【特別企画・インタヴュー by 朝日順子】
『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』監督マイケル・トゥーリン・インタヴュー
9月6日(金)公開映画『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』日本公開にあたり、本作の監督・脚本・製作を務めたマイケル・トゥーリン氏にインタヴュー取材ができるというお話をいただきました。でもって映画のクレジットを見てみると、字幕監修にピーター・バラカン氏とともに朝日順子さんのお名前が!──MLCではこれまでに二度にわたって書き下ろしで連載を執筆、大変仲良くしていただいており、しかも英国ロックに通じ本作の隅々までご存知ということであらば朝日さん以外に誰がいる!とばかりにお願いしてみると、即ご快諾。いつもどうもありがとうございます!
そしてその結果がこちら──監督のシンプルな本音から、制作の過程でずぶずぶとニッキー・ホプキンズの深みにはまっていく様子、そして何より浮かび上がってくる「ニッキー・ホプキンズ」という人物の仕事ぶり・人柄の素晴らしさ! 合言葉のように繰り返される、関係者の「ニッキーのためなら」の言葉に、これまで好きだった彼が演奏に携わった楽曲が、そしてこの映画そのものがさらなる彩りを纏うこと請け合いです。
なお、MLCでは会員限定で本作のご招待券プレゼント実施中。ご応募まだの方はお早めに!
●関連ニュース
PRESENT|MOVIE|MUSIC・2024.08.23
【プレゼント】9月公開映画『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』にペアで3組6名様ご招待!【MLC会員限定】
そしてその結果がこちら──監督のシンプルな本音から、制作の過程でずぶずぶとニッキー・ホプキンズの深みにはまっていく様子、そして何より浮かび上がってくる「ニッキー・ホプキンズ」という人物の仕事ぶり・人柄の素晴らしさ! 合言葉のように繰り返される、関係者の「ニッキーのためなら」の言葉に、これまで好きだった彼が演奏に携わった楽曲が、そしてこの映画そのものがさらなる彩りを纏うこと請け合いです。
なお、MLCでは会員限定で本作のご招待券プレゼント実施中。ご応募まだの方はお早めに!
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【プレゼント】9月公開映画『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』にペアで3組6名様ご招待!【MLC会員限定】
PRESENT|MOVIE|MUSIC・2024.08.26
9月公開映画『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』、マーティ・フリードマン、モーガン・フィッシャーの コメント&予告編+場面写真多数解禁!9月6日より全国で公開される『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』で、監督・脚本・製作を務めたマイケル・トゥーリンさんにインタビューをしました。英語では「アルバムのジャケット裏をよく読んでいる」という言い方をしますが、世界に誇るライナーノーツ文化を持つ日本では、60年代から数多くの名盤に参加したニッキー・ホプキンズの知名度は諸外国に比べて高いのです。セッションマンだったニッキー・ホプキンズ自身の代表作『The Tin Man Was a Dreamer』(73年。邦題『夢みるひと』)が世界で初めてCD化されたのも、ここ日本でした。ワールド・プレミアの知らせに、日本のロック・ファンから大きな反響をいただいていると監督に知らせると、とても喜んでいました。病をはじめ、数々の困難を経験しながらも誠実に仕事をこなしたニッキーと、その仕事ぶりを昨日のことのように誠実な言葉で語るロックスターたち。過度にドラマチックに描くのではなく、観客と対話するように本作を作ったと語る監督も、非常に誠実なお人柄でした。それでは、インタビューをお読みください。
朝日順子
本作は彼の音楽を中心に描きました
──お手元にあるジュリアン・ドーソンの書いたニッキー・ホプキンズの伝記『And on Piano Nicky Hopkins: The Extraordinary Life of Rock's Greatest Session Man』を読みましたが、ニッキーの手がけた仕事は幅広く、短い人生ながら同時にいくつものことをこなしています。彼のキャリアを一本の映画にするにあたって、どこに焦点を当てようと思いましたか?
──お手元にあるジュリアン・ドーソンの書いたニッキー・ホプキンズの伝記『And on Piano Nicky Hopkins: The Extraordinary Life of Rock's Greatest Session Man』を読みましたが、ニッキーの手がけた仕事は幅広く、短い人生ながら同時にいくつものことをこなしています。彼のキャリアを一本の映画にするにあたって、どこに焦点を当てようと思いましたか?
