米パワー・ポップのシンガー／ソングライター、ドワイト・トゥイリーが72歳で死去

ファースト・ソロ『Twilley』（Arista：1979）。左がジャケ、右が正面のポートレートを大きくあしらった裏ジャケ。

米パワー・ポップの伝説的シンガー／ソングライター、ドワイト・トゥイリー（Dwight Twilley）が10月18日、72歳で死去しました。

『タルサ・ワールド』紙によると、トゥイリーは10月14日、運転中に脳卒中を起こしたために車が木に激突し、搬送先の病院で4日後に亡くなったそうです。

トゥイリーは1951年にオクラホマ州のタルサで生まれ、1967年にシンガー／ソングライターのフィル・シーモアと出会い、一緒に曲を書き始めました。二人は、レコード契約を得るためにメンフィスのサン・レコードを訪れましたが断られ、その後ロサンゼルスに向かい、1974年にレオン・ラッセルが共同所有していたシェルター・レコードと契約を結びました。

二人は、「ドワイト・トゥイリー・バンド」として1975年にデビュー・シングル「I’m On Fire」を発表し、この曲は同年のUSチャートで16位を記録する大ヒットになりましたが、同曲を収録した1976年のデビュー・アルバム『Sincerely』を含め、その後のアルバムはレーベルの失策などにより大きな成功に恵まれず、シーモアが1978年に脱退し、トゥイリーはソロとして活動を続けました。

トゥイリーは、1979年にソロ・デビュー・アルバム『Twilley』を発表した後、1982年にセカンド・アルバム『Scuba Divers』をリリースし、1984年のサード・アルバム『Jungle』には、シェルター・レコード時代の友人トム・ぺティがヴォーカルに参加した「Girl」がフィーチャーされ、この曲が10年ぶりにヒットしました。

またトゥイリーは、トム・ぺティ＆ザ・ハートブレイカーズ1976年のデビュー・アルバム『Tom Petty and the Heartbreakers』に参加し、収録曲「Strangered in the Night」でバック・ヴォーカルを務めていました。

なお、10月12日のMLCニュースでお伝えしたように、70年代のパワー・ポップ76曲を3CDにまとめた新コンピレーション・アルバム『Looking For the Magic – American Power Pop in the Seventies』が11月17日にリリースされることになり、同作のタイトルは、ドワイト・トゥイリー・バンド1977年のセカンド・アルバム『Twilley Don’t Mind』に収録された「Looking For The Magic」に因んでいます。

安らかなる眠りをお祈りいたします。