伝説的タブラ奏者、ザキール・フセインが73歳で死去

ジョージ・ハリスンやヴァン・モリソン、グレイトフル・デッドのミッキー・ハート、ラヴィ・シャンカール、ジョン・マクラフリンらと共演した伝説的タブラ奏者のザキール・フセイン（Zakir Hussain）が12月15日、サンフランシスコにて73歳で死去しました。

家族が訃報を伝えており、フセインは特発性肺線維症により亡くなったそうです。

「教師、指導者、教育者としての彼の多作な業績は、数え切れないほどのミュージシャンに消えることのない足跡を残し、次世代にさらなる飛躍を促したいと願っていました。彼は文化大使として、そして史上最高のミュージシャンの一人として、比類のないレガシーを残しました」

フセインは1951年、ラヴィ・シャンカールの伴奏者で著名なタブラ奏者の父アラ・ラカ（Alla Rakha）の息子としてインドのムンバイで生まれ、7歳の時に父からタブラの演奏法を習いました。

19歳までに並外れた才能を発揮し、伝統的なインドで人気を博したフセインは、1970年に渡米した後、数年間ロック界の大スターたちとコラボレーションを行ない、ジョージ・ハリスン1973年のアルバム『Living in the Material World』で演奏したほか、同年ジョン・マクラフリンとラヴィ・シャンカールとシャクティ（Shakti）を結成しました。

6年後の1979年には、ヴァン・モリソンのアルバム『Into the Music』で「Bright Side of the Road」と「Steppin’ Out Queen」にフィーチャーされ、同年の映画『Apocalypes Now』（邦題『地獄の黙示録』）や、1993年の映画『Little Buddha』のサントラにも参加しました。

また、グレイトフル・デッドのミッキー・ハートと親しくなったフセインは、ハートのアンサンブル、プラネット・ドラム1991年のアルバム『Planet Drum』（グラミー賞「最優秀グローバル音楽アルバム賞」受賞）を含む7枚のスタジオ・アルバムでコラボし、キャリアにおいてグラミー賞を4度受賞しました。

フセインの訃報を受け、ハートは次のように綴っています。

「12月15日午後3時42分、私たちは地球上で最も偉大なリズム奏者の一人を失いました。ザキール・フセインは50年以上にわたり僕のブラザーで、最も親しいコラボレーターであり、最も大切な友人でした。私たちは長年、ドラムに人生を捧げる人だけが享受できる場所を共有してきました。

僕の初期の指導者であるウスタッド・アラ・ラカの息子として、ザキールは生まれた時から北インド音楽の古典的伝統の中で教え込まれました。彼の天才性は宿命的で、リズムマスターとしての役割が与えられていました」

安らかなる眠りをお祈りいたします。