ママ・キャスの妹、シンガー/ソングライターのリア・カンケルが76歳で死去

リア・カンケルのデビュー・アルバム『Leah Kunkel』(Columbia:1979)。
ママス&パパスのキャス・エリオットの妹で、セッション・シンガー/ソングライターだったリア・カンケル(Leah Kunkel)が11月26日、76歳で死去しました。

カンケルの訃報は、キャスの他界後にカンケルが育てたキャスの娘オーウェンが伝えています。
1948年にメリーランド州ボルチモアで生まれたカンケルは、グリニッチ・ヴィレッジのフォーク・シーンで学び、ボブ・ディランの師匠で知られるフォーク・シンガーのフレッド・ニールや、シンガー/ソングライターのジョン・セバスチャンらと行動を共にしていました。

1968年にロサンゼルスに住む姉のキャスを訪ねた際、トラウスデール・ミュージックとソングライター契約を結び、同年にはセッション・ドラマー/プロデューサーのラス・カンケルと結婚しました(80年代に離婚)。

1972年には、ジャクソン・ブラウンのデビュー・アルバム『Jackson Browne』に収録された「From Silver Lake」でカウンター・メロディを歌い、その後スティーヴン・ビショップやカーリー・サイモン、アーロ・ガスリーらのセッションワークに参加し、ジェイムス・テイラー1977年のアルバム『JT』にバック・ヴォーカルで参加しました。
また、アート・ガーファンクル1977年のサード・ソロ・アルバム『Watermark』をはじめ、ガーファンクル1979年の『Fate for Breakfast』、1981年の『Scissors Cut』、1988年の『Lefty』でもバック・ヴォーカルを務め、ガーファンクルは1979年にカンケルとコロンビアのレコード契約を手伝うなど、彼女の指導者的存在になりました。

1979年にコロンビアからデビュー・ソロ・アルバム『Leah Kunkel』を発表したカンケルは、翌1980年にセカンド・ソロ・アルバム『I Run With Trouble』をリリースしたほか、マーティ・グウィンらと女性ポップ・ロック・トリオのコヨーテ・シスターズを結成し、1984年のデビュー・アルバム『The Coyote Sisters』に続き、2001年にセカンド・アルバム『Women And Other Visions』をリリースしていました。

カンケルの訃報を受け、スティーヴン・ビショップは次のように綴っています。

「これを書くのは辛いですが、僕の最も古い友人で最愛の友の一人だったリア・カンケルが亡くなりました。永遠に生きるべき人がいますが、彼女がその一人でした。

リアは、僕の曲のテープをアート・ガーファンクルに渡し、僕に大きなチャンスをくれました。いつも僕の音楽を支持し、僕が最も必要としている時に僕を信じてくれたのです。僕とリアは “Under the Jamaican Moon” を共作し、このコラボレーションをいつまでも大切にします。僕らはもっと一緒に曲を書くべきでした。ソロ・アーティストとしての彼女の才能、つまり彼女のソングライティングと美声は卓越していましたが、彼女は過小評価されていたと感じています」

安らかなる眠りをお祈りいたします。

※この他、以下の記事に友人アーティスト関係者による多数の追悼メセージあり。
Lecgacy.com
Leah Kunkel (1948–2024), singer and sister of Cass Elliot
リア・カンケル 
『アイ・ラン・ウィズ・トラブル』


(Columbia:1980)
The Coyote Sisters
『The Coyote Sisters』


(Morocco Records:1984)
商品詳細
The Coyote Sisters
『Women and Other Visions』


Amazon Music・MP3(JAN 01 2002)¥1,600
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