ファンク・ロック・ベーシスト、T.M. スティーヴンスが72歳で死去

ジェイムズ・ブラウンやティナ・ターナー、ビリー・ジョエルらのセッション・ベーシストを務め、ソロとしても活動していたT.M.スティーヴンス（T.M. Stevens）が3月10日、72歳で死去しました。

スティーヴンスと共演したパフォーマンス・アーティストのキャリー・ビーハンが訃報を伝えており、スティーヴンスは先月、肺に血栓ができたため入院していたそうです。

1951年にNYCのブロンクスで生まれたスティーヴンスは、幼少期にジェイムズ・ブラウンの影響を受け、学校で生物学を勉強していましたが音楽に専念するため中退し、NYCのクラブで演奏し始めました。

70年代にベーシストとしてキャリアをスタートさせたスティーヴンスは、1978年にマイルス・デイヴィスのレコーディング・セッションに参加した後、スペース・キャデッツ1981年のアルバム『Space Cadets』をリリース。1986年～1987年にはプリテンダーズにベーシストとして在籍し、バンド1986年のアルバム『Get Close』に参加、その後1993年にスティーヴ・ヴァイのバンド、Vaiのサード・アルバム『Sex ＆Religion』で演奏し、プロモーション活動も行ないました。

またスティーヴンスは、1995年の初ソロ・アルバム『Boom』から2007年の『Africans in the Snow』に至るまで、7枚のソロ・アルバムをリリースし、1997年にプロデュース／編曲を手掛けたディープ・パープルのトリビュート・アルバム『Black Night – Deep Purple Tribute According to New York』では、全11曲のうち7曲で演奏していました。

そのほか、ブーツィー・コリンズ、ジェイムズ・ブラウン、ジョー・コッカー、シンディ・ローパー、ティナ・ターナー、ナラダ・マイケル・ウォルデン、ビリー・ジョエルらともレコーディングやツアーを行なっていましたが、ミュージシャン仲間のロニー・ドレイトンは2017年、スティーヴンスが進行性の認知症を患い、介護施設に入居していることをSNSで発表していました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。