はちみつぱいはじめソロとしても活動したミュージシャン、渡辺 勝が死去

はちみつぱいやアーリータイムス・ストリングス・バンド、そしてソロとして活動していたミュージシャン、渡辺勝が死去しました。晩年共に活動した松倉如子がツイッターで氏の他界を報告しています。
渡辺 勝(わたなべ まさる)、1950年8月1日神奈川県生まれ。駒場東邦高校から立教大学へ進学し、"OPUS" という音楽サークルに所属。ここで後のはちみつぱい〜ムーンライダーズの岡田徹、武川雅寛や、アーリータイムス・ストリングス・バンドやキリギリスで共に活動することになる竹田裕美子らと出会う。間も無く同サークルで知り合った斉藤哲夫(明治学院大学)のレコーディングや、70年6月発売の岡林信康のセカンド・アルバム『見る前に跳べ』でオルガン・ピアノを担当してその後のツアーにも参加し、キャリアをスタートさせた。同じ年、あがた森魚や鈴木慶一とも知り合い、8月には "蜂蜜ぱい"(後に “はちみつぱい” に改名)としての活動がスタート。短期間ながら正式メンバーにもなる。

その後まもなく渡辺は吉祥寺に家を借り、仲間内でそこは “お化け屋敷” と呼ばれることに。はちみつぱいと並行して渡辺が中心となって活動を始めるアーリータイムス・ストリングス・バンドは、その “お化け屋敷” で結成したといわれる。はちみつぱいの方は、デビュー作にして唯一のアルバム『センチメンタル通り』制作中の72年9月にグループを脱退(アルバムは渡辺作の楽曲も収録して、73年10月にリリースされた)。同時に、斉藤哲夫、加川良、あがた森魚、なぎらけんいちらのセッションにも参加していた。

さらにザ・ディランセカンド、三上寛作品にも協力、アーリータイムス・ストリングス・バンドでは1973年にシングル「鐘の鳴る丘待ちぼうけ」をリリース。当時このグループとしてのリリースはこれ限りで、その年末には解散へ(6年を経てようやく500枚限定の自主制作盤『Early Times Strings Band Vol.1』が発表された)。

自分名義の作品としては、1976年に本ページトップ画像の『僕は白い雲』、1977年に『HELLO』を発表。80年代には作品のリリースはなかったが、90〜2000年代にかけてはオリジナル作品だけでなく、ジョイント・アルバム、ジョイント・ライヴ・アルバム、さらにソロ・ピアノでのライヴや発掘ライヴ音源などをコンスタントにリリースしてきた。一方で1988年にははちみつぱいの「ラスト・ライヴ」に参加したり、90年代には早川義夫のライヴにギタリストとして参加、アーリータイムス・ストリングス・バンドとしても活動。さらに演者としてだけでなく、編曲者としても数多くの楽曲を手がけた。

松倉如子とは2006年に出会い、以後二人でデュオ “おまつとまさる氏” としても活動。そして6月30日、相方・松倉如子がXでの上掲ポストで逝去を報告するに至る。渡辺の他界を受け、はちみつぱいで共に活動した鈴木慶一も、追悼メッセージをポストしている。

安らかなる眠りをお祈りいたいます。

YouTubeチャンネル/渡辺勝の音楽と生活
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