「大事なことを見失わずにシンプルにするよう心がけました。ロック・ミュージシャンの物語といえば、みんなセックスやドラッグ絡みの話を期待し、肝心の音楽が忘れられている場合も多いのです。ニッキーは人間で、ヒーローではありませんでしたが、本作は彼の音楽を中心に描きました。例えばローリング・ストーンズの項は、4回編集し直し、その度にストーンズの物語ではないと自分に言い聞かせました」
──自分ではなくニッキーの音楽に光を当てた、キース・リチャーズの語りは素晴らしいですね。曲作りでもニッキーがあれほど貢献しているとは知りませんでした。
「それについては、ビル・ワイマンも同じことを言っています。ストーンズやニッキーと仕事をしたことがあるクリス・キムゼイと繋がった縁で、彼の指導者でもあったグリン・ジョンズやビルが出演してくれました」
(『イマジン』制作中のジョンとニッキーの映像を)
ヨーコはニッキーが大好きだからと、破格の値段で使用を許可してくれました
ヨーコはニッキーが大好きだからと、破格の値段で使用を許可してくれました
──ジョン・レノンの映像の許諾を取るのは難しかったですか?
「出演者を集めるためにまず、プロモ・ビデオを作ってYouTubeで公開しました。それを見たジョンとヨーコ・オノの会社から、勝手に映像を使うなと連絡がありました。謝罪とともに『イマジン』制作中のジョンとニッキーの映像を使わせてくれないかと改めてお願いすると、ヨーコはニッキーが大好きだからと、破格の値段で使用を許可してくれました。それだけでなく、ジム・ケルトナーに電話して出演の依頼までしてくれたのです」
──ニッキーの映像自体少ないから貴重ですね。ライヴ映像でも体の一部しか映らない場合も多いですし。ミック・ジャガーの映像はどこから?
「プロモ・ビデオを見たスウェーデンのとある人物が、ミックにインタビューした際に、終わってからニッキーのことを話していたと、映像を送ってくれました。使用料はいくらですかと聞くと、タダでいいよと。ドイツでグレアム・パーカーと出演した『ロックパラスト』の映像も、番組責任者もグレアムもニッキーの大ファンだからと無料で使わせてくれたんですよ」
ザ・フーのピート・タウンゼント
「音楽監督も務めたニッキーの力なしでは、『トミー』は完成しなかった」
「音楽監督も務めたニッキーの力なしでは、『トミー』は完成しなかった」
──何年も前にニッキーのSNSで記念のベンチを作る企画を知り、その後ドキュメンタリーの制作開始も発表になりました。その間、様々な素晴らしいことが起こっていたのですね。ミックのインタヴュー映像は本邦初公開ということですか?
「そうです。ザ・フーのピート・タウンゼントに関しては、音声だけなら、とカメラの前に立ってくれました。本作には入れられませんでしたが、音楽監督も務めたニッキーの力なしでは、『トミー』は完成しなかったと語っていました」
──ニッキーがウイングスのオーディションを受けた話が出てきますが、詳しく教えていただけますか?
