米シンガー/ソングライター、デイヴ・ロギンスが76歳で死去

1974年のヒット曲「Please Come To Boston」や、マスターズ・ゴルフのテーマ曲「Augusta」で知られる米シンガー/ソングライターで、ケニー・ロギンスの “はとこ” にあたるデイヴ・ロギンス(Dave Loggins)が7月10日、ナッシュヴィルのホスピスにて76歳で死去しました。

ナッシュヴィルの『テネシアン』紙(The Tennessean)が訃報を伝えており、カントリー・ミュージック・バンドのソーヤー・ブラウン(Sawyer Brown)が追悼文を発表しています。

「私たちの友人デイヴ・ロギンスの訃報を聞き、悲しんでいます。“Please Come To Boston”は、我々が大好きな曲でした。それゆえ、私たちの音楽的ヒーローだったデイヴと『Can You Hear Me Now』(ソーヤー・ブラウン2002年のアルバム)を作れたことがどれだけ嬉しかったか、想像できるかと思います。そして、彼が「(This Thing Called)Wantin’ and Havin’ It All」(ソーヤ・ブラウン1995年の同名アルバム収録)を書き、私たちに届けてくれた時は心から感動し、本当にありがたいことでした。彼のご家族に愛と祈りを送ると共に、感謝の気持ちを込めて友人を偲びたいと思います」
 
1947年にテネシー州の山岳地帯シェイディ・ヴァレーで生まれ育ったロギンスは、高校時代からギターを弾き、作曲を始めました。プロのミュージシャンを目指しながら、当初は金属商社の製図工や保険のセールスマンとして生計を立てていましたが、1970年にチャンスをつかみ、ナッシュヴィルに移住しました。

1972年にリリースしたデビュー・アルバム『Personal Belongings』から、同年後半にスリー・ドッグ・ナイトがカヴァーしたアルバム収録曲「Pieces of April」がトップ20入りを果たし、1974年のセカンド・アルバム『Apprentice(In a Musical Workshop)』では、代表曲となる「Please Come to Boston」がチャートの5位に輝き、同曲はグラミー賞の最優秀男性ヴォーカル・パフォーマンス賞にノミネートされました。しかしながら、その後リリースした3枚のアルバムがチャート入りを果たせず、ロギンスはカントリー・ソングライターとしてキャリアを立て直すことになりました。

ロンギンスは80年代から90年代にかけて、アラバマ、ケニー・ロジャース、ドン・ウィリアムズ、レストレス・ハート、リーバ・マッキンタイア、ゲイリー・モリス、ワイノナ・ジャッドらがレコーディングした一連のNo.1カントリー・ヒット曲を手掛け、1987年にはASCAP(全米作曲家作詞家出版社協会)の最優秀ソングライター賞を受賞、その後もリー・アン・ウォマックや、ウィリー・ネルソンらにヒット曲を提供し続けました。

1981年には「Augusta」という曲を書き、同曲は毎年開催されるマスターズ・ゴルフ・トーナメントのテーマ曲として長年使用され続け、ロギンスの最も有名な曲になりました。

また、無所属のレコーディング・アーティストでもあったロギンスは、1984年にアン・マレーとレコーディングしたデュエット曲「Nobody Loves Me Like You Do」が全米カントリー・チャートで第1位を獲得し、翌1985年のCMA最優秀ヴォーカル・デュオ賞を受賞しました。

ロギンスは1995年、「ナッシュヴィル・ソングライターの殿堂」入りを果たしています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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