フリー・ジャズの巨匠、カーラ・ブレイが87歳で死去

ジャズ・ピアニスト/作曲家のカーラ・ブレイ(Carla Bley)が10月17日、87歳で死去しました。
彼女の訃報は、長年にわたりコラボレター/ベーシストを務めた夫のスティーヴ・スワローが伝えており、カーラは脳腫瘍の合併症により亡くなったそうです。

1936年にカリフォルニア州オークランドに生まれたカーラは、50年代にニューヨークへ移り、有名なジャズ・クラブ「バードランド」でタバコ売りとして働いていた時に、ジャズ・ピアニストのポール・ブレイと出会い結婚しました。夫婦はツアーを共にし、カーラはオリジナル曲を書き始め、ポール・ブレイが1964年に発表したアルバム『Barrage』には、全曲カーラのオリジナル曲が収録されていました。
しかしながら二人は1967年に離婚し、カーラは1971年、代表作となるジャズ・オペラ・アルバム『Escalator Over the Hill』を発表し、同作にはジャック・ブルース、リンダ・ロンシュタット、チャーリー・ヘイデンをはじめとする多数のミュージシャンが参加していました。
またカーラは、バンドリーダーとして自身のアルバムを発表しただけでなく、ピンク・フロイドのニック・メイスンが1981年にリリースしたソロ・デビュー・アルバム『Nick Mason’s Fictious Sports』にも参加し、全収録曲を作曲/共同プロデュースしました。
ミュージシャンとしての活動以外には、JCOAレコードやWATTといった複数レーベルを立ち上げ、ドン・チェリーやセシル・テイラーらの作品をリリースしました。
1972年には、マイケル・マントラー(2番目の夫・トランぺッター)と共に、NYCを拠点とする非営利のレコード・ディストリビューター、ニュー・ミュージック・ディストリビューション・サーヴィスを設立し、1990年までJCOAやECM、その他のレーベルとより多くの視聴者を結びつけることに貢献していました。
なお、カーラは1972年、作曲における優れた能力を認められ、グッゲンハイム・フェローシップ(グッゲンハイム記念財団からの助成金)を授与されています。
安らかなる眠りをお祈りいたします。


カーラ・ブレイ
『セクステット』
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カーラ・ブレイ
『Life Goes on』
・Amazon Music・MP3(EB 14 2020)¥2,100
・CD(2020/2/14)輸入盤
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