「確かニッキーの妻モイラが教えてくれたと思います。彼女の話では、ポール・マッカートニーはニッキーを非常に高く評価していました。モイラの言うようにリンダがいたから加入が実現しなかったのかもしれませんが、確かなことは分からないのです。例えば『イマジン』の表題曲のピアノをニッキーではなくジョンが弾いたのは、ヨーコが希望したからという説があります。当初ナレーションもそうなっていましたが、ヨーコに見せると、あれはジョンの提案だから修正してくれと言われました。どちらにしてもニッキーは気にしていなかったと思います。ゴシップを求める人は多いですが、同じようにポールとの間にも、何もわだかまりは無かったはずです」
──有名なスーパースターと、そこまで知られていないサイドマンを映画にする場合には、作り方に違いがあると思います。本作は説明過多に陥ることなく、ニッキーの演奏に対する出演者の愛も自然に伝わってきますね。
「様々なインタビューを使ってやろうとしたのは、教えるのではなく、観る人の理解の助けになることです。言葉を相手にぶつけることと、対話することは違います」
彼がピアノを弾くと、あまりの上手さにみんな動きを止めて聞き入るのです
──落ち着きとエネルギーを併せ持つニッキーのプレイや性格に、映画の見せ方が合っているように思います。
「ニッキーは静かな人で、そこに共感できました。控えめで前に出たがりませんでしたが、彼がピアノを弾くと、あまりの上手さにみんな動きを止めて聞き入るのです。何を求められているか周りを見て、それを提供することができました。音楽家としても人間としても、興味は尽きないです」
──以前アメリカの映画『レッキング・クルー 伝説のミュージシャンたち』が公開され、日本でも話題になりました。本作により、音楽が日々の現実であるセッション・ミュージシャンに対する関心が、さらに高まるのではないでしょうか。
「そう思います。何年も前にBBCで働いていたころ、戦争の映像を見せながら、現場でカメラを回していたカメラマンが、その時どんな感情を抱いていたか、舞台裏を語ってもらう企画を思いつきました。結局実現しませんでしたが、その数年後に同じコンセプトの番組が放映され、大反響を呼びました。そういうことですよね」
我々の映画は、《“THE” Session Man》であると考えています
──映画のタイトルに関する質問です。”The Session Man” は、キンクスの曲 ”Session Man”(注:ニッキーが参加している曲で、歌詞は一部彼をイメージして書かれたと言われている)から取られたのでしょうか?
「最初の頃にみんなで様々なタイトルを思いつきましたが、あの曲が話題に上ることはなかったと思います。ニッキーは何で一番知られているのか? 彼は何をやったのか?を考えました。《セッション・マン》という言い方と、《ザ・セッション・マン》という言い方があります(注:「ザ」が付くと「唯一無二」の意味になる)。我々の映画は、《”THE” Session Man》であると考えています。9月25日の北米公開時には、私とピーター・フランプトンとクリス・キムゼイでQ&Aセッションをして、デイヴ・デイヴィスやピート・タウンゼントも参加する予定です」
クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス、右端がニッキー。
1969年に加入、短期間だが正式にメンバーとして活動した。
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〈現在までに決まっている上映館〉
青森県:青森松竹アムゼ(近日公開)
栃木県:小山シネマロブレ(9月6日〜)
栃木県:宇都宮ヒカリ座(9月20日〜)
東京都:池袋シネマ・ロサ(9月6日〜)
東京都:アップリンク吉祥寺(9月6日〜)
神奈川県:シネマジャック&ベティ(近日公開)
群馬県:シネマテークたかさき(近日公開)
富山県:ほとり座(近日公開)
静岡県:シネマイーラ(10月25日〜)
愛知県:ナゴヤキネマ・ノイ(近日公開)
大阪府:テアトル梅田(9月6日〜)
京都府:アップリンク京都(9月6日〜)
兵庫県:シネ・リーブル神戸(9月6日〜)
兵庫県:洲本オリオン(10月4日〜)
岡山県:シネマ・クレール(近日公開)
広島県:横川シネマ(近日公開)
沖縄県:桜坂劇場(近日公開)
沖縄県:ミュージックタウン音市場(近日公開)
青森県:青森松竹アムゼ(近日公開)
栃木県:小山シネマロブレ(9月6日〜)
栃木県:宇都宮ヒカリ座(9月20日〜)
東京都:池袋シネマ・ロサ(9月6日〜)
東京都:アップリンク吉祥寺(9月6日〜)
神奈川県:シネマジャック&ベティ(近日公開)
群馬県:シネマテークたかさき(近日公開)
富山県:ほとり座(近日公開)
静岡県:シネマイーラ(10月25日〜)
愛知県:ナゴヤキネマ・ノイ(近日公開)
大阪府:テアトル梅田(9月6日〜)
京都府:アップリンク京都(9月6日〜)
兵庫県:シネ・リーブル神戸(9月6日〜)
兵庫県:洲本オリオン(10月4日〜)
岡山県:シネマ・クレール(近日公開)
広島県:横川シネマ(近日公開)
沖縄県:桜坂劇場(近日公開)
沖縄県:ミュージックタウン音市場(近日公開)
●〈あらすじ〉
ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フー、ザ・キンクス、ジェフ・ベックをはじめとする60年代~70年代に数多くのアーティストのレコーディングに参加した伝説のセッション・ピアニスト、ニッキー・ホプキンズ。ザ・ビートルズのメンバー全員のソロ・アルバムにも参加した稀有な存在である彼は、素晴らしいピアノリフと音楽センスで多くのミュージャンを魅了し、250枚を超えるアルバムと膨大な数のシングル・リリースに貢献した。しかし、この若き天才ピアニストの活躍は病との闘いでもあった。1963年、病院に緊急搬送されたニッキーはクローン病と診断される。闘病生活を送りながらも、30年以上にわたるロック人生において数々のミュージャンと共演し愛された “最高のセッション・マン” の物語を、彼を知る仲間たちが語る。
ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フー、ザ・キンクス、ジェフ・ベックをはじめとする60年代~70年代に数多くのアーティストのレコーディングに参加した伝説のセッション・ピアニスト、ニッキー・ホプキンズ。ザ・ビートルズのメンバー全員のソロ・アルバムにも参加した稀有な存在である彼は、素晴らしいピアノリフと音楽センスで多くのミュージャンを魅了し、250枚を超えるアルバムと膨大な数のシングル・リリースに貢献した。しかし、この若き天才ピアニストの活躍は病との闘いでもあった。1963年、病院に緊急搬送されたニッキーはクローン病と診断される。闘病生活を送りながらも、30年以上にわたるロック人生において数々のミュージャンと共演し愛された “最高のセッション・マン” の物語を、彼を知る仲間たちが語る。
・出演:ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ビル・ワイマン(ザ・ローリング・ストーンズ)、ピーター・フランプトン、ピート・タウンゼント(声/ザ・フー)、デイヴ・デイヴィス(ザ・キンクス)、ニルス・ロフグレン、ベンモント・テンチ(トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ)、チャック・リーヴェル、テリー・リード、グレアム・パーカー、P.P.アーノルド、モーガン・フィッシャー、ハリー・シアラー、モイラ・ホプキンズ
(アーカイヴ映像)ニッキー・ホプキンズ、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、アート・ガーファンクル
・監督・脚本・製作:マイケル・トゥーリン
・製作総指揮:フランク・トルチア
・共同プロデューサー:マイク・シャーマン、ジョン・ウッド
・撮影監督:ルーク・パーマー
・編集:アシュリー・スコット
・ナレーター:ボブ・ハリス
・字幕監修:ピーター・バラカン/朝日順子
・原題:“The Session Man”
・配給:NEGA
2023年/イギリス/90分/カラー/16:9/HD/5.1ch/英語
© THE SESSION MAN LIMITED 2024
・公式サイト
・公式X
・公式Facebook
© THE SESSION MAN LIMITED 2024
(アーカイヴ映像)ニッキー・ホプキンズ、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、アート・ガーファンクル
・監督・脚本・製作:マイケル・トゥーリン
・製作総指揮:フランク・トルチア
・共同プロデューサー:マイク・シャーマン、ジョン・ウッド
・撮影監督:ルーク・パーマー
・編集:アシュリー・スコット
・ナレーター:ボブ・ハリス
・字幕監修:ピーター・バラカン/朝日順子
・原題:“The Session Man”
・配給:NEGA
2023年/イギリス/90分/カラー/16:9/HD/5.1ch/英語
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9月6日(金)より、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか
全国順次公開
商品情報
Nicky Hopkins
『The Tin Man Was A Dreamer』
Amazon Music・MP3(DEC 15 1972)¥1,800
Nicky Hopkins
『The Tin Man Was A Dreamer』
Amazon Music・MP3(DEC 15 1972)¥1,800
商品情報
Nicky Hopkins
『The Revolutionary Piano Of...』
Amazon Music・MP3(MAR 06 1966)¥1,800
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MUSIC LIFE Presents ザ・ローリング・ストーンズ インタビューズ 秘蔵テープ発掘を含む60〜90年代取材総覧
3,300円
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