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USメロディック・プログレ・バンド、パブロフズ・ドッグのヴォーカルを務めたデヴィッド・サーカンプ死去

パブロフズ・ドッグ、最初の再結成となった1990年のアルバム『Lost In America』(TelectrO Records)。右はそのブックレットに掲載されたメンバー写真で、中央がデヴィッド・サーカンプ。

10月13日、米ミズーリ州セントルイスを拠点に活動したメロディック・プログレッシヴ・ロック・バンド、パブロフズ・ドッグで、1972年の結成当初からフロントマンを務めたデヴィッド・サーカンプが亡くなりました。享年73。彼の訃報を伝えたのはバンドの公式フェイスブックで、「急逝した」との記述はありますが、死因については詳述されていません。

バンドの現メンバーであるヴァイオリン兼マンドリン奏者のアビー・スティーリングは、フェイスブックのページ上で、現在のラインナップを代表する形でサーカンプに哀悼の意を表しています。「いまは胸が張り裂けるような思いですが、10月13日、私たちの創作活動の原動力であり、リード・シンガー、そして親愛なる友人であるデヴィッド・サーカンプが急逝いたしましたことを、皆様にお伝えいたします。デヴィッドは、底知れないクリエイティヴィティ、紛れもない芸術性、そして世代や国境を越えて世界中の人々の心に響く数々の楽曲というレガシーを残しました。しかし、彼を知り、愛した人なら誰でも、そのレガシーが歌の枠をはるかに超えていることを知っていることでしょう。デヴィッドの持つ深い詩情とロマンティックな心は、音符のひとつひとつ、歌詞のひとつひとつ、そして毎回のパフォーマンスからも溢れていました。彼の音楽は深い情感に満ち、聴く人の心にまっすぐに響き、憧れや愛、美しさ、そしてそれらすべてに宿る甘く切ない痛みを言葉にして届けてくれたのです」

「彼は常に周囲のミュージシャンたちに対して、それぞれの強みを存分に発揮できるよう配慮し、スポットライトを惜しみなく分け与え、一人ひとりが音楽にもたらすものを心から称えていました。日々の暮らしの中でどんなことがあっても、ステージに立った途端彼は生き生きと輝き出しました。どんなに辛い日であっても、照明が入り、カウントダウンが始まれば、彼は完璧なパフォーマーへと変貌したのです。彼が音楽を奏でれば、その日は確実に素晴らしい一日になりました」

「この喪失の大きさと衝撃に打ちひしがれる中でも、私たちは彼を取り巻いていた素晴らしいコミュニティ──家族、長年続く素敵な友人関係、そしてパブロフズ・ドッグと彼が世界に届けた音楽を通じて結ばれた世界中の仲間たち──に慰めを見出しているところです」

VALKERIE (1975) by Pavlov's Dog

パブロフズ・ドッグは元々サーカンプが19歳の時に、ベーシストのリック・ストックトンと2人の高校時代の友人たちと共に結成したバンド、ハイ・オン・ア・スモール・ヒルから派生したバンドでした。オリジナル・ラインナップは、ヴォーカル兼ギターのサーカンプを中心に、スティーヴ・レヴィン、デヴィッド・ハミルトン、ダグ・レイバーン、リック・ストックトン、マイク・サフロン、ジークフリート・カーヴァーで、その後まもなく、レヴィンの後任として、かつてREOスピードワゴンに在籍していたスティーヴ・スコルフィナが加入しています。

「『21st Century Schizoid Man』の冒頭に入ってる、あの霧笛を初めて聴いた瞬間は今でも忘れないよ──あれで俺はすっかり虜になっちまったんだ」と、彼は2016年に『Prog』誌に語っていました。「フェアポート・コンヴェンションも大好きだったな──多分彼らは俺の一番好きなバンドだったと思う」

彼らが1975年にリリースしたデビュー・アルバム『Pampered Menial』は、ブルー・オイスター・カルトとの仕事の経験を持つサンディ・パールマンとマレー・クルグマンがプロデュースを手掛けた、プログレッシヴ・ロックとメロディック・ハード・ロックを融合させた作品でした。サーカンプの特徴的なヴォーカル──彼自身がかつて「スピードをヤッてる聖歌隊の少年」と表現していた──は、バンドの存在を一気に世に知らしめることとなり、1976年にはセカンド・アルバム『At The Sound Of The Bell』がリリースされましたが、その1年後にバンドは解散してしまいます。

サーカンプはその後、元フェアポート・コンヴェンションのメンバーだったイアン・マシューズとHi-Fiで活動したり、ジャーナリストとして活動していた時期もありましたが、1990年にはパヴロフズ・ドッグが再結成され、『Lost in America』をレコーディングしたものの、バンドの活動はまたもや暗礁に乗り上げました。

Pavlov's Dog - Live in CBS Records 1975 (Prog Rock)

2005年に再び再結成された際には、サーカンプの妻サラがヴォーカルとギターを担当し、活動を続けました。彼らはそこからさらに3枚のスタジオ・アルバム、『Echo And Boo』(2010年)、『Prodigal Dreamer』(2018年)、『Wanderlust』(2025年)をリリースしたほか、2024年には全キャリアを網羅したボックス・セット『Pavlov's Dog Essential Recordings 1974-2018』もリリースしています。

なお、結成当初からのメンバーだったジークフリート・カーヴァーは2009年に、マルチ・インストゥルメンタリストのダグ・レイバーンは2012年に、ベーシストのリック・ストックトンは2015年に、そしてキーボード奏者のデヴィッド・ハミルトンとサラ・サーカンプは昨年、それぞれ亡くなっています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。

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