スティーラーズ・ホイールの創設メンバー、ジョー・イーガンが77歳で死去

Joe Egan『Out Of Nowhere』(Ariora:1979)

ジェリー・ラファティとスティーラーズ・ホイール(Stealers Wheel)を結成したスコットランドのシンガー/ソングライター、ジョー・イーガン(Joe Egan)が7月6日、77歳で死去しました。

イーガンの訃報は、故ジェリー・ラファティの娘が運営するFacebookページで伝えられています。

「とても悲しいお知らせですが、スティーラーズ・ホイールの片割れだったジョー・イーガンが昨日の午後、近親者に見守られながら静かに息を引き取りました。優しく穏やかな人として、彼を忘れることはないでしょう。ご冥福をお祈りします」
1946年にスコットランドのペイズリーで生まれたイーガンは、1972年にラファティとフォーク・ロック・バンドのスティーラーズ・ホイールを結成し、同年デビュー・アルバム『Stealers Wheel』を発表しました。しかしながら、アルバムのリリース前にラファティが脱退しました。

このアルバムから、二人が共作した「Stuck in the Middle With You」が全米と全英チャートでトップ10ヒットになり、この曲は後に、クエンティン・タランティーノが監督した1992年の映画『レザボア・ドッグス』のサントラに起用されました。

同曲の成功はラファティ復帰の要因になり、アルバムは批評家から高評価を得ましたが商業的には成功せず、バンドは1973年のセカンド・アルバム『Ferguslie Park』と1975年のサード・アルバム『Right or Wrong』を発表した後、解散しました。

2008年には短期間の再結成があったものの、イーガンもラファティも参加せず、1978年にソロ曲「Baker Street」(邦題「霧のベイカー・ストリート」)が大ヒットしたラファティは、2011年に63歳で死去しました。

バンド解散後のイーガンは、1979年と1981年に2枚のソロ・アルバム『Out of Nowhere』と『Map』をリリースしましたが、90年代に音楽業界から去り、ペイズリー近郊の自宅にて出版業を営んでいると報じられていました。

2011年にラファティが死去した直後、イーガンは『ペイズリー・デイリー・エクスプレス』に次のように語っていました。

「僕らは長い間、お互いに依存して生きていたんだ。晩年には定期的に電話で話していた。ジェリーは僕より6か月年上で、学校では1学年上だった。僕はジェリーと同じように、いつも音楽に興味があったけど、サッカーにも熱中していて、選手として成功したいと思った時期もあった。

でも、自分が実際よりも優れていると思っていたことが明らかになり、自分の音楽に全力を注いだ時に、ジェリーと初めて集まるようになったんだ。その後、僕らはラブ・ノークスとアメリカ人のロジャー・ブラウンとスティーラーズ・ホイールを結成したけど、時とともにメンバーが変わり、最終的に最後の2枚のアルバムを録音したのは、ジェリーと僕だけだった。連絡を取り合っていたのに再結成しなかったのは、あまりに長い間お互いに依存して生きていたから、その後遺症のせいだと思う」

安らかなる眠りをお祈りいたします。
商品詳細
Steeleye Span
『Hark! The Village Wait』


Amazon Music・MP3(JUN 01 1970)¥1,400
商品詳細
Yusuf / Cat Stevens
『Teaser and The Firecat Deluxe Edition』


2CDs(2021/11/19)輸入盤
商品詳細
フェアポート・コンベンション 
『Fairport Convention 50:50@50』


Amazon Music・MP3(MAR 10 2017)¥1,500
CD(2017/6/9)輸入盤
この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

英国フォーク・ロックの興亡

英国フォーク・ロックの興亡

2,200円
ヴォイセズ・オブ・アイルランド アイリッシュ・ミュージックとの出会い

ヴォイセズ・オブ・アイルランド アイリッシュ・ミュージックとの出会い

2,420円
CROSSBEAT Presents ベル・アンド・セバスチャンとスコティッシュ・ポップ

CROSSBEAT Presents ベル・アンド・セバスチャンとスコティッシュ・ポップ

1,430円
ぼくのアメリカ音楽漂流~鈴木カツ ライナーノーツ集

ぼくのアメリカ音楽漂流~鈴木カツ ライナーノーツ集

2,420円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