギターも使用していました。彼の1965年のアルバム『So Many Roads』には、ギタリストのマイク・ブルームフィールドがフィーチャーされており、更に当時はロニー・ホーキンス・グループにいましたが、それから間もなくザ・バンドのメンバーとして頭角を表すことになるロビー・ロバートソン、ガース・ハドソン、リヴォン・ヘルムの3人も参加していました。またこの時期、ハモンドはデュアン・オールマン、ジミ・ヘンドリックス(有名になる前にほんの少しだけハモンドのバンドでプレイしていたことがある)、エリック・クラプトンらと仲良くなり、時には一緒にレコーディングをしたりもしていました。1973年、ハモンドはブルームフィールドとDr.ジョンと共に、アルバム『Triumvirate』(邦題『三頭政治』)をレコーディングしています。

ハモンドは1985年にコンピレーション・アルバム『Blues Explosion』でのパフォーマンスによりグラミー賞を獲得しており、そのキャリアを通じて他部門でも度々候補に挙がったことがありました。また、ブルーズ・ミュージック・アウォードを8度受賞しており、それに加えてノミネーション経験は10度に及んでいます。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
First-ever filmed interview with Blues singer John Hammond Jr. (1963)
7.15.83 John Hammond: Live Montreaux Jazz Festival Montreux, Switzerland
John Lee Hooker and John Hammond Jr [1992]
ONE ON ONE: John Hammond August 10th, 2016 City Winery New York Full Session
